<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

文字サイズ

城南地区 株式会社アイテクノ

株式会社アイテクノ 社員の資格取得やビジネススキルを充実した体制で支援

株式会社アイテクノ

社員の資格取得やビジネススキルを充実した体制で支援

itecno
東京カイシャハッケン伝!企業
城南地区

株式会社アイテクノ

社員の資格取得やビジネススキルを充実した体制で支援

main_itecno

資格取得を支援する人材育成ストーリー
社員の資格取得やビジネススキルを充実した体制で支援

 社員のスキルが顧客の満足度に直結するヘルプデスクサービスを中核事業とするアイテクノでは、資格取得のための専用ラボを開設するなど、手厚い教育体制で社員のスキル向上に挑む。

創業時から人材育成に注力

 パソコンの操作が分からない、メールがフリーズしてしまったといったトラブルに対して、電話やメールで対処方法を教えるヘルプデスク業務を中心に事業を拡大してきたアイテクノ。2001年の創業時に情報通信メーカーのヘルプデスク業務を受注したのを皮切りに、大手企業や研究機関、学校法人などに同様のサービスを提供するとともに、サーバーなどのネットワーク系のサポート業務や情報システムの構築を手掛けて順調に業績を伸ばしてきた。
 「設立時の社員はわずか5名。それに協力会社や自営業のスタッフ併せて40数名でヘルプデスク業務を受注していました。ただし、派遣するスタッフが当社社員でないと契約できないとする企業もありましたので、一般派遣業の許可を取得するなど体制の強化を図ってきました。今では社員96名と協力会社10名、個人5名の総勢100名を越えるほどに所帯は大きくなり、ヘルプデスクサービスから情報システム構築まで幅広くお客様のニーズに応えています」
 そう自社の軌跡を説明するのは駒場厚史社長。社員数が飛躍的に増えた同社だが、創業時からコンピューターやプログラミングに精通したスタッフは少数派で、ほとんどが未経験者だったという。それでも順調に経営できてきたのは社員の教育の賜物と言を継ぐ。

body1-1.jpg社員一人ひとりの成長が顧客満足度の向上に繋がるという駒場厚史社長

資格取得のためのラボを新設して社員を支援

 まず、社員のスキル向上を図るために早くから資格手当を付けるなどの支援を行ってきた。そして昨年には教育本部を設置して、さらに教育体制の強化に乗り出した。
 その一つに「アイテクノラボ」がある。本社オフィスに社員の勉強のためだけに使用する一室を設けたのだ。ここで勤務後や土曜日にベテラン社員が講師役になって資格を取得したいという社員のために受験対策の講義を開催している。さらに、定期的に外部講師を招いてビジネスマナーやコミュニケーションスキルなどの各種セミナーが開かれるというから、資格を希望する社員にとっては有り難い一室といえよう。
 また、社員間の交流を深めるために帰社日を設けて5~10名ほどで定期的に親睦会を開いたり、社員の誕生日にはバースデーカードとともに5,000円分の図書券をプレゼントしている。
 「コンピューターやネットワークなどに関する専門書は会社で用意するので、専門書以外の書籍の購入費に充てるようにとお話ししています。ビジネス書でもいいですし、小説でもいいんです。とにかく、教養と知識を深める本を読んでもらいたいですね。それが人間としての幅を広げ、顧客先で様々な方と会話する際の話題作りはもちろん、人間関係を深める際にも役立つのです」
 まさに社員を大切にする同社らしい、福利厚生と人材育成を兼ねた試みといえるだろう。

body2-1.jpg社員が成長できるように教育環境を整えた駒場社長と若手社員の皆さん

働きがいと働きやすさを作る充実の制度

 入社4年目の中村真魚さんは、ある大学の教職員を対象にしたヘルプデスク業務を担当している。入社後はメインフレームの運用・保守を経験後、ある研究所の職員向けのヘルプデスク業務を担当し、昨年から現在の大学担当となった。
 「お客様にはパソコンに詳しい方ばかりではなく知識の浅い方もいらっしゃいます。まずは会話の中からお客様のパソコンの知識レベルを把握した上で、あまり詳しくない方には噛み砕いた説明をするなどの配慮をしています」
 そう言う中村さんが一番やりがいを感じるのは、受話器の向こうから「ありがとう」という感謝の言葉を掛けられるときだという。顧客からの感謝の言葉が成長の源になっているという中村さんは、これまで会社の支援を受けながら複数の資格を取得してきた。
 ITの基礎知識が身に付けられるITパスポートやITILファンデーションはもちろん、ネットワーク基礎とCisco社製のネットワーク機器に関する技術者認定資格であるCisco CCNAも取得。Cisco CCNAはアイテクノラボで開催される資格取得研修を受講して合格した。実はアイテクノラボでは実際にCiscoの機器を導入しており、機器を使ったシミュレーションが行えるなど実業務を想定した検証も行える。
 そんな恵まれた環境の中で着実に成長してきた中村さんが次に目指すのはシステム構築だという。「今後はお客様の事業や業務そのものをサポートできる情報システムの構築で貢献したい」と笑顔を向ける。

body3-1.jpg顧客からの感謝の言葉がやりがいに繋がるという中村真魚さん

社員間の交流を深める充実した社内イベント

 アイテクノが事業展開するヘルプデスク業務も、情報システム構築も顧客の会社に常駐して働くことになる。そのため、社員の会社への帰属意識は薄くなりがちになる。これは情報システムの受託会社の宿命ともいえる課題だが、同社では経営理念や行動指針を定めて価値観の共有を図り、社員間の交流を深める各種イベントを開催することで社内の一体感を作り上げてきた。
 入社3年目を迎えた天野栞里さんも、大手メーカーでヘルプデスク業務を担当する若手社員の一人。日々、顧客である企業の社員を対象にパソコンやメールの使い方、トラブル時の対処方法を伝える日々を送る。
 そんな天野さんが何よりも楽しみにしているのが社内イベント。同社では6月のボウリング大会、8月の暑気払い、10月の社員旅行、12月には忘年会などが開催されるが、こうした親睦会を企画する運営委員会のメンバーとして活動する。
 「10名ほどで企画を考えて会場の手配、イベント運営も行っています。何をすれば社員のみんなが喜んでくれるかを考えるのが楽しいですね。実は当社を選んだ理由の一つが活発な社内イベントがあることでした。社員間の親睦を深めるイベントが多いということは、社員の仲が良くて雰囲気も良いに違いないと考えて入社しました。その直感は間違いなかったですね」
 と屈託なく笑う天野さんだが、自らのスキルの向上にも熱心に取り組む。現在はネットワーク分野の知識を身に付けて活躍の幅を広げたいという思いからCisco CCNAの資格取得のための研修に参加。「ネットワーク系の仕事に携わる女性社員は少数派。ですから、これから入社する後輩女性たちのためにも実績を作りたい」と抱負を語る。

body4-1.jpg天野さんは社員間の交流が活発な環境だから、いきいきと働けるという

編集部メモ

社員が目標を共有して一体感を生む仕組みも導入

 アイテクノでは「ITECNO Card」というカードを全社員がいつも身に着けている。このカードには同社の企業理念、経営ビジョン、行動指針が記されている。顧客先で仕事をする社員が大部分を占める同社では、社員が離れていても仕事に対する考え方を共有し、質の高いサービスを提供できるように同カードを作成した。更に少しでも社員が交流できる時間を設けるために社内イベントだけでなく、グループごとに帰社日を設けてオフィスで親睦を図れるように工夫する。そんな文化は社員の一体感の醸成に大きな効果をもたらしているようだ。

  • 社名:株式会社アイテクノ
  • 設立年・創業年:設立年 2001年
  • 資本金:3,000万円
  • 代表者名:代表取締役社長 駒場 厚史
  • 従業員数:87名(内、女性従業員数19名)
  • 所在地:108-0014 東京都港区芝4-11-5 田町ハラビル3階
  • TEL:03-5418-7775
  • URL:http://www.itecno.co.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください