<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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多摩地区 株式会社マイソフト

株式会社マイソフト 官公庁の受託開発から自社製品の開発まで手掛ける技術者集団

株式会社マイソフト

官公庁の受託開発から自社製品の開発まで手掛ける技術者集団

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多摩地区

株式会社マイソフト

官公庁の受託開発から自社製品の開発まで手掛ける技術者集団

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高い技術を駆使したものづくりストーリー
官公庁の受託開発から自社製品の開発まで手掛ける技術者集団

企業、官公庁、研究機関からの依頼を受けて、ハードウェアやソフトウェアを開発するマイソフト。同社の事業を支えているのは、独自の経営方針と好奇心旺盛な社員たちだった。

ハードとソフトの両方を開発するIT企業

 高度な技術力を駆使して独自の事業フィールドを開拓してきたマイソフト。その事業は大きく分類すると開発事業と教育事業の二つに分けられる。前者はソフト、ハード両方の開発業務があり、防衛・警察関係を筆頭にした官公庁はじめ研究機関、企業などの機器やシステム開発も手掛けている。そして後者は、同じシステムインテグレーターのSEを対象とした技術研修の講師の派遣業である。当然、どちらもSEとして高いスキルを備えていないと務まらない業務といえる。
 「IT企業といってもその守備範囲は広く、事業内容も多種多様です。当社の場合は専門的な開発業務を手掛けている特殊な会社だと自負しています。大学の研究室を思い浮かべていただければイメージしやすいのではないでしょうか。実際の仕事も研究室の延長で、取引先企業や国の研究機関、大学などとも連携して、まだ世の中にない新しいシステムや機器を開発しています。高い技術力が求められる業務ですが、それが当社社員の意欲にも繋がっています」
 藤田功社長は自社の特徴をこう語る。さらに、受託開発へのこだわりも社員の刺激になっているという。IT企業には顧客常駐型が多いが、受託開発型だと社内勤務となるため、社員同士が同じ空間で開発に励むことになる。相互に刺激し合える関係が、意欲やスキルを高める効果を生むのだという。その言葉を裏付けるように、社内ではホワイトボードの前で社員同士が議論する姿を至る所で見かける。こうした活気と好奇心旺盛な社員の探究心によって、同社の開発するソフトやハードは取引先から高い評価を得ている。

body1-1.jpg「社内の雰囲気は大学の研究室の延長」と話す藤田功社長も、根っからの技術者だ

幅広い分野のハードやソフトを手掛ける

 野外や交通機関、店頭などで見かける、映像や文字情報を発信するディスプレイをデジタルサイネージという。同社では、このデジタルサイネージで配信するコンテンツをウェブアプリケーションで管理するシステムの開発を得意としている。
 さらに3Dプリンターで出力する際にレイアウトを設定・確認するアプリケーションや、海外向けの関数電卓アプリケーションの開発も行う。ユニークなところでは産学連携で開発した転倒予測システムというものがある。
 「最近は高齢者が転倒してケガをするケースが多くなっています。そこで靴にセンサーを付けて足の動きを監視し、転倒を防止するというシステムを開発しました。このように現代社会のニーズを探りながら、世の中に貢献できるシステム開発にも力を入れています」
 社会貢献性の高い開発は自社製品というカタチでも提供している。その代表的なものが「自立走行無人ボート」。この製品は人が操作して乗るには危険な場所で活用されるボートで、港やダムの水深を測る際に活用されている。
 システムや製品開発を可能にしているのが、マイソフトの高い技術力である。同社は様々な分野の開発に携わっているため、得意分野を持つ社員は多く、それぞれの知識や技術を教え合う文化が定着している。そんな技術者にとって、刺激的な環境が成長を促しているようだ。

body2-1.jpg議論も活発に行われるというマイソフトは若い人材も多い

知識を身に付けながらハードウェアの開発に挑む

 2015年に入社した正親冬貴さんは、マイソフトのユニークな募集要件に興味を持って入社したという。
 「大学の就職課で見た当社の求める人材像に、『SFが好きな方』というユニークな一文を見付けたんです。普通だったらコミュニケーションのある方とか、ものづくりに興味のある方とか書いてあるじゃないですか。それで『何か面白そうな会社だな』と感じて会社説明会に参加したところ、幅広い分野でハードやソフト開発をしていることを知り、入社を決めました」
 実は正親さんは大学時代にはソフトウェアを学んでいたが、藤田社長の「ハードをやらないか」という誘いに興味を覚えて、ハードウェアの開発に携わることになったのだ。ハードウェア作りを学んだのは、入社後の研修を兼ねたルーレット作りでのことだったと明かす。これは電子回路の設計、チップを基板にハンダで装着する基板製作などをして実際にルーレットを完成させるというもので、完成にこぎつけたときにはハードウェアの基本がしっかり身に付いているという。こうした実践的な研修でスキルを習得するのも、同社ならではのユニークさだろう。
 現在は、ハードウェア開発に欠かせない電気や電子関係の知識を身に付けながら官公庁関係の機器開発にチャレンジしている正親さん。将来的には大好きな電車のモーター周りや制御系機器の開発に携わりたいと夢を膨らませる。

body3-1.jpg防衛関係のハードウェアの開発に当たる正親冬貴さん
 

入社後に経理知識を身に付け今後は制度導入にも着手したい

 澁井広子さんは大学卒業後に教職に就いた。しかし、どこかしっくりせずに退職。八王子のハローワークで職場探しをしていたときに同社と出会い、2013年に入社した。
 「藤田社長をはじめ複数の社員と話しているうちに親しみやすさを感じて入社を決めました。そのときの感性は間違いありませんでした」と話す澁井さんの現在の仕事は多岐にわたる。
 中心の経理では、日々の見積書、請求書の発行、資金繰りのための試算表、金融機関へ申請書関係などの業務をこなす。加えて総務、庶務などを含めた膨大な業務もテキパキとこなす。当然、入社までは経理などの専門知識は皆無。入社後に先輩に教わったり、専門書籍などを読んだりして身に付けた。
 「今ではある程度のことは一人でできるようになりました。決算を終えたときの達成感は格別ですね。会社を支える仕事に携わっているという思いが強くなりました」
 今の仕事のやりがいをそう語る澁井さんは、最近、外部の人と接する機会も増えてきたという。東京都の中小企業の経営者が参加する東京中小企業家同友会の会員になり、藤田社長とともに定例会をはじめ勉強会や講演会に参加。自分の見聞を広める絶好の場になっているという。
 「例えば、各社の多様な働き方の事例を聞いたり、様々な人事評価制度を知ったりする機会もあるので、他社の取組の中から当社に合った制度などを取り入れていきたいですね」と、今後の目標を語る澁井さん。その表情はいきいきと輝いている。

body4-1.jpg入社後に経理を独学で学んだ努力家の澁井広子さん
 

編集部メモ

受託開発というスタイルから生まれた独自の社風


 同社は、研究機関や企業と連携し、最先端の知識や技術を駆使した製品を作り出している。研究・開発といった地道な仕事がメインとなるが、社員には大学院の修士課程修了者など、元来、研究肌な人が多い。
そんな企業文化の中から、ハード・ソフトを問わず、独自の製品を次々と誕生させてきた。そして、今後はIoT(Internet of Things)やAIといった新しい分野にも挑戦していくという。研究開発に携わりたいという人にとっては、絶好の環境がそろっている企業といえる。

edit-1.jpg社員はそれぞれが高いスキルを身に付け、各自の役割を担っている
 
  • 社名:株式会社マイソフト
  • 設立年・創業年:設立年 1990年
  • 資本金:1,000万円
  • 代表者名:代表取締役社長 藤田 功
  • 従業員数:27名(内、女性従業員4名)
  • 所在地:192-0082 東京都八王子市東町3-9鈴木ビル
  • TEL:042-656-1023
  • URL:http://www.mysoft.co.jp