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中央・城北地区 株式会社ジャロック

株式会社ジャロック 物流変革の主役として 庫内物流をデザインし、 物流で感動を与えたい

株式会社ジャロック

物流変革の主役として 庫内物流をデザインし、 物流で感動を与えたい

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中央・城北地区

株式会社ジャロック

物流変革の主役として 庫内物流をデザインし、 物流で感動を与えたい

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全社総力による物流変革ストーリー
物流変革の主役として庫内物流をデザインし、物流で感動を与えたい

ネット通販の台頭で注目される物流業界。
長年、物流に寄与してきたジャロックは、その未来を切り開くべく「物流で感動を与える」をテーマに掲げ、安定した即日配送実現に向け変革を模索する。

即日配送を可能とする「庫内物流」の効率化を推進

 インターネットで注文した商品が1個単位でその日のうちに届くという配送サービスが当たり前になった時代。その背景には、多様化・スピード化に挑み続けてきた物流業界のただならぬ努力があることはいうまでもないだろう。ドライバーの確保と安全性の両立はもとより、スピーディーな物流を実現するには、荷物が集まる倉庫の有様も大幅な見直しが不可欠となる。1963年の創業以来、ジャロックは倉庫内のレイアウトや設備全般の企画・開発・据付けといった物流の起点となる倉庫業務の改善・効率化に挑んできた。そんな同社を率いる斉藤力丸社長は、同社が専門とする「庫内物流の効率化」の重要性が今後ますます高まると説く。
 「今や製品自体の品質や価格と同様に、むしろそれ以上に、消費者は商品が手元に早く届くことに価値を見出すようになっています。これからは物流が主役となり、『こんなに早く届くんだ!』という満足や感動を与えられるということです。ただ、トラックの配送時間を縮めることには物理的に限界がありますよね。ではどうすれば迅速な配送が可能になるのかというと、注文品の選別・出荷する『庫内物流』の時間短縮。何十万点にも及ぶ多品種の保管商品の中から、いかに注文の品を瞬時にピッキングし、出荷に回せるかが鍵となるのです」

body1-1.jpg「物流業界はこれからの10年でさらに劇的に変わりますよ」と先を読む斉藤力丸社長

物流の未来の形を作り、国内外へ発信したい

 斉藤社長はこれを「庫内物流をデザインする」と呼び、そこにこそ同社の強みである提案力・対応力が際立ってきていると話す。
 「日本というと何事も最先端を行っているイメージがあるでしょうが、実は物流機器の開発は海外のほうが一歩も二歩も先を行っています。例えば、ボタン一つで荷物の入出庫を可能とするイタリア製のシャトルランナー、庫内の体感温度を下げ業務環境を整えるアメリカ製の空気循環装置・リボリューションファンなどは、倉庫業務の効率化に大きく寄与する優れものです。私たちはそういった先端機器を世界中から選りすぐり、顧客の課題に応じて最適な仕組みを提案、デザインすることで効率化を実現しているのです」
 その全ての起点は物流現場の課題にあることから、同社では全社会議やグループミーティングによる情報共有に加え、商品企画、開発、営業、施工などの全部門の社員が頻繁に全国各地の顧客の倉庫に足を運び、現場の課題に直に触れ、改善のための意見・アイデアを交わし合っているという。また、国内のみならず、アメリカ、イタリア、中国などの提携先企業を訪れる海外研修も毎年実施。参加した社員たちは海外で目の当たりにした先端事例を持ち帰り、顧客への提案に新しい風を吹き込んでくれていると、斉藤社長は手応えを語る。
 「世界中の優れた機器やノウハウを柔軟に取り入れ、日本の物流現場に応じて柔軟にアレンジしていく事例を積み重ね、やがては逆に日本の私たちから海外へ独自のノウハウを輸出する。創業から半世紀以上経った今、そんな新たな歴史作りに全社で挑み、物流のさらなる可能性を切り開き、世の中に大きな感動を与えていきたいと意気込んでいます」

body2-1.jpg創業50年の思いを「Thanks & Next 50th」という言葉に込め、次の50年に向かうジャロック

部署を超えて総力で挑み、難題を乗り越えた

 営業本部の関洋平さんは、「倉庫の状況も取り扱う製品も千差万別ですから、当社の営業にはあらゆる局面で課題を打開する提案力・対応力が求められます」と話し、その真髄を強く実感したのは入社2年目に半年以上かけて挑んだプロジェクトだったと振り返る。
 その顧客はマネキンメーカーで、倉庫の拡張移転の力になってほしいという依頼だったが、これが一筋縄ではいかなかったという。倉庫で保管・入出荷するマネキンの形状は実に多彩で、一時的に保管するパーツの種類も多種多様。これらをできる限りスペースを有効活用して収め、かつ庫内業務の効率化を図るという難題が課せられたのだ。関さんはまず顧客から庫内業務の流れや製品ごとの入出荷頻度などを綿密にヒアリングし、社内の企画、設計、施工の各部門と意見を交わし、庫内のレイアウト設計や製品の配置、マネキンの形状にフィットするラックを検討していった。顧客担当者の要望をもとに微調整を重ね、仕様決定後にはラックやパイプの手配、施工の段取りを行い、施工時には現場に立ち、図面だけでは知り得なかった壁の突起物などへの対応を指揮していったという。
 「ようやく4階建ての新倉庫が完成したときには、顧客の担当者と『ついにできましたね』と喜び合い、飛び切りの達成感に包まれました。もちろん、企画、設計、施工の先輩たちの力添えがあってこそ成し遂げられたこと。当社には部署の垣根がなく、何でも相談し合える社風があり、どんな課題にも総力で挑むことができるんです」

body3-1.jpg上司と情報を密に共有し、二人三脚で新たなニーズをキャッチアップする関さん

ホームページを充実させ、問合せ件数の増加に貢献

 そんな関さんたち営業チームのもとには、ホームページを見て連絡したという新規顧客からの問合せが絶えないという。こうした販促メディアの企画・制作を担っているのが、企画プランニング本部の寺田星香さんだ。
 「この製品を導入すれば顧客にどんなメリットがあるのか、物流に課題を持つ企業はどんな情報を求めているのかといった企画のタネを商品企画や営業のチームと頻繁に共有し、私自身もできる限り営業と現場に同行してはお客様の生の声を吸い上げ、動画を撮影し、事例紹介などのコンテンツに盛り込んでいます。『ホームページでジャロックを知り、“ここだ”と思って問い合わせた』と、大手企業からの大規模案件の受注に結び付いたこともあるんですよ」
 自身がホームページを担当後、ホームページ経由の問合せ件数が約1.5倍に増えたと成果を喜ぶ寺田さん。ウェブのみならず、カタログやパンフレットの企画・制作も担い、さらにはCADによる倉庫レイアウトの図面作成もマルチに手掛けている。
 「社長との距離も近く、『こんなことをやってみたい』という意見をいつでも受け入れてくれて、背中を押してくれるんです。今後もプロモーションや提案資料などの充実に取り組み、当社の強みをもっと広く発信・浸透させていくつもりです」

body4-1.jpgデザインソフトを独学で習得し、ホームページのデザイン・更新を手掛ける寺田さん

編集部メモ

ライフ・ワーク・バランスも推進

 社員が幹事役を務め、月1回ペースでバドミントンやドッジボールなどを楽しんでいるという同社。こうした交流からも育まれているアットホームな社風が、全社を挙げた提案力・対応力の向上にも結び付いているのだろう。また、ライフ・ワーク・バランスに対する取組も促進し、各種制度を整えるだけでなく、例えば育児休暇から復帰した社員が後輩たちに自らの体験談を伝える場も定期的に設けているという。寺田さんも「自分の将来を描きやすい」と笑顔で語ってくれた。

edit-1.jpg本社ショールームに皆さんが集合。ネパール、韓国など外国籍の社員も顔をそろえる
  • 社名:株式会社ジャロック
  • 設立年・創業年:設立年 1963年
  • 資本金:3,400万円
  • 代表者名:代表取締役社長 斉藤 力丸
  • 従業員数:22名(内、女性従業員数8名)
  • 所在地:164-0011 東京都中野区中央2-59-18
  • TEL:03-3367-3810
  • URL:http://www.jaroc.com
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください