1946年設立のイマニシは、もともとボルト・ナット類や工具類の専門商社としてスタートしたが、顧客からの要請でねじの製造も手掛けるようになった。同社は製品のほとんどを特注で製造しており、商社として他社から買い付けているものも含めると取扱商品は数万種類にも及ぶ。
　「メーカーとしてねじの製造を行いながら、商社機能も有しているという企業は少なく、オーダーメイドと商社としての豊富な品ぞろえでで、お客様からのどんな要望にも応えられるのが当社の強みです。また、通常のメーカーでは断られてしまうような小ロットでの販売も行っており、『困ったときのイマニシ』として信頼されています」と今西社長は語る。
　ねじと一言でいっても精密機械に使われるような小さなものから、大型機械や建築物などに使われる大きな物まで実に様々。同社が強みとするのは、フェンスの取付時や、マンホールから水道管へ降りるためのタラップを固定する際に使用されるねじ。こうした建築用のねじ部品には、ゆるんだり外れたりしないよう、強度や安全性が求められる。顧客の要望を叶え、安全な製品を作るため、同社のねじには長年積み重ねた特殊な技術が用いられている。
　また、同社はイレギュラーな要望への対応にも定評があるという。入社22年目、第一営業部の原課長は「フェンスメーカーには通常ねじとその付属品のみを卸していますが、急遽、他社が製造しているフェンスの柱の図面を引き、製造したこともあります」と語る。取引先の要望に最大限応える姿勢が、抜群の信頼を生んでいる。

　同社は、働き方改革が注目される以前から残業の削減に取り組んでおり、定時退社が当たり前という。
　また、客観的な視点で従業員の仕事ぶりを評価しようと、2019年度から人事評価制度が試験的に導入された。日々の業務について細かく評価項目を設けたというこの制度は、社員のモチベーションアップにつながると期待されている。
　「これまで、言わば年功序列で給与や昇進が決まっていましたが、頑張った人が評価されやすい仕組みにすることで社員のやる気アップを期待しています。とりわけ若手に注目してほしいのが、業務の流れについて改善案を提案した社員を評価するようにしたところです。是非積極的に社内改革に取り組んでほしいです」（今西社長）
　「１年目の私にも意見を言える機会があるので、あったら良いと思う社内制度や、業務の効率化が図れることを積極的に提案していきたいです」と杉浦さんもやる気を見せる。
　同社は社員の声を取り入れながら、100年企業を目指し改革を続けていく。