<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

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中央・城北地区 株式会社ジェイ・クリエイション

株式会社ジェイ・クリエイション 強力な武器を携え、 技術とチームワークで 勝負をかける研究開発型IT企業

株式会社ジェイ・クリエイション

強力な武器を携え、 技術とチームワークで 勝負をかける研究開発型IT企業

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東京カイシャハッケン伝!企業
中央・城北地区

株式会社ジェイ・クリエイション

強力な武器を携え、 技術とチームワークで 勝負をかける研究開発型IT企業

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独自サービス開発ストーリー
強力な武器を携え、技術とチームワークで勝負をかける研究開発型IT企業

新規事業に踏み出し、全ての依頼に対して100%の成功率で応える。業界に旋風を巻き起こそうとしている研究開発型IT企業には、高い志と強いチームワークがあった。

世のIT化を陰で支える 「システム移行」という仕事

 パソコンが登場する以前、企業の基幹システムは、メインフレームと呼ばれるコンピューターと専用の端末が使われていた。プログラムを組むのに使われていたのは、COBOLやFortran等といったコンピューター黎明期に開発された古い言語だ。90年代にパソコンが登場すると、その便利さにひかれ、企業はこぞって導入を進めたが、古いプログラムをそこにそのまま載せても動かない。そこで登場したのが、古い言語で作られていたプログラムを現代のパソコン環境に移行するサービスだ。
 だが、ことは簡単ではない。もともとのシステムが作られたのは数十年前のことで、すでにプログラムの設計図に当たる仕様書もなければ、それを作った人がどこにいるのかも分からない。そうなると、まずプログラムの記述そのものを見て、どんな命令が書かれているのかを解読して、仕様書を再作成するという高いスキルの持ち主が必要となる。さらに、そこから新しい言語でプログラムを書き直していくのだ。当然、時間もコストも掛かるが、それでもやってほしいという企業は数多く存在した。一方、案件を受注するためソフトウェア業界では価格競争が加熱していった。
 「他社と同じことをしていたら、値段勝負に陥ってしまう。独自性をどう出していくか、いつも頭を悩ませていました」と、ジェイ・クリエイションの上山育視社長は振り返る。
 同社は、1997年の創業。現会長の新前正美氏が立ち上げ、ほどなく上山社長もそこに加わった。システム開発の一部を請け負っては、企業のシステム室に技術者を派遣する、典型的なシステム・エンジニアリング企業として船出した。当時、連絡手段といえばファクスや電話が普通だった時代に、メールによるコミュニケーションをいち早く取り入れ、フリーの技術者を大勢確保した。その結果、「社歴も短ければ規模も小さいわりに、技術者をたくさん集めることができる」と評判を呼び、システムを開発するメーカーなどから少しずつ取引を増やしていった。

body1-1.jpg将来は研究開発を中心とした会社にしたいと上山育視社長

移行にまつわる問題を解決する 革新的なサービスを開発

 だが、すでに業界内で価格競争は始まっており、このままいけば疲弊することは目に見えていた。ベンチャーの気風にあふれる上山社長は、妙手を考えだした。
 「英語が日本語に変換できるのだから、プログラミング言語だって変換できるんじゃないかと考えたんです。それが自動でできれば、仕様書を再作成する手間がなくなるので、お客様からも喜ばれるだろうと」
 社員に相談すると無理だと声をそろえたが、プロジェクトを断行。苦心惨憺(さんたん)の末、2002年にプログラミング言語を自動変換するシステム移行サービス「VENUS」をリリースした。
 ところが当初は泣かず飛ばず。「短納期、低コストでシステム移行できる」という触れ込みに、それまでシステム移行に伴う膨大な手間にさんざんな思いをしていた多くの企業は、本当にそんなに簡単にできるのかと半信半疑だったのだ。事実、同じようなサービスをリリースする企業はいくつも現れたが、どこもトラブル続きで、うまく変換できてプロジェクトを成功させたケースは、今でも全体の40%にも満たないという。
 だが、「VENUS」は違っていた。どうにか取り付けた依頼をことごとく成功させ、顧客の期待を上回る結果を出してみせたのだ。
 「リリースからの15年で、失敗したプロジェクトは一つもありません。私たちの誇りです」
 昨年、大手カード会社の業務から決済に至る巨大システム全体の移行を手掛けたことで様々な業界からの注目がぐっと高まっている。
 「翻訳した環境でどのように動作するか、現代のビジネスではどのように翻訳されるべきかといった想像力が重要な仕事。人柄が良くて柔軟な発想のできる方をお迎えしたいですね」

body2-1.jpg大手カード会社のシステム移行プロジェクトのリーダーを務めた中田喜昭さん。まだ30代半ばだ

充実した教育が生み出す 絶妙なチームワーク

 大手カード会社のシステム移行プロジェクトでリーダーを務めた中田喜昭さんは、同社の強みをチームワークと話す。
 「疑問に思うことがあれば上司にすぐに相談できて、その場で解決できる。全員が同じ方向を向いていることが、品質にも繋がっていると思います。軽口を言い合うこともできて、雰囲気も良いですしね」
 そのチームワークを作り上げているのが、独自の教育制度だ。新人として入社すると、3か月の研修に臨む。講師は、中田さんのように現役で働いている技術者が担当する。
 「プログラム言語やプロジェクトマネジメントの勉強は、外部の研修やe-learningでも学べますが、「VENUS」はまったく独自のサービスなので、そのノウハウは私たち自身が現場で掴んだことがそのまま教材になるのです。これをしっかり伝えていくことで、チーム力が鍛えられ、コミュニケーションも高まります」
 講師に任ぜられた社員は、現場の作業からいったん離れ3か月間指導に専念する。教えることに集中できるので、後輩は余裕を持って学べ、講師自身も自らのスキルを振り返り、洗練させることに繋がっているという。
 その指導を受けて、現在プログラマーとして活動している眞田実和さんは、入社1年目の新入社員。大学時代は栄養学を勉強しており、プログラミングは全くの初心者だった。
 「最初は、講師の先輩が言っていることが全く分からず、同期より何歩も遅れていることを痛感させられました。でも、先輩は何度聞いても熱心に答えてくれましたし、同期の励ましにも助けられ、3か月で何とかプログラマーとしてのスタートに立つことができました」
 現在は、これだけは誰にも負けないという分野を作ろうと独自に勉強を進めており、日に日に自信を深めている。寸暇を惜しんでの勉強だが、それでも週末はしっかりと休み、外に出掛けるように決めているという。
 「資格試験に合格したら報奨金ももらえるので、それを目標に頑張っています。でも、日頃、建物の中で座っていることが多いので、週末外に出掛けることで、たくさん刺激をもらってバランスを取ろうとしています」
 創業以来脈々と息づくベンチャー精神が、若い力を得て、さらに飛躍しようとしている。

body3-1.jpg上山育視社長を囲んで。和気あいあいとした社風だ

編集部メモ

企業が成長していくワクワクを社員として一緒に味わえる

 システム移行サービス「VENUS」で、他社が簡単には追い付けない地位を確立したジェイ・クリエイション。その可能性は想像以上に大きい。
 「現在はJava言語への移行を得意としていますが、当然、今後新しい言語も登場してきます。それでも、言語移行のノウハウは全て私たちの手元に残っているので、どんな新言語にも対応することができます。また、プログラム言語に国境はありませんから、海外に進出することも十分検討の余地があります」と上山社長。
 将来を見据えた研究開発にも着手しており、いつかは研究開発を中心とした会社にしていきたいとも話す。
 無限の可能性を秘めた同社の成長を、社員として一緒に味わうことができるのは幸せなことかもしれない。

edit-1.jpg働き方改革もしっかり進行している
  • 社名:株式会社ジェイ・クリエイション
  • 設立年・創業年:設立年 1997年
  • 資本金:1億円
  • 代表者名:代表取締役社長 上山 育視
  • 従業員数:120名(内、女性従業員数37名)
  • 所在地:101-0047 東京都千代田区内神田2-15-9 The Kanda282 5階
  • TEL:03-3527-1227
  • URL:https://www.jcreation.co.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください