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港シビル株式会社

港シビル株式会社 若手社員や女性社員のスキル向上を目指して充実した支援制度を構築

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若手社員や女性社員のスキル向上を目指して充実した支援制度を構築

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人材育成ストーリー
若手社員や女性社員のスキル向上を目指して充実した支援制度を構築

 港湾や河川の護岸工事などを手がける港シビル株式会社は、下請けから元請への転換に成功した建設会社。それを成し遂げた背景には、勤務時間を使った研修や資格取得の後押し、さらには、女性の活躍を促進させる「ドボジョ育成プロジェクト」を発足させるといった人材育成の強化があった。

元請工事会社になるために人材育成の強化に乗り出す

 従業員数14名の少数精鋭体制で東京湾や荒川、隅田川など河川の護岸工事や防潮堤、岸壁工事などを手がける港シビルは、今でこそ東京都発注の湾岸工事元請会社として数多くの現場の工事を取り仕切っているが、10年前までは大手建設会社の数多くある下請け会社の1社に過ぎなかった。
 「当時は下請けだと支払いは手形の時代。小さな会社ですから資金繰りに追われっぱなしの有様で、このままでは経営がおぼつかないどころか、従業員も誇りを持って仕事に望めない。時間をかけてでも元請会社になろうという目標に向け、舵取りしてきました」
 と語るのは、約10年前に前任者から会社を引き継いだ倉本眞澄代表取締役。元請けできる企業として認められるには、有資格者はもとより、経験と実績が問われる。事実、東京湾や河川工事の主な発注元である東京都では、湾岸工事に携わる建設会社の実績や工事品質などを総合的に判断して、AからEまでの5つのランクに分類。当時の港シビルは下から二番目のDランク。しかし、同社は企業的にも、従業員のモチベーションといった側面からも、このランクに留まるわけにいかないという強い思いがあった。倉本代表は東京都の湾岸工事に積極的に入札するなど、目標実現に果敢にチャレンジした。
 やがて、規模の小さい工事ではあったが元請けの仕事が入るようになる。いうまでもなく、ランクは一気には上がらない。一つずつ地道に上げていくしかない。ランクアップの指標となるのが、どのレベルの工事をこなしたかである。つまり、ランクが上がれば上がるほどにより規模の大きなものをこなす力が求められる。ある一定以上の大規模案件になってくると1級土木施工管理技士を現場代理人にしなければならなくなる。この条件を満たすには有資格者をヘッドハンティングしてくるという方法もあるが、社内に有資格者を育成する環境を設ければ、社員のモチベーションも上がれば、将来、数多くの案件を受注できることにもなる。ここから港シビル独自の人材育成の取組が始まった。

body1-1.jpg港シビルを元請工事会社へと飛躍させた倉本眞澄代表

勤務時間に研修を行うなど手厚い教育研修を実践する

 同社の人材育成に大きな影響を与えているのが取締役の玉城恵理さんだ。玉城さんは複数の職業を経験後、39歳で港シビルに入社。当初は経理を担当していたが、その手腕が認められ、現場の仕事を任されるようになった。玉城さんはこの人事の期待に応えようと現場での経験に加え、社内外での信頼を磐石にする資格取得を目指し、ついに1級土木施工管理技士の資格を取得。玉城さんの活躍はそれに留まることはなかった。知識ゼロから土木施工のプロとなった自らの体験を元に、同社の人材育成のあり方や仕組みづくりを行う責任者として後進の指導に尽力したのだ。
 「建設会社の最大の財産は、なんといっても『人』です。当初は土木施工の技術者を中途採用していたのですが、約8年前から新卒採用をメインに行うようにシフトしました。同じ目標や理念を共有しながらゼロから育てることで、将来の港シビルを担っていく人材になってほしいという思いから方向転換をしました」
 玉城さんが語るように、同社では新卒採用を積極的に行っている。いわば、同社生え抜きの若い社員を手厚い教育支援体制で育成していこうという確かな方針で採用にあたっているわけである。希望社員には勤務時間内の午前8時から10時までの2時間が勉強時間として与えられ、それぞれに2級土木施工管理技士や1級土木施工管理技士の資格取得をめざす。試験対策のための学習DVDやテキストも充実、わからない点については玉城さんをはじめとした上司や先輩がマンツーマンでバックアップするというスタイルだという。
 入札の積算で不可欠なエクセルの活用方法など、社外の専門家を招いての研修も積極的に行われている。さらに、建設業コンサルタント会社などの講義、東京建設業協会の研修にも参加するチャンスも与え、建設業界の動向や最新施工技術などについても勉強できるようになっている。
 こうした社内外の研修を通じて、人材育成を図ることで精鋭集団として成長してきたのだ。会社を上げての人材育成支援と明確な経営戦略の元、今では港シビルは念願だったAランクの建設会社として評価され、95%が元請工事を受注する企業へと変身を遂げた。

body2-1.jpg自分自身の体験を活かして社員の教育支援体制を築く玉城恵理さん

女性の活躍を推進する 「ドボジョ育成プロジェクト」

 独自の人材育成で成果を上げてきた港シビルだが、もうひとつユニークな取り組みがある。それが「ドボジョ育成プロジェクト」である。建設工事の現場は男社会の色合いが強い。そんな業界の旧態依然とした体質を変えて、女性が活躍できる現場に変えようと立ち上げ、東京都の「女性の活躍推進事業」の採択も受け、注目されている。
 同プロジェクトでは入社した女性には、安心して仕事ができるまでCADや現場の記録写真整理などの作業を丁寧に指導している。
 「最終目的は、土木施工管理技士として活躍できる女性の育成ですが、建設現場に実際に携わらなくてもCADによる図面修正や現場写真の整理は不可欠な仕事です。というのも建設現場では設計変更もありますが、現場代理人が忙しくてできないケースもあります。また、現場の記録写真は工事品質を評価する要素の一つで、見やすくわかりやすいカタチで発注元に納品しなければいけません。女性ならではの細やかさで写真整理をするのも重要なスキルの一つなのです」(玉城さん)
 こうした基本的な技術指導をしながら、女性が活躍できるように支援しているのだ。この「ドボジョ育成プロジェクト」の支援を受けているのが、入社してほぼ1年という和田千江美さん。和田さんは前職ではプラント関係の現場事務所で働いていた経験をもつ。
 「前職では工事に関する入出金の管理などを担当し、施工に関する知識や技術は皆無に近かったのですが、当社は施工に関する知識を身につけられるというのに惹かれました。さらに、結婚・出産後も働けるというのも魅力で、入社を決意しました」
 和田さんは現在、入札業務全般、給与計算や採用関係などの人事業務に携わりながら、施工管理の補佐的な業務も行っている。こうした施工管理のサポートができるのも、昨年の4月から6月まで男性新人社員と共に2級土木施工管理技士の勉強に努め、合格レベルまで達したスキルを持つから成せる業。和田さんはさらなる可能性を求め、「2級建設経理士」の資格取得を次の目標に掲げている。
 港シビルでは、女性が働きやすい現場になるように細やかな配慮も忘れない。従来の現場作業所では更衣室やトイレは男女兼用が常識だった。今では女性専用の更衣室やトイレを設けて女性が働きやすい環境を創出している。

body3-1.jpg入社後に施工管理や写真整理など様々なスキルを磨いてきた和田千江美さん

様々な支援制度を活用した 若手社員が活躍する職場

 新卒採用をメインに据えた港シビルの中で、若手社員のホープ的な存在として活躍しているのが入社2年目の川又清仁さんだ。工業高校時代に2級土木施工管理技士の資格を取得したという筋金入りながら、入社後も復習も兼ねて勤務時間を使った試験対策の勉強をはじめ、CADの使い方や写真整理の研修などに参加。さらに工事現場では上司や先輩をサポートしながら、資材の手配や工事記録写真撮影もこなす期待のホープ。
 「防潮堤や護岸工事は人の命を守る重要な社会インフラです。高校に在学中から港湾や河川工事に興味をもっていたので、当社の求人票をみてすぐに就職先に選びました。社内の各研修は、知識の再確認や新しい知識を身につけることに役立つのはもちろん、研修で学んだ写真整理の仕方などは現場の仕事に直結するのですごく役立ちました」
 川又さんは、入社2年目ながら自信に満ちた表情でそう語る。そんな川又さんが仕事で心がけているのは自分の頭で考えるということ。入社1年目は自らのミスで資材搬入が遅れるなどの失敗もあったというが、そうした経験を糧に、いまでは先の作業を考えて早めに手を打つ。工事の繁忙期には30名前後の職人が現場で働くが、そうした人々に明確な指示を出してスムーズな工事を行うのも川又さんの役割。当然、職人はほとんどが年上でキャリアもある人ばかり。彼らとの信頼関係を築くことが納期遵守など品質の高い工事につながるため、積極的にコミュニケーションを取りながら人間関係を築くことも忘れない。
 「当社は若い社員が多くて活気がありますし、自分の提案を聞いてくれる上司や先輩ばかりなので働きやすいですね。しかもスキルを磨くための支援制度が整っているので成長も早くできると感じています」
 入社2年目の川又さんには後輩もでき、工事現場で彼らに教える立場にもなった。「わかりやすく説明することのむずかしさ」を感じているというものの、先輩から後輩へと仕事を教える港シビルの伝統は、社員一人ひとりに根づいている。

body4-1.jpg今では後輩の指導も行う、若手社員の中でも成長著しい川又清仁さん

編集部からのメッセージ

本社近くに社員寮を完備するなど福利厚生も充実した職場環境

 港シビルの新入社員の多くは地方の高校の卒業生である。そんな社員のために、本社から徒歩数分の場所にマンションを借り上げた寮を完備している。通勤ラッシュの中を苦労して出社することもなく極めて便利。また、寮生活は社員同士のコミュニケーションを密接にするなど、社員の一体感を生む効果もあるという。社内イベントが活発に行われているのに加え、地域の祭りなどにも社員揃って参加するなど、地域住民との交流にも積極的だ。こうした活動からも地域コミュニティを重視する同社の経営姿勢がうかがえる。

育休後復職の女性社員の働き方を支援する制度も検討中

 若手社員のスキル向上を図る各種支援制度を実践する港シビルだが、先輩社員が後輩社員の指導を行うブラザー制度も導入している。仕事のアドバイスはもちろん、生活の相談なども行っている。
 また「ドボジョ育成プロジェクト」の一環として検討されているのが、在宅勤務である。現在は育児休暇後に復職した女性社員はいないものの、仕事と家庭の両立を図る女性社員のためにテレビ会議システムなどを利用した新たな働き方が模索されている。将来を見越して様々な働き方を導入しようというところにも「人が最大の財産」という、港シビルの経営姿勢が反映されている。

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