城東地区 シーエスエス株式会社

シーエスエス株式会社
社員同士の深い絆が大手企業の信頼を集める下町のIT企業

シーエスエス株式会社
社員同士の深い絆が大手企業の信頼を集める下町のIT企業

小さくてもキラリと光るIT企業ストーリー
社員同士の深い絆が大手企業の信頼を集める下町のIT企業
一人ひとりが求められる以上の成果を出して、顧客の信頼を得る。
そのために一番大事なのは「社員同士が仲良くすること」
笑顔に包まれた職場でいきいき働く社員が、多くの企業の基幹業務を支えている。
的確なマネジメントと技術で 頼りにされる存在に
江戸川区のシステムエンジニアリング企業シーエスエス。社員数12名という規模がうまく作用してのことか、「仲良くすること」という方針がオフィス環境を包み込み、時折笑い声が飛び交うアットホームな雰囲気が漂う。
「同じ仕事なら、明るく楽しくやるほうが良いでしょう」
落合幸男代表も笑みをこぼす。
落合代表は生まれ育った北海道から1973年に上京し、システムエンジニアリング会社に勤務した。時あたかもネットワーク産業の黎明期、その進化を陰から支えるように業務に邁進したと振り返る。
「当時、コンピューターは『コンピューター様』と呼ばれるくらい高価なもので、アプリケーションは付いていて当たり前、動いて当たり前という認識でした。その陰で、私たちのようなエンジニアが大変な量の汗を流していたわけです」
そうしたエンジニアの情熱で、業界はまさに天井知らずの勢いで発展。その勢いに乗じて1984年に創業に踏み切った落合代表。企業のソフトウェア開発を受託し、堅実に地盤を築いていった。
そして、1997年にさらなる発展にきっかけを掴んだ。大手ソフトウェア企業が販売する基幹業務パッケージソフトの導入サポートに乗り出したのだ。経営管理や人事の効率化などに力を発揮すると多くの企業が注目していたものだが、導入は一筋縄にはいかなかった。会社によって業務の手順、形態がまちまちである上に、以前から独自のシステムを運用しているケースが少なくなかったのだ。パッケージの導入あるいは旧システムからの移行を実現するには、まず現状との整合性を取り、使い勝手も可能な限り以前のものに近づけるという手間が不可欠だった。それに、時代の変化に合わせて求められる変更点を組み込んで初めて導入となる。ソフトウェアの知識はいうまでもなく、担当企業の業務に関する深い見識も必要になる。
それでも、同業他社の多くが苦戦を強いられるなか、企業ごとにかゆい所に手の届く落合代表のプロジェクトマネジメントは評判を呼び、同社は多くの大手企業を顧客に抱えるようになった。そうして蓄えたスキルは発売元のソフトウェア会社に改良点をアドバイスするレベルにまで達した。

何より大事なのは 顔が見えること
勢いに乗って事業をさらに拡大することも可能だったが、落合代表はそれを良しとしなかった。
「私にとっては、楽しく仕事ができることが一番。いたずらに所帯を大きくするより、全員の顔が見える今の規模が私にとっては理想なんです」
と、経営に一つの割り切りを見せる。
「顔が見えること」を重視するのは、もちろん楽しさのためだけではない。エンジニア同士で作業を分担するときに誤解が生じにくくなる。特に若手にとっては、疑問があれば、同僚や先輩にすぐに相談することもできる。「社員同士が仲良くすること」が仕事のスピードアップ、品質向上の鍵となるというのが、落合代表の持論だ。
「1人で仕事をしていたら一人力でしかありませんが、3人で仕事をすれば、それが四人力、五人力になっていく。それが会社の一番良いところで、そのためにも社員同士仲が良いということは大切なのです」
技術革新が激しいIT業界にあって、同社では机上の理論だけで技術にキャッチアップすることを勧奨していない。現場で実際に業務を進めながら、先輩が若手に技術を教えていく。結果的にはそれがもっとも効果的な教育になるという落合代表の方針だ。
近年で増えている在宅ワークや遠隔ワークといった働き方は「一人力の時代に逆戻りする」と懐疑的で、顧客企業に出向することの多い従業員も、必ず週に1度は社で全員顔をそろえる時間を設けている。毎年恒例の社員旅行では国内の世界遺産や海外のリゾートを訪ね、花見や忘年会といったイベント事も欠かさない。その仕切りを行うのは専ら若い社員で、従業員全員の要望を調整し、満足のいくプランを作ることが「大事な研修」になっているという。
「顧客に対しても同じです。仲良くすることで、お互いの心が通じ合うようになりますから、顧客も満足が得られ、信頼関係が築けていくのではないでしょうか」(落合代表)

「一人で悩むな」が合言葉の 人に優しい職場
その理念は、確実に社員に引き継がれている。
システムエンジニアの高橋智史さんは、職業訓練校でプログラムを学び、とあるソフト開発会社に就職したが、倒産の憂き目に遭い、別の会社に就職。ところが、性格的にどうしてもなじめず、ついに退職。3社目のシーエスエスでの勤務はまもなく6年となる。
「何より同僚や先輩方の人柄が良くて居心地が良いんです。代表の口癖は『一人で悩むな』で、直属の上司も同僚も、いつも困っていることはないかと聞いてくれる。先輩たちは会計の仕組みなどにも精通しており、分からないことがあっても、すぐに質問できます。何でもどんどん聞ける雰囲気は本当に有り難いですし、助かっています」
現在は、パッケージソフトを導入した企業のシステム室に常駐し、その保守に当たっている高橋さん。顧客のすぐそばにいるとストレスを感じそうなものだが、それもないときっぱり。
「代表とお客様との間で長年積み重ねた信頼がありますし、皆さん当社のことをよく知ってくださっているので、とても働きやすいですね」
残業もほとんどなく、休みもしっかりとれる。システム導入直前はさすがに休日出勤もあるが、振替休日は必ず取得できるなど、誰もが安心して働ける環境だという。
同じくシステムエンジニアの五十井弘子さんは、1996年の入社。当時、世に現れたばかりのインターネットに興味を持ち、これを仕事にしてみたいとインターネットを検索していたところ、シーエスエスの名前が引っかかった。
「当時の就職・転職情報は、ほとんどが雑誌や新聞で探すもので、ホームページを用意している当社は珍しい存在。自前のホームページで社員募集の告知も行っていたので最先端の企業に思えたんです」
募集していた職種はホームページ作成だったが、その業務は1年弱で終了。同社の本業であるシステム開発のプログラミングを任されることとなった。
「私にとって未知の仕事でしたから、一から勉強するしかありませんでした。それでも分からないとなれば、教えてくれる先輩が周りに大勢いて、自分のペースで学んでいけました」
プログラミングの基礎を覚え、仕事の現場に赴くようになると、そこで大きな驚きが待っていた。
「企業のシステムを構築するというと、端末と向き合ってコツコツとプログラミングをすると想像するかもしれませんが、実際のところ、お客様とお話しして要望・要件を聞き出すことが重要だと気付かされました。要望通りのものを実現するには綿密で正確なヒアリングが必要で、顔を合わせることの大事さを痛感しました」
毎日が新しいことの連続で、やりがいに満ちているという五十井さん。将来は同社が得意とする業務ソフトの勉強を深めて、人事・給与システムのスペシャリストになっていきたいと抱負を語る。
「仲良くすること」が社員一人ひとりの意欲と成長にも繋がっている。それが同社の最大の強みといえそうだ。

編集部メモ
信頼関係を作るのは人間の得意分野
業務ソフトの導入においては、プログラミングそのものの技術よりも、顧客の要望を聞き取り、形にしていくスキルのほうが大切、とは落合代表。
「将来AIが進歩すれば、この仕事もどんどん効率化して、人もいらないといわれる日が来るかもしれません。そうならないようにするには、一番人間的な部分を鍛えていくしかない。つまりは人と人との関係を作る技術です」
群雄割拠のIT業界で40年以上にわたり、第一線で活躍してきた落合代表の言葉には重みがある。


- 社名:シーエスエス株式会社
- 設立年・創業年:設立年 1984年
- 資本金:1,000万円
- 代表者名:代表取締役 落合 幸男
- 従業員数:12名(内、女性従業員3名)
- 所在地:134-0088 東京都江戸川区西葛西6-9-12 西葛西トーセイビル6階
- TEL:03-3804-2312
- URL:http://www.csskk.co.jp
- 採用情報:ホームページよりお問い合わせください