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サロンワークとヘアメイクの両立で、新たな価値を提供する地域密着型の美容室

＜３つの特徴＞

●事業内容：ヘアサロン事業からヘアメイク業界に参入
●育成制度：美容師とヘアメイクの基礎を３年間で習得
●働く環境：リフレッシュ休暇など社員の声で制度化

美容室事業に加えて人気のヘアメイクを新たな事業の柱に

　城東地区を中心に美容室「abie hair」を３店舗と、フェイシャルサロンなどを運営しているカプラス。同社は地元の人に長く愛される地域密着型のヘアサロンとして、当初中学生だった顧客がリピーターになり数年後成人式のヘアメイクに訪れるなど、やりがいを感じられる職場環境だという。
　こうしたサロンワークに加えて、近年はトレーラーに大型コンテナを積み、コンテナ内に簡易美容室を構える「移動式メイクアップルームABIE」を導入し、ヘアメイク事業にも参入。映画の撮影現場やイベントなどでの出張ヘアメイクも行っており、駒﨑代表はその導入の経緯を次のように語る。
　「エンターテインメント業界やブライダルなどのヘアメイクに携わりたいと美容師を志望する人は多いのですが、実際にはなかなかそういう機会はありません。当社は実現できる場を作ることで、やる気のある人材を積極的に確保していきたいと考えています」
　2021年11月には、港区北青山にヘアメイク専用のサロンもオープン。
　こうした同社の事業展開の背景には、慢性的な人材不足という美容業界の課題が関係していると、駒﨑代表は話す。
　「本年度から、将来的にサロン業務と並行してヘアメイクアーティストとして活躍できる人材の募集を開始しましたが、すぐに６人の採用枠が埋まってしまいました。この採用を５年続けることで30人の人材を集め、ヘアメイクを新たな事業の柱にすることが当面の目標です」
　ほかにも自社で運営する媒体を立ち上げ、スタッフ自らが記事を作成するといったこともスタート。技術の習得にとどまらず、美容というビジネスを幅広い視点から考えることのできる人材の育成を目指しているという。

「abie hair」は、西大島、住吉、市川の３店舗。この他にフェイシャルスタジオなども運営

美容師とヘアメイク両方の技術を習得できる３年間のカリキュラム

　同社では、入社後１カ月間は技術指導を行い、その後配属先の店舗で４カ月にわたってOJTを行う。そして入社から３年間はカット以外のサロン業務を担当しながら技術を磨くことになる。
　「働き始めてすぐにお客様の髪を切るのは不安だったので、じっくり技術を磨ける当社を選びました。また営業時間内でも手が空けば練習ができ、先輩も丁寧に指導してくれるので日々成長を実感しています」（入社２年目、アシスタントの菊地さん）
　先輩の指導を直接受けるだけでなく、社内のSNSに掲載されているオリジナルの配信動画を視聴して、カットやカラーについて学ぶことも可能で、これらを参考にする若手社員も多いという。
　また入社３年目までの社員を対象に月に１回の講習を実施。サロンで働く美容師としての技術はもちろん、ヘアメイクの技術も両方学ぶことができるカリキュラムを組んでいる。
　ヘアメイクの講習では、実際に現場で活躍している先輩にアシスタントとして付き、現場ごとのルールなども身に付けることができる。
　この他にも社外で行われるカットやカラー、ヘアメイクなど様々な講習会に参加したい場合、その費用は会社が負担するなど、社員の技術力向上を後押ししている。

「急な依頼にも応えられるよう、お客様の予約管理はしっかりと行っています」と語る菊地さん（写真左）

社員の声を取り入れリフレッシュ休暇などの制度新設に柔軟に対応

　同社は、社員が働きやすい環境を整えることにも積極的に取り組んでいるという。
　「完全週休２日制なので、１日は自分で練習に充てたとしても、もう１日はしっかりと休めます。余暇に趣味を楽しむことで、お客様との会話も弾むようになりました」（入社12年目、西大島店の古川店長）
　同社独自の制度として、有給休暇と公休を合わせて５連休のリフレッシュ休暇を年に１回、希望する時期に取得できる制度も取り入れている。
　また、月に１回、社員全員が現状での課題や今後のキャリアパスなどについて駒﨑代表と話をする機会を設けている。リフレッシュ休暇の導入や、社員同士のコミュニケーションを活性化するため店舗ごとに自由に使える予算を設けるなど、この話合いから生まれた制度・仕組みも多いという。
　こうした労働環境の良さから、古川店長のように長く働く社員が多いのも、同社の大きな特徴といえる。