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社会福祉法人あいのわ福祉会

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障害者もスタッフも誰もが笑顔になれる福祉施設に

笑顔が福祉施設の誇りストーリー
障害者もスタッフも誰もが笑顔になれる福祉施設に

障害者施設の仕事というと、重労働の上に、精神的負担も大きい、というイメージを持つ方もいるかもしれない。だが、あいのわ福祉会の施設に一歩足を踏み入れて目にしたのは、自然体の笑顔。そこには、人と接することの喜びがあふれていた。

一人ひとりの状態に合わせた 対人サービスを提供


1994 年の設立以降、足立区を中心に障害者支援事業を展開するあいのわ福祉会。手掛ける事業数は23に及び、軽度から重度までの障害者を幅広く受け入れ、種別は身体、知的、精神障害と多岐に及ぶ。そのため、各福祉施設の業務内容は利用者によって異なり、入浴、排泄、食事などの身体介助や社会復帰に向けた自立支援など、障害者の状態に合わせたサポートを行っている。
 障害者施設の仕事について、酒井常務理事・総合施設長は、業務内容は異なっても、仕事の根幹を成すのは、“対人サービス”だと話す。
 「障害者の方の身体の状態は、一人ひとり違い、同じ人はいません。それと同様に、求めている支援の方法も違ってきます。その違いを理解した上で、サポート方法を考え、より良いサービスを提供していくことが、我々の仕事の本質だと考えています」
 同じサービスは一つとして存在せず、利用者に寄り添いながら、個々に合ったサービスを追求することが求められる。
 障害者の作業グループで、軽作業のサポートなどを行っている、足立あかしあ園(あいのわ福祉会の生活介護施設)の永山さんも、そこにこそ、この仕事のやりがいがあるのだと、力を込める。
 「入社当初は利用者の状態に合わせた支援方法がわからず、試行錯誤の連続でした。時間を掛けて工夫を凝らした結果、利用者が新たな作業をできるようになり、満面の笑顔を返してくれたときは、私も嬉しい気持ちで満たされました。障害者の方の成長が実感でき、ともに喜びあえる点が、この仕事の最大のやりがいだと思っています」
 個々の利用者に応じた“対人サービス”を提供するために、あいのわ福祉会では人材育成に力を入れている。入社1年目の新入社員に対しては、2~3年目の社員がマンツーマンでサポート。仕事の面だけでなく、生活の悩みなども話しやすいように配慮している。また、福祉の専門学校だけでなく、一般大学の卒業生も採用し、資格取得に向けたサポートを行っている点も特徴の一つだ。
 更に、“対人サービス”の考え方は、地域社会に対しても向けられる。障害者と地域社会との接点を多く持つことが、一般社会の生活に慣れることにもつながるからだ。あいのわ福祉会では、地域交流会などのイベントを開催し、地域との関係性を構築している。

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「若い人が福祉に対して希望を持ち、ともに成長できるようにして いきたい」と酒井常務理事・総合施設長

東京都女性活躍推進大賞における優秀賞を受賞


あいのわ福祉会は、女性が働きやすい職場として、平成28年度の東京都女性活躍推進大賞優秀賞を受賞している。妊娠・出産による離職者がいないことや、女性管理職や役職者の比率が向上したことが理由で選出された。
 実際に、子どもを保育園に通わせながら、短時間勤務制度を活用しているグループリーダーの春日さんは、「あいのわ福祉会では、仕事と子育てを両立している女性が多く、育児休業制度や短時間勤務制度を利用しながら、働き続けるケースが一般的です。会社側も制度の活用を推奨し、育児等の相談にも乗ってくれるため、制度を利用しやすい環境が整っています。周りのフォローがあるからこそ、時短勤務を用いて働き続けられるため、職場の仲間には日々感謝しています」と話す。
 短時間勤務制度を利用しながら、グループリーダーという責任の重い仕事が担えるのは、スタッフのサポートに加え、本部の功績も大きい。各施設で重複していた実務を本部が調整することで、リーダーが担っていた仕事量の軽減に結び付けているのだ。

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女性が笑顔で生き生きと働ける環境が整備されている (写真左から春日さん、永山さん、豊島さん)

応援ガイドブックを作成し ワーク・ライフ・バランスを推進


また、あいのわ福祉会は、平成27年度足立区ワーク・ライフ・バランス推進認定企業でもある。各施設を管轄する法人本部の豊島さんは、「各施設のスタッフと接して感じるのは、生き生きと前向きに働いている人が多いことです。仕事も生活も充実しているので、笑顔で働き続けられるのだと思います。本部としても、残業等を減らし、なるべく早く帰宅できるように各施設をサポートしています」と語る。
 ワーク・ライフ・バランスを推進するための一つの取組として、『ワーク・ライフ・バランス応援ガイドブック』を本部スタッフが作成。育児・介護制度などの内容や取得方法が分かりやすく掲載され、各種制度の利用を促している。
 あいのわ福祉会では、利用者のサービス向上だけでなく、スタッフの働きやすさも追求し、障害者施設に対するイメージを刷新するべく、社会に開かれた新たな福祉サービスの姿を追い求めている。

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育児・介護制度などの取得を促す目的で、『ワーク・ライフ・バランス 応援ガイドブック』を作成

地域の憩いの場、カフェ「ふぁらん」を開設


綾瀬あかしあ園では、カフェ「ふぉらん」を開設し、コーヒーやカレーなどの軽食を地域の方々に提供しています。カフェは利用者の方々が中心になって運営。施設内に飲食スペースを設けることで、今までにない新たな仕事が生み出され、地域との接点も増えました。
 カフェの内装は木目調で統一し、温かみが出るように意識しました。壁面には展示スペースの棚を設け、利用者の方が制作した雑貨や小物なども販売しています。
 また、「ふぉらん」のスペースは、地域の方々に開放し、ライブイベントなども開催しています。
(春日さん)

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木目調の温かみのあるカフェ「ふぉらん」

●第14号 (2018年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
社会福祉法人あいのわ福祉会
設立・創業年
1994年2月
資本金
社会福祉法人のため無し
代表者名
橋本 弘
従業員数
280名(内、女性従業員182名)
所在地
121-0012 東京都足立区青井4-30-5
TEL
03-3849-1188