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社会福祉法人にじの会

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目標に向かって成長する職員が、障がい者の個性を尊重した支援を実施

目標に向かって成長する職員が、障がい者の個性を尊重した支援を実施

「住み慣れた地域の中に障がい者が生活する場と働く場を」をコンセプトに設立されたにじの会は、発足時から知的障がい者の生活・就労活動を支援。障がい者をサポートする職員の生活も充実させるために、各自の状況に応じた働き方ができる環境を整備している。

住み慣れた地域で障がい者が暮らし、働ける施設を運営

 障がいのある子どもたちの将来を豊かなものにするために1996年に発足したにじの会。住宅地の中で知的障がい者が地域と連携しながら生活できる運営スタイルを構築。三鷹市と調布市に7事業所を開設し、生活や日中活動、就労活動、相談などを支援してきた。
 「知的障がいがあり一人暮らしや通勤が難しい場合でも、住み慣れた地域で社会との関わりを持ち、自立することが、彼らや家族の幸せにつながるという考えから各施設を運営しています。知的障がい者の方も地域の住民として、その人らしい生活ができるように支援するのが当会の基本的な考え方です。また、重度知的障がい者の方々がより一層生き生きとした生活が送れるようにと、美術・音楽・運動を取り入れた日中活動支援も行っています」
 同会の発足の趣意を説明するのは石崎理事長。施設では、障がい者の生活の場としての支援だけでなく、就労活動の支援としてパン製造や豆腐・スモーク品の生産、マフラーなどの織物などの製造、販売をしている。
 更に、地域との共生を目標に掲げる同会では、地域支援活動にも積極的に取り組む。その代表例が三鷹市大沢地区の高齢者を対象にした買い物送迎支援事業である。同会スタッフが施設所有のバスで、支援要望のあった高齢者の自宅まで迎えに行き、地域にあるスーパーなどで買い物の補助をして、自宅まで送り届けるというサービスを週3回行っている。買い物後は同会が運営するレストランでランチを取ることもでき、地域住民同士の交流の場として利用できる点も好評だという。

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利用者の家族や地域の人と連携しながら、地域との共生を図る施設運営を展開する石崎理事長

職員同士が支え合う働きやすい環境

 知的障がい者の生活を支援するスタッフは、早番・遅番など4種類の勤務体制で働く。週休2日制で有給休暇も取得できるようにローテーションが組まれている。また、職員の約半数を占める女性は、子育てと仕事の両立を図る人も多く、現在、十数名が短時間勤務制度を利用中。家庭状況に応じて働けるようにと導入されたもので、一定の条件を満たせば、通常は週40時間のところ週30時間勤務が認められる。このような制度のもと、全員でサポートし合いながら、勤務している。
 「施設利用者の起床から着替えやトイレ介助などの生活サポートが主な仕事で、きめ細かい配慮を心掛けています。利用者が快適な生活を送るにはスタッフのチームワークが重要。職員同士の距離が近く気軽に意見交換できる風土を大事にしています」(入会6年目、生活支援スタッフの望月さん)
 更に同会では人事制度プロジェクトという全社を横断する組織を設置。現場の声を聞き、ノー残業デーを設定するなど、働きやすい環境づくりに力を注いでいる。

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利用者の個性を把握した上で生活支援をする望月さん。いつもきめ細かい配慮を忘れない

職員のスキルに応じた目標を設定し成長を促す

 知的障がい者の生活支援などを行うには専門的な知識やスキルが不可欠。同会では年1~2回の新任研修をはじめ、外部研修や階層別研修など、スキル向上を図る様々な研修制度を導入し、積極的な参加を促している。更に職員のスキルや働く意欲を高めるために、上司との面談で個人ごとに年間の目標を設定している。上司と部下の双方が目標を共有することで、本人の業務に対するモチベーションが上がるだけでなく、上司からの適切なアドバイスにも結び付いているという。
 入会2年目、運動支援専門スタッフの高橋さんは、生活支援スタッフとして働く中で障がい者支援の基本を身に付け、スポーツ学科で学んだ専門知識を生かして利用者の運動支援を行っている。
 「個人目標を設定することで、達成するには何を磨くべきかが明確になります。また、キャリアに合った仕事をしながらステップアップするための研修もあり、成長も実感できます」(高橋さん)
 今後は個人の体力や障がい内容に応じた運動メニューを開発し、利用者の健康増進や維持に寄与したいと語る。

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日中活動支援の美術の時間で作成した作品。高いアート性が評判を呼ぶ

ここがポイント!働くやりがい!

職員同士の交流で一人ひとりが成長できる にじの会で働く職員は、福祉学部などで専門知識を学んだ人ばかりでなく、その他の学部出身者や異業種で働いた経験を持つ人も多い。また、美術・音楽・運動の各分野の専門スタッフも在籍するなど、得意分野や前職での経験が存分に生かせる場がある。様々な職員たちが、障がい者の豊かな生活の実現に向け、共に学び、それぞれの知識を共有する。結果として個人のスキルアップにもつながり、それが同会で働く最大のモチベーションになっている。

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就労活動支援ではお菓子作りも行う。かわいいパンも利用者の手作り

●第20号 (2020年3月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
社会福祉法人にじの会
設立・創業年
設立年 2001年10月
資本金
社会福祉法人のため無し
代表者名
理事長 石崎 優仁
従業員数
148名(内、女性従業員数 70名)
所在地
181-0015 東京都三鷹市大沢1-6-3
TEL
0422-39-2411