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中央・城北地区 株式会社ナッツウェル

株式会社ナッツウェル “Small but Excellent”小さくとも、自慢できる輝きを放つ企業づくり

株式会社ナッツウェル

“Small but Excellent”小さくとも、自慢できる輝きを放つ企業づくり

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東京カイシャハッケン伝!企業
中央・城北地区

株式会社ナッツウェル

“Small but Excellent”小さくとも、自慢できる輝きを放つ企業づくり

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成長を生む独自の価値創生ストーリー
“Small but Excellent”小さくとも、自慢できる輝きを放つ企業づくり

 進化と変化が著しいIT業界で、小さいながらも独自の存在感を示す企業がある。その成長を支える企業力の秘密に迫った。

自慢できる輝きを持ったエクセレントカンパニー

 ナッツウェルは社員11名という小さな会社ながら、アジャイル、JBoss、BRMSといった技術をコアに、大企業のバックエンド業務(基幹業務、基盤構築など)をメインとした受託開発、自社製品の開発、技術コンサルティングなど、多角的に事業を展開。栄枯盛衰の激しいIT業界の中で、業績は2010年以来右肩上がりというから、まさに典型的な少数精鋭の企業といえよう。その成長の元にあるのが、「Small but Excellent」という企業理念である。小さくても、家族や友人に自慢できる会社にしたいという、高橋智社長の思いが詰まった理念だ。
 サラリーマン時代の高橋社長はモーレツ社員で、朝も夜もなく働き詰めだったという。ちょうどそんなときに、第一子が生まれた。家族のため、子どものためを思えばこそ、ますます仕事に力が入る。その一方で、子育てにはほとんど関われなかった。
 「私の知らないところで子どもがいろんなことができるようになっている。いつの間にかアルバムの写真が増えている。同期の誰よりも仕事をし、お金も稼いでいました。けれど、仕事以外に大切なものがあること、それをずっと失ってきたことに気づいて愕然としたのです」
 仕事は大切だが、仕事以外の人生もまた大切だ。そう考えた高橋社長は独立を決意し、理想を実現すべくナッツウェルを立ち上げた。

body1-1.jpg「ここにしかない輝きを持った会社にしたい」と高橋智社長

「小さな池の大きな魚」戦略で、業界トップクラスの技術力を

 「“Excellent”は顧客、社員、株主といった会社のステークホルダーに対する経営者のコミットメントなのです。彼らすべてに他では得られない価値を提供するという点においてエクセレントでありたい」と高橋社長は思いを語る。
 お客様にとっては、どこよりも役に立つ企業であり続け、他では得られない価値を届ける。社員に対しては、どこよりも働きやすく、継続しやすく、家族や友人に誇れる会社になる。株主には不断の企業価値向上をコミットメントする。
 それを実現するために同社が実践しているのが、「小さな池の大きな魚」戦略だ。それは黎明期のニッチ市場にいち早く参入して、他社に先んじて技術・ノウハウを蓄積することで、圧倒的な優位性を築くという戦略である。
 一例を示そう。BRMS(Business Rule Management System)を活用したルールベース・アプリケーション開発における技術の蓄積にその戦略の有効性が見てとれる。
 「従来のシステムでは、業務ロジック、つまりサービス内容や業務プロセスが変わった場合に、ITの専門家がソースコードを精査・修正しなければなりませんでした。しかし、BRMSを使えば、業務ユーザーが自らの手でこうした修正ができるようになるのです」
 今でこそ普及期に入りつつあるBRMSだが、数年前にはまだ珍しい技術。参入する企業がほとんどないうちから、同社はこの市場で技術を磨いてきた。その成果として、開発した教育プログラムやソフトウェアをBRMSベンダーや名だたるSierが採用している。
 「うちのような小さな会社が大きな市場に入っていっても、どうしても三次請け・四次請けになってしまいます。しかし、そんなポジショニングでは自慢できるような会社には到底なれません。だからこそ、まだ市場が小さい段階で参入し、いち早く技術を身につけることが必要なんです」
 さまざまなサービスが生まれては消える現代において、ビジネスの変化にもタイムリーに対応できるBRMSは必ず支持される。そんな高橋社長の読みは当たり、業績は大きく向上した。
 「これからどんどん市場が大きくなってくるでしょうが、我々には積み重ねた経験と技術力があります。その優位性を維持しつつ、我々自身も成長したいですね」

body2-1.jpg大きな2台のモニターなど、仕事に専念しやすい環境を整えている

原則残業禁止の制度が、質の高い仕事につながる

 「小さな池の大きな魚」戦略によって収益力が上がり成長軌道に乗った同社だが、その効果は業績以外の面にも表れている。IT企業というと、どうしても朝早く夜遅いというイメージを抱きがちだが、同社の始業は10時。フレックスタイム制を導入し、しかも残業はほとんどないという。これも、他社にはない優位性を持つおかげだと高橋社長は言う。
 「他には真似できない仕事をしているので、大手企業とも対等に渡り合えるんです。お客様にもうちは原則残業をしないということも伝えますし、その上で質の良いものを提供することで信頼を勝ち得てきました」
 入社6年目の高橋千晶さんは、職場環境についてこう話す。
 「朝のラッシュも避けられますし、残業もほとんどないので疲れがたまることはありませんね。オンとオフの切り替えがしっかりしているので、だらだらと就業時間ばかり伸びていくよりも、ずっと効率的に、質の高い仕事ができる環境だと感じます」
 もちろん、繁忙期には残業をすることもあるが、その分閑散期には休みを取ることで調整する。若手の高橋さん自ら休みを取るとは言いにくそうなものだが、同社では社長や先輩がフォローしてくれるのだという。
 「様子を見て、このあたりは仕事が立て込まないから休みを取っても大丈夫だよ、と声をかけてくれるんです。見てくれているという安心感もありますし、だからこそもっと技術を身につけて役に立てるようにがんばろうという気持ちになります」
 残業なしが当たり前だからこそ、思いやりや助け合いの気持ちが生まれ、それは向上心にもつながる。そんな風土が同社には根付いているようだ。

body3-1.jpg早く先輩たちの技術力に追いつきたいという高橋千晶さん

柔軟な働き方を提案し、社員の人生を豊かにする

 同社には在宅勤務で活躍する社員が2人いる。その一例目となったのが、入社6年目の森田俊介さんだ。それまでは大宮から通っていたが、介護の手伝いをするために宇都宮の実家に帰らなければならなくなった。介護という事情だけに会社に通うのは難しく、一度は辞めることを決意したという。
 「辞める方向で相談したところ、社長が『リモートで働くという選択もあるよ』と言ってくださったんです。仕事にはやりがいも楽しさも感じていましたから、それで辞める理由がなくなりました」
 前例があったわけではない。当然ながら不安もあった。そんな中でも、対面でのコミュニケーションの機会がどうしても減ってしまう分は、事前にしっかり問題点を整理し、Skypeや電話、メールでのやりとりを密に行うことで補うなど、工夫して働き方を作ってきた。通勤時間がなくなったおかげで自分の時間も増え、仕事も私生活も充実していると森田さんは満足気に語る。
 「社員が楽しく働けて、仕事もそれ以外も含めた人生を豊かにできるような会社をつくりたい」という高橋社長の言葉どおり、同社には、仕事も私生活も充実させられる仕組みが整っている。これからも“Small but Excellent”な唯一無二の企業として、より一層の活躍を見せてくれるだろう。

body4-1.jpg在宅勤務で活躍する2人。普段は離れて作業していても、社員同士の距離感は変わらない
  • 社名:株式会社ナッツウェル
  • 設立年・創業年:設立年 1996年
  • 資本金:4,175万円
  • 代表者名:代表取締役社長 高橋 智
  • 従業員数:18名(内、女性従業員数4名)
  • 所在地:101-0047 東京都千代田区内神田2-6-9翔和鎌倉橋ビル6F
  • TEL:03-3253-7681
  • URL:http://www.natswell.com
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください