長所を伸ばす研修で若手技術者を育成し、医療系業務システムの開発を担う
<3つの特徴>
●C言語によるソフトウェア開発が強み
●個々に合わせた研修で長所を伸ばす
●社員の意志を尊重した風通しの良い職場
臨床検査会社のシステム開発を通して、医療に貢献
現代の医療現場では、患者の状態を知るために各種検査が欠かせない。エム・テー・シーは、患者の身体から取り出した検体を検査する臨床検査会社を主な顧客としている。同社は臨床検査会社の事業運営に関わる業務システムをはじめ、各種検査システムの設計・開発・保守を手掛け、医療に貢献してきた。
「お客様である臨床検査会社の仕事内容を深く理解し、さらにそのシステムに関わるC言語を扱える開発会社は限られますので、これまで依頼が途切れたことはありません」
阪本代表は、顧客から常に頼りにされてきたと誇らしげに語る。
同社の設立は1997年。当初は発電所や変電所、ダムなどのプラント設備における集中監視システムの開発などを業務としていたが、阪本代表が同社を立ち上げる以前に医療系のソフトウェア開発を手掛けていた経験があったことから、臨床検査会社からの引き合いにつながり、その後、案件が徐々に増えていったという。そこで、同社は医療系に特化した事業を展開。もともとのプラント事業は、分社化したグループ会社で手掛ける方針とした。
「以来、20年にわたって臨床検査に特化したシステム開発を担ってきました。この業界のことなら、隅から隅まで理解しているのが強みです。これからも医療の現場に貢献できる安定した技術開発に努めていきたいと考えています」(阪本代表)
オリジナルの研修制度で 多様な技術の習得が可能に
個々人に合わせた研修システムを導入するのも同社の特徴。新入社員には社内で作成した独自のテキストを配布して研修を行うが、全員が同じ研修プログラムではなく、「設計」「コーディング」など個々の目指す分野、あるいは得意分野を選んで、長所を伸ばせる内容になっているという。
研修が終わり、OJTに入る態勢が整った社員は、チームで顧客先に常駐し、業務を行う。入社2年目、システム開発部に所属する松林さんも基本的に顧客先で業務に従事してきた。
「自分が作っているシステムが、お客様にどのように使われるのか自分の目で確認できるので良い勉強になります」
また、システム開発部の池山さんは、現場経験を積み、入社3年目にしてマネジメント研修を受講中だという。
「来年からチームリーダーになるべく、研修を受けています。部下に質問されて、知らなかったということがないよう、技術を身に付けていきます」
社員それぞれがこうした経験を重ねていくことが、同社の技術力の蓄積につながっているという。
「私自身がエンジニアとして、20年以上、お客様の元に常駐して多様な技術を習得してきました。若い社員にも多くの現場を体験し、成長してもらいたいと思います」(阪本代表)
社員の提案を積極的に採用し 働きやすい環境をつくる
「Making Together(皆で作り上げる会社)」を理念とする同社では、仕事の進め方や職場のルールなども社員の意思を尊重して決めているという。
新たな研修用テキストの作成を提案し、採用されたというのは、入社1年目、システム開発部の旭さん。
「未経験で入社したため、分からないことが多々ありました。そこで、『分からない』という視点を生かし、新入社員が理解しやすい新たな研修用資料を作成することを提案しました」
阪本代表によると、自ら社内清掃を申し出るなど、環境改善に積極的な若手が多いという。こうした日々の自発的な行動が、仕事のマネジメント力にもつながると考えているため、そうした提案はできるだけ採用していると話す。
また、同社では社員がさらに快適に働けるよう、ラッシュを避けた時差出勤制度や、会社周辺のマンションやアパートを借り上げた社員寮制度も導入。敷金や礼金は会社が負担するため、若手社員の多くが入寮を希望する。
「就職のために鹿児島から上京したときは不安もありましたが、同じアパートに同年代の社員も住んでいるため、安心できました」(池山さん)
代表からメッセージ
粘り強く取り組む人を求めています
当社では画一的な研修は行わず、社員それぞれの長所を伸ばし、フォローし合える環境を目指しています。そのためにはチーム内での意思疎通が欠かせませんので、コミュニケーション能力を何より重視しています。仕事をしていれば、失敗はつきもの。しかし、めげずにチャレンジできる人が将来的に成長しますから、諦めず粘り強く取り組む人も歓迎します。就職活動では厳しいときもあるでしょうが、諦めることなく取り組んでください。思い通りに進まないときでも、一生懸命頑張っていれば、結果につながるものです。
●第23号 (2020年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。