<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

文字サイズ

menu

中央・城北地区
株式会社アープ

株式会社アープ 社員の「やりたい」が原動力 発想力と行動力で、10年後の世界一を目指す

株式会社アープ

社員の「やりたい」が原動力 発想力と行動力で、10年後の世界一を目指す

arp
東京カイシャハッケン伝!企業
中央・城北地区

株式会社アープ

社員の「やりたい」が原動力 発想力と行動力で、10年後の世界一を目指す

main_arp

未来を見据えた挑戦ストーリー
社員の「やりたい」が原動力 発想力と行動力で、10年後の世界一を目指す

 レントゲンやMRIなど、医療用の画像を扱うソフトウェアの開発を得意としている株式会社アープ。リーマンショックなどの逆境を乗り越え成長を続けてきた裏には、常に新しいアイデアを求める社長と、それに応える社員の姿があった。10年後の未来を見据えて成長を続ける同社の軌跡を追った。

困難な状況も発想力でチャンスに変える

 アープが創業したのは1995年。バブル崩壊、阪神大震災など、決して起業にいい時節ではなかった。
 「景気はどん底で、世の中は先行き不透明と嘆いているような時代でした。しかしちょうどインターネットが、技術的にもコスト的にも広く使えるようになり始めた時期で、これは世の中が変わるぞ、という大きな期待が私にはあり、やるなら今だと感じたんです」
 と当時を振り返る阿部健一郎社長。それまで10年間SEとして発展著しいIT業界でキャリアを積んできた自らの技術とインターネットを使えば、何か面白いことが起こせるのではないか、世の中に貢献できるのではないかと起業を決意したという。
 しかし、事はそう簡単に運ばない。インターネット検索エンジンの開発も試みたというが、事業として発展するには至らなかった。同社の成長のきっかけとなったのは、医療用画像を保存・配信するためのソフトウェア、PACSの開発だった。
 「医療系ソフトウェアの開発に携わるようになったのはたまたまでした。前職で関わりのあった人が、実はこんなシステムが欲しいという企業があるんだけどやってみないかと声をかけてくれたんです。そのときは医療系ソフトに関する知識は全くありませんでしたが、これはチャンスとスタッフ一丸となって勉強を始めました」
 医療画像の保存・通信には、DICOMという世界規格があるのだが、最新のものはまだ翻訳されておらず、分厚い英語の規格書を端から端まで読み込むところから始めたという。翻訳がないということは我が国では未踏の技術。それらを先取りすることで、医療系分野での受注が増えていった。
 地道な努力を積み重ね、成長を続けた同社だったが、創業から10年、リーマンショックが起こる。多くの企業が破綻、あるいは規模の縮小などの対応を強いられる中、同社はこの逆境もチャンスに変えた。
 「10人から15人くらいの社員が、会社に来てもやることがなにもないという時期があったんです。途方にくれるような事態ですが、やることがないなら、何か新しいことをやってみようと頭を切り替えたんです」
 この社長の呼びかけに社員が応えた。ソフトウェアの開発に欠かせない動作テストの自動化ができないかという案が社員から持ち上がったのだ。そして開発されたのがテスト自動化ツール『TestDesign』だった。受注開発のみだった同社にとって、初めての自社製パッケージソフト。今はまだ同社を支える屋台骨というまでには至っていないが、自社製品を作り、それを売るという経験は、5年後・10年後にも必ず生きてくると阿部社長は断言する。

body1-1.jpg社員のアイデアとわくわくが原動力だという阿部健一郎社長

アイデアがなければ始まらない 手探りの営業活動

 いわば、同社の夢が託された自社製パッケージソフト。その営業を担当する小川真史さんは、ソフトウェアのテストを行う品質保証部から営業部に異動し、『TestDesign』や、パソコン設定(キッティング)の自動化ソフト『SetROBO』などの販売に日夜駆け回っている。実は現在、同社に営業部は存在しないが、小川さんは引き続き同製品の営業をメインで行っている。それだけ、営業手腕が期待されている証と言っていいだろう。
 「家電量販店で販売をしていた経験から少しは自信があったのですが、やってみると全然勝手が違いました」
 家電量販店ならお客さんが商品を求めてやってくるが、小さい会社の初めてのパッケージソフトの知名度は当然低く、こちらからお客さんを求めていかなければならないと小川さんは苦労を語る。しかし、愚痴ってもいられない。秋葉原に出向き、店頭に並んだパッケージに書いてあるソフト開発会社をメモしてまわったり、キッティングを倉庫で行っていることがわかれば、倉庫に自作のチラシをポスティングしてまわったりもしたという。
 「素晴らしい製品という確信がありましたから、めげることなく営業できたのでしょうね。とにかく、製品を理解していただければ売れるはずと、そのためならなんでもやるという勢いで臨みましたし、意見を出せばやらせてくれました。当たるものもあれば当たらないものもありましたが、そうしたトライアル&エラーの繰り返しの中で徐々に知名度が上がり、注文が増えていきました。中には関西や九州といった遠方のお客様からのお問い合わせもあり、喜びもひとしおですよね」
 「自分の色を出したい」という思いから転職したという小川さんにとって、自分で考えなければ何も始まらない手探りの営業は大きなやりがいだったに違いない。

body2-1.jpg更なる販路拡大を目指して奮闘する小川真史さん

社員の「やりたい」を引き出す風通しのいい職場環境

 開発部の田所いずみさんは、同社の新卒第1期生。彼女が就職活動をしていた2007年ごろは就職氷河期の狭間、売り手市場と言われていた時期で、田所さん自身も数社から内定をもらっていたという。それでもどこかしっくりせず、一旦就職活動を休止して、冷却期間を設けたという。それが同社との出会いに結びついた。
 「説明会に参加したとき、社長との距離の近さと、社員同士なんでも言い合える雰囲気を感じ、ここなら遠慮せず自分の言いたいことをいえるのではないかと思いました。新卒第1期ということもあり、これから新しいアープを一緒に作っていこうという空気があったのも魅力でした」
 迷いなく同社への就職を決めた田所さんは、実際に入社して風通しのよさを実感していると笑みをこぼす。もちろん、日常業務に忙殺される毎日で、阿部社長が求める新しいアイデアを考えるのは容易ではない。
 「それでも、阿部社長は待っているんですよね。私たちからアイデアが出るのを」
 と田所さん。いつかは自分も、という内なる闘志を笑顔の中にのぞかせる。
アイデアもそうだが、いくら阿部社長のオープンな人柄、社風があったとしても、誰もが会社への意見を経営側に訴えられるというわけではない。それを見越して、同社には「社員会」という制度がある。これは労働組合のようなもので、2か月に1度社員の代表と取締役が話し合い、社員の意見を吸い上げるのだという。社長が社員の声を求めているからこその制度だ。
 「『新しいことない?』と求められているとやるぞ、という気持ちになる」
と語る田所さんは、初めての新卒社員というだけでなく、同社で初めて産休・育休を経て職場復帰した社員でもある。もちろん初めてのことだから制度は完璧ではなく、引継ぎが十分でないなど問題はあった。それでも社長をはじめ周りのスタッフの積極的なサポートがあって、半年間の休暇をとり、出産、育児に専念。復帰後のサポートも手厚く、安心して仕事と育児・家事を両立できているという。実はもうすぐ2度目の産休・育休に入る田所さん。初めてのときの反省を生かしたいと言う彼女は、同社で働く女性にとって良い前例となってくれることだろう。

body3-1.jpg「新しいことを提案、挑戦できる環境はやる気になります」と語る田所いずみさん

夢は世界一 10年後を見据えた挑戦

 創業当時、インターネットはまだ世間一般に広まっていなかったにも関わらず、阿部社長はその発展を確信していた。今では我々の生活に欠かせないものになっているのだから、その読みは正しかったといえよう。そんな阿部社長が今、注目しているのが「ディープラーニング」を活用した新しい事業だ。
 ディープラーニングとは、人工知能の発展に寄与すると期待されている機械学習の手法のことで、これによってコンピューターが概念を理解できるようになるという。たとえば、多くの画像からネコを選び出すとしよう。これまでは認識率70%ほどで、1%上げるのに四苦八苦していたのが、ディープラーニングの登場で一気に認識率80%まで上がったというからその有能ぶりは推して知るべし。阿部社長は、この技術を使って何か新しいことができないかと期待を膨らます。
 「インターネットが出始めの頃は、みんな『インターネット?なにそれ?』という感じだったのに、今ではなくてはならないものになっている。ディープラーニングもそうなるだろうと考えて、久しぶりに本当にわくわくしています。インターネットでは世界一になれませんでしたが、ディープラーニングを使った技術で世界一になることを目指して動き始めています」
 と阿部社長は目を輝かす。社内ではアイデアコンテストを行っているといい、社員から吸い上げたアイデアをブラッシュアップして、新たな事業として開発を進めていくつもりだと期待と抱負を語る。チャンスを逃さず、難しいことにこそ挑戦することが大切だと阿部社長が言うように、同社は常に新しい挑戦を続け、逆境もチャンスに変えてきた。そんなアープだからこそ、いつの日か、世界を変えるかもしれないと感じさせられた。

body4-1.jpg社員一丸となって新しいプロジェクトに取り組んでいる

編集部からのメッセージ

社員のやる気を引き出す研修制度

 「社員の幸せが私の幸せだと考えています。仕事の面でいえば、やる気の出る仕事をすること、仕事を楽しむことが幸せ。どんなに技術力があっても、やらされていると思っていてはやっぱり良い仕事はできないんです」(阿部社長)
 阿部社長が語るように、アープには社員のやる気を引き出す研修がある。たとえば、新入社員向けにプログラミングの考え方を学ぶ研修では、ブロックでロボットを作り、コースを走るタイムを競う。研修を受ける側が楽しみながら学べるのはもちろん、研修する側にとっても「こんな考え方もあったのか」と刺激になるという。こうした取組が社員の士気を高め、更なるアイデアの創出に一役買っているだろうことは想像に難くない。

edit-1.jpg社名には「たとえ一般には知られていなくても重要な働きをするソフトウェア開発を」という思いが込められている
  • 社名:株式会社アープ
  • 設立年・創業年:設立年 1995年
  • 資本金:1,000万円
  • 代表者名:代表取締役 阿部健一郎
  • 従業員数:53名(内、女性従業員数12名)
  • 所在地:101-0052 東京都千代田区神田小川町3-8神田駿河台ビル6階
  • TEL:03-5259-5891
  • URL:http://www.arp-corp.co.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください

この企業もオススメ!

株式会社アイ・エム・エー広告会社から転身し、ゼロからスタートした住宅制震メーカー
英弘精機株式会社人材教育が着実に実を結び、“グローバル×ニッチ”で世界トップメーカーへ躍進
CONTACT

東京都主催
「中小企業しごと魅力発信プロジェクト」運営事務局

TEL03-3479-0293
(電話受付 平日 9時30分〜18時30分)
FAX03-5413-3020
Mail
東京都
Facebook Twitter
Facebook Twitter
江戸っ子1号プロジェクト クールトーキョー 中小企業しごと魅力発信 取り組みレポート キャラクタープロフィール 東京カイシャハッケンツアー わんポイント用語解説 東京都産業労働局からのお知らせ モノづくり、ものがたり TOKYO はたらくネット 東京しごとセンター
pagetop

CONTACT お問い合わせ

東京都主催「中小企業しごと魅力発信プロジェクト」運営事務局

〒107-0062 東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館15階(アクセスヒューマネクスト内)

TEL:03-3479-0293 (電話受付 平日 9時30分〜18時30分)

FAX:03-5413-3020

※本事業の事務局は、東京都より㈱アクセスヒューマネクストに運営を委託しております。