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三報社印刷株式会社

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豊富な経験を積むことで若手が育つ。 医学書出版社が信頼を寄せる印刷会社

豊富な経験を積むことで若手が育つ。医学書出版社が信頼を寄せる印刷会社

医学書印刷を手掛けて約1世紀の歴史を有する三報社印刷。デジタル化という時代の流れに対応すべく、これまでの印刷の枠組みを超えた技術開発にも果敢に挑戦。医学書の未来を作る人材が、育児も両立できる働きやすい環境づくりや、印刷の基礎を学べる人材育成にも積極的に取り組んでいる。

医学書印刷で培った技術を マルチデバイスに応用

 三報社印刷は1923年の創業以来、医師、看護師、放射線技師などの医療従事者やそれらを志す人々の学びの指針となる医学書の印刷に携わってきた。人命にかかわる領域のため正確性はもとより、解説に使用するX線写真や体内外を写した写真の陰影や色合いをいかに忠実に再現するかが問われる。同社はその高度な要求に応える技術を磨き上げ、医学書出版界から「カラーの三報社」と評されるほど信頼を寄せられている。
 更に同社は、DTP(パソコンでの印刷用データ作成)、オンデマンド印刷(版を使用しない印刷方法)、電子書籍など、印刷技術の進化やメディアの多様化にも対応、10年前には「情報処理室」を立ち上げ、ウェブやアプリの制作にも事業を広げている。
 「学習方法が多様化する中、当社は医学書のマルチデバイス対応や学習アプリの開発などを一層推し進めていきます」
 永井取締役はビジョンをそう語る。その方向性は、入社20年目、情報処理室の森澤室長も全くブレていない。
 「医療資格取得のための問題集のアプリ化、手術などを学ぶ教材の3D映像化など、当社が得意とする医学分野に新たな技術を積極的に取り入れていきたいです」(森澤さん)

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「大学の研究室と連携し、産学一体となって新しい医学学習の仕組みを研究中です」(永井取締役)

幅広い業務を経験し、 自身の強みを研磨できる

 医学書と一口に言っても、分野や読者層に応じて重厚感のあるものからイラストを用いた柔らかいタッチのものなど、デザインも仕様も様々。そうした中、同社では様々なニーズに対応するべく、デザインソフトや印刷機材を幅広く揃えている。そのため、同社の新入社員は入社後、デザイン、画像処理、印刷など、各工程を担う部署で基本を学び、会社の全体像をつかむ。その後、各配属先で先輩が指導役に付き、様々な幅広い実務を通じてスキルを磨いていく。
 「先輩のもとで多彩な印刷物に携わり、自分の得意分野を見付け、専門性を高めていける環境です」(森澤室長)
 「技術研修を随時開催し、DTPエキスパートやDTP検定など、印刷技術関連の資格取得も支援しています」(永井取締役)
 入社13年目、現在は情報処理室で活躍する高橋さんは、印刷用データを作成する組版部門からキャリアをスタートさせ、今の基礎を固めたと自らの軌跡を話す。
 「周りにデザインや画像処理などのスペシャリストがたくさんいて、専門技術を分かりやすく、そして実践的に教えてもらいました。本づくりをじっくり学べたことが、今の仕事である電子書籍の制作にも生きています」

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ウェブサイトや学習アプリの開発の幅を更に広げたい」と意欲を高める高橋さん

時短勤務、在宅勤務など 柔軟な働き方を推進中

 高橋さん、森澤室長のように10年、20年と勤務し続ける社員が多いという同社。2人はその理由を、部署の垣根を越えて相談しあえる人間関係の良さがあると話す。
 「夏のビアパーティーや年末の忘年会といった社内イベントは全社的な交流を深め合う絶好の機会となっています」と高橋さん。そのほか、普段から有志が集まってフットサルやボウリングなども楽しんでいるという。
 同社の人間関係の温もりを更に感じさせるのが「感謝メッセージ」という取組。これは、他部署の仲間へ感謝の気持ちを伝えるもので、高橋さんも電子書籍等の内容確認を担ってくれているチームへ感謝の言葉を綴ったと笑顔を見せる。
 また、同社は長く働ける環境づくりとして、産前産後休業・育児休業の推進はもちろん、時短勤務や在宅勤務を利用した無理のない復職も支援。現在、4名が育児休業中。更に1名は在宅勤務で育児と仕事を両立しているという。
 100年以上続く企業を目指して、引き続き社員の働く環境を整え、人材を育みたいという同社。
「彼女たちがロールモデルとなって、若手社員も続いてもらえるよう、制度の充実を一層進めていきます」(永井取締役)

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仲間への感謝の気持ちを記したメッセージカード。こうした思いやりが温かい社風を育む

ここがポイント! 働くやりがい!

医学・医療の発展に貢献するという意義を実感!
 医学書のデザイン、画像処理、印刷、ウェブ制作を通じて、「医学・医療の力になる」という社会的意義の高さを実感できるのは同社の仕事ならではのこと。病院の診察室でドクターの傍らに自社の携わった書籍を見付けると、その意義を一層身近に感じられるという。また、今後医学教育の場でウェブ教材の活用がますます進む中、多様化するメディアを作るという立場で間接的に次世代の医学発展に寄与するやりがいも得られる。

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最新鋭の機材を駆使して写真の微細な色調を再現

●第18号 (2019年9月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
三報社印刷株式会社
設立・創業年
設立年 1949年1月
資本金
9,600万円
代表者名
代表取締役社長 永井 祥道
従業員数
146名(内、女性従業員数30名)
所在地
136-0071 東京都江東区亀戸7-2-12
TEL
03-3685-3131