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城南地区 日本電算株式会社

日本電算株式会社  多種多様なイベントと 手厚い教育環境で ITエンジニアを育てる

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多種多様なイベントと 手厚い教育環境で ITエンジニアを育てる

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多種多様なイベントと 手厚い教育環境で ITエンジニアを育てる

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エンジニアを育てるIT企業ストーリー
多種多様なイベントと手厚い教育環境でITエンジニアを育てる

業歴33年の老舗企業としてシステムエンジニアリングサービスを主軸に置き、アプリ開発やデジタルサイネージといった成長分野にも積極的に携わる日本電算。
ITエンジニアを育てる、その教育環境と社風に迫った。

SES事業をベースに、スマートフォンアプリや デジタルサイネージも注力

 コンピューター社会の幕開けともいえる1985年創業の日本電算は、コンピューターが社会に普及する歩調に合わせて着実に成長してきた文字通りの老舗である。ITといってもその領域は広い。同社が看板に掲げたのはシステムエンジニアリングサービス(SES)だった。その業態はというと、顧客先に赴いて業務を遂行するというスタイルの働き方が一般的である。それだけに同じ会社の者同士が一堂に会する機会が少ない。従って、社員同士の繫がり、情報の共有化、ひいてはスキルアップが図りにくいという問題を抱えることにもなる。
 「SESというのは生まれて50年ほどの業態ですから、業歴33年の当社はいわば老舗といえます。なかでも得意とするのが、通信・金融といった業界です。最近では、自動運転、カーナビ、家電製品などの組み込みシステムと呼ばれる分野の需要も伸びています」
 そう語るのは、会社全体の指揮運営に携わってきた松本光広取締役である。時代に合わせて、顧客企業に求められる技術を持ったエンジニアを育て、その能力を提供してきた同社。現在、180名の従業員を抱え、毎年20名近くの新卒社員を採用するまでに成長している。
 「当社では、入社後3か月の研修に加えて、毎月1回の技術研修を開催しています。社員がエンジニアとしてスキルアップできるように会社全体で支援することで、文系・理系を問わず新入社員を多様な業界に通用するエンジニアへと育てています」(松本取締役)
 さらに同社のスキルアップを推し進めることになったのが、スマ-トフォンアプリの開発やデジタルサイネージ(電子看板)の販売事業である。
 「SES業務は携わるシステム自体が大変大きく、一つのビルをいくつもの会社が協力して作るように複数の会社と協力し、大手一流会社の何百人単位のプロジェクトに携わることになります。また、一方、社内開発業務ではお客様の要望に合わせたアプリ開発を行います。こうした様々な業務を経験することで、当社の社員は着実に技術力を身に付けることができるのです」
 一般的なアプリ制作の手順は、まずお客様からどのようなアプリを作りたいのかレクチャーを受け、そのためにはどのようなシステムがいいのかを詰めていく。話が詰まったらそれに基づいて、システムを作るための設計書を作成する。ここまでが上流工程ということになる。この経験値がエンジニアとしてのスキルを格段にアップさせるのである。
 「エンジニアとしてキャリアを積むには、プログラミングを用いた開発業務だけでなく、こうした上流工程における業務経験が欠かせないといわれます。下流工程と上流工程の両方に携わってこそ、エンジニアの技術力が磨かれるんです」

body1-1.jpg「文系・理系を問わず、新入社員をエンジニアへと育てる環境があります」と話す松本光広取締役

文系出身でも一からプログラミングを習得し、 ITエンジニアとして活躍できる

 ITエンジニアを目指す上で、エンジニアとして十分に成長できる環境があるか否かがとても重要という声は決して少なくない。とりわけ血となり肉となるのが、会社や同僚からのサポートという。入社2年目でクリエイティブ事業本部に所属する赤坂里美さんは、研修内容に注目して就職活動を決めたという。
 「今後伸びていく業界であるIT業界に就職したいという希望はあったのですが、文系出身の私でもやっていけるのかという不安がありました。ですから、ITに関する知識を一から教えてくれる会社を探していたんです。当社は紋切り型の研修でなく、実践的な観点に立って行われるというのを知って、ここだったらエンジニアとして活躍できると確信し、入社を決めました」
 赤坂さんのいう実践的な研修とは、先輩社員を講師として入社後3か月にわたって行われる新人研修で、C言語とJavaを習い、最終的には4人チームで名簿管理システムを作るというものだ。赤坂さん自身、かなりの力を付けたと笑みを浮かべる。さらに、この研修の肝は気軽に質問のできる雰囲気だったと振り返る。
 「専門知識はゼロという段階からのスタートですから、きちんと理解して、覚えなければならない知識量はかなりのものでした。これが外部講師による講習会でしたら、たぶんついていけなかったと思います。やはり、身近な存在の先輩社員が講師を務め、分からない部分が出てきたら、遠慮せずに何度も質問できる雰囲気があったことが大きな助けとなりました」
 1年目の後半からiPhoneアプリの開発に取り組んできたという赤坂さん。コンサートホールのチケット販売管理システムを完成させたばかりと顔をほころばせる。
 「試作品をお客様に見せて、要望を頂くというのを何度も繰り返しながら、システムを構築していきました。サイトの設計からテストまで全てに関わらせてもらいましたから、完成を迎えたときには、私にもこんなのものが作れるんだと成長を実感できましたし、自信が付きました」
 同社では、技術を磨きたいという希望があれば積極的に挑戦できるようにと、毎月1回新人含めた全社員が参加できる技術研修も実施している。これは土日祝日に行われるもので、普段は常駐先にいる先輩エンジニアが講師となって、Java、C言語、組み込み、Androidなどのプログラミング言語について各回テーマを設け、6~8時間かけてみっちり教えてくれるという。
 「入社1年目は全ての研修会に参加しました。エンジニアとしての知識不足を感じていた私にとって、入社後3か月間の研修後も先輩社員がじっくりと指導をしてくれるという機会はとても有り難いものでした」
 その姿勢を評価され、年2回行われる社員総会において、社長から贈られる社員アワードを受賞したと誇らしげな赤坂さん、さらに高みを目指す。
 「今のところはプログラミングがメインですが、将来はシステムの全体像を考える設計業務もできるようになりたいと思っています」

body2-1.jpg「エンジニアとしての成長を実感できています」と話す赤坂里美さん

社員同士のコミュニケーションを生み出す、女性らしいオフィスデザインとイベント

 システム会社に限ったことではないが、オフィスといえば無機質なもの。目障りなものがない分集中できるというのがあるかも知れないが、人間は感情のある動物。癒しへの配慮があってもいいという企業も増えている。同社でもその考え方を取り入れて、壁面に季節ごとのテーマに沿ってデザインされた壁紙や装飾で彩られている。
 「春なら桜、夏ならひまわりや海、そしてハロウィン、クリスマスなど季節によって変えています。それぞれに個性的で楽しいものに仕上がっていますね。その時期が来ると、社員から声が上がり、全員で協力して飾り付けをするんです」
 そう語るのは、入社3年目で人事部に所属する大井彩奈さん。
 「IT企業だけに理系男子が多く、白黒をベースとした無機質なデザインのオフィスというイメージを持っていました。ところが当社は全く違っていて、女性的で華やかです。やはり働いていて気持ちが良く、モチベーションも上がりますね」
 アロマやテディベア、フラワーなどの内装は、女性社員が中心となって飾り付けを考えているという。
 さらに、普段は常駐先にいる社員同士が一堂に会する機会も多様にそろえている。社員旅行、BBQ、忘年会、ボウリング大会など、どれも社員に大いに支持されているという。
 そのほか、月1回行われる新人限定イベントというものがある。これは入社1年目の新人社員がミュージカル鑑賞や食品サンプル作り、高級フレンチの食事会など、様々な体験をするというものだ。普段は得られない特別な経験をしながら、同期の仲間との横の繫がりを深めると同時に、世の中への見識を広めてもらいたいという社長の考えから、3年前から始まった取組だという。
 「交流イベントのおかげで私自身、中途入社にもかかわらずスムーズに同期の輪に入ることができました。2年目になると新人イベントはありませんが、自然と自分たちで企画するようになります。私の代では、ラフティングでの川下りをしたり、夜景を見に行ったりと、何でも話せる関係性作りができています」
 同社の魅力は、社員同士の仲が良く、先輩が後輩の面倒をよく見る社風にあるという大井さん。イベントなどによる交流を通して、社員間のコミュニケーションを活発にする。そうした社風が、面倒見の良い社風を生み出し、ひいては会社全体で社員を育てるという教育環境を支えているのだろう。

body3-1.jpg「華やかなオフィスにいると、気持ちが良く、モチベーションも上がります」と話す大井彩奈さん

編集部メモ

社長自ら手作り料理を振る舞う

 お話を伺った同社社員から度々耳にしたのが、「社長との距離が近いんです」という言葉で、これを象徴するエピソードがある。月1回の研修会では自主的に学ぶ社員の労をねぎらうべく、社長が手作り料理を振る舞うのだという。さらに社長の社員への声掛けはこうした特別な場面に限らないといい、機会を見付けては社員たちと食事に出掛けていると多くの社員が口をそろえる。社長が率先して社員に関わり、その声に耳を傾けるという会社の好例といって良いだろう。

edit-1.jpg季節ごとのテーマを設けて、社員が自主的に飾り付けているedit-2.jpg各種交流イベントのおかげで、社員同士の距離が近いのだという
  • 社名:日本電算株式会社
  • 設立年・創業年:設立年 1985年
  • 資本金:5,000万円
  • 代表者名:代表取締役社長 松岡 善昭
  • 従業員数:180名(内、女性従業員数51名)
  • 所在地:141-0021 東京都品川区上大崎2-25−2新目黒東急ビル13階
  • TEL:03-5719-2882
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