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中央・城北地区 新日本コンピュータマネジメント株式会社

新日本コンピュータマネジメント株式会社 「技術の前に人がある」。社員の健康と生活を考えた“人”重視の経営

新日本コンピュータマネジメント株式会社

「技術の前に人がある」。社員の健康と生活を考えた“人”重視の経営

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新日本コンピュータマネジメント株式会社

「技術の前に人がある」。社員の健康と生活を考えた“人”重視の経営

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誰もが働きやすい会社作りストーリー
「技術の前に人がある」。社員の健康と生活を考えた“人”重視の経営

 ITサービスを幅広く提供する新日本コンピュータマネジメント。同社が40年にわたって成長を続けてこられた理由は、“人”第一の経営方針にあった。

制限があっても活躍できる環境を

 顧客の要望に応じたシステム開発やネットワークの構築、ソリューションサービスやソフトウェアのライセンス販売、さらにはAIやIoTに関する事業も始めるなど、ITに関するサービスを幅広く提供する新日本コンピュータマネジメント。同社は、1971年に新日本ビジネスデーターとして創業。当時は女性のみの会社で、総合商社の経理情報をデータ化する「キーパンチ」を行っていた。さらに、1995年に新日本ソフトウェア開発を設立。同社は単なるデータ化ではなく、女性社員がソフトウェア開発を行う会社だった。一方で、男性のみの会社として1975年に設立されたのが、新日本コンピュータマネジメント。これらをはじめ、「新日本」の名を冠する複数の系列会社が1999~2001年にかけて統合され、現在の形になった。
 実は、会社を男女で分けていたのには理由がある。
 「当時は、女性が深夜就業や残業を行うのは難しい状況がありました。さらに、結婚と同時に退職するのが当然だという風潮もありました。そうした理由から、より働きやすい環境を作ろうと創業者である父は考えたんです」と話すのは、神保敦社長。2012年に就任した3代目である。
 今でこそ、性別による労働の制限はないことが法律に定められているが、当時は男性と女性は同じように働けないと考える経営者もいた。そんな時代にあっても、誰もが活躍できる会社の形を作ろうと考えた結果が、同社の企業形態だったというわけだ。
 「制度的なところや人による得手不得手など、それぞれの違いを生かした上で、誰もが活躍できる会社・環境を作っていくのが、経営者としての私の役割だと考えています」

body1-1.jpg同社の歴史を語る神保敦社長

働き方と生き方を考えるキャリア選択研修

 神保社長の言葉通り、同社には社員の活躍を支える様々な制度がある。その軸ともいえるのが、「キャリア選択研修」だ。これは、この先どんな形で仕事をしていきたいのかを考える中堅社員向けの研修。併せて適性検査も行い、将来の働き方を具体的にイメージできるような場にしているという。
 「仕事ができるからと管理職に指名しても、本人が現場にいたいと考えていたらうまくいきません。社員の希望を聞ける機会はなかなかありませんから、こうした研修の中で希望と適性を見ることにしています」
 「理想的な働き方」というと、自分の仕事が会社に認められて昇進していく姿を思い浮かべがちだが、そればかりが理想の道ではない。人それぞれに理想があり、それを叶えてこそ本来の活躍といえるのだ。
 「自分がどんな働き方をしていきたいのかを考える機会はそう多くはありません。だからこそ、この機会を利用して理想の働き方、ひいては理想の生き方を考えてほしいんです」
 今の自分には何が足りないかを確認することで、漠然としたイメージが具体的な目標になり、仕事のやりがいにも繋がる。将来の自分について改めて考えることで、人生にもハリが出るというわけだ。
 ほかにも、マナーや人間関係を円滑にするスキルを学ぶ「マインド研修」、就業時間や遅刻・早退を管理して、異常があれば面談や産業医との相談といったケアを行う「安全衛生管理委員会」、植樹や清掃などの社会貢献を行うCSR活動など、様々な取組を行っている。
 「これらは全て、『技術の前に人がある』という当社のスローガンにのっとったもの。仕事だから、会社の制度だから従うというのではなく、そこで働く人の健康や人間力といったものを最も大事にしています。それがあってこそ、社員がいきいきと活躍してくれるんだと思います」と神保社長は力強く話してくれた。

body2-1.jpg誰もが自分の理想の働き方を実現できる会社を目指している

女性の産休・育休だけでなく男性の育児目的休暇も積極的に支援

 社員の活躍を支えるのは、こうした研修だけではない。「2人目の子どもが生まれるときに1か月の育児目的休暇を申請したところ、あまりにもあっさり受け付けてくれ、驚いたくらいです」と話すのは、藤田智さん。プロジェクトのリーダーとして、複数のチームの進行管理などを担当している。
 実は、同社では女性社員の産休・育休取得率は100%を誇っている。しかし、男性にはまだ浸透しておらず、藤田さんの周りにもそうしたモデルケースはなかったという。それでも、社内通達でそうした制度があることは知っていた。上司に相談すると、意外なほど簡単に「良いんじゃないか」と言ってもらえたという。
 「当時からプロジェクトのリーダーとして複数の仕事を担当していたので、引継ぎなどもっと大変じゃないかと考えていたのですが、杞憂でした。周りのサポートもあり、すんなりと事が運んで、安心して育休に入ることができましたね。」
普段はなかなか遊べない上のお子さんとの時間もたくさん取れ、充実した時間を過ごせたと顔をほころばせる藤田さん。復帰時にもスムーズに仕事に戻れたと話す。
 「まだまだ男性の育児目的休暇取得事例は多くありません。それなのに周りがこんなに協力してくれて、復帰時も、良い意味で何の違和感もなく受け入れられたのが嬉しかったですね。仕事面ではもちろん、こうした働き方の面でも、自分が後輩のお手本になれたらと思っています」

body3-1.jpg今後も人を束ね、リードしていく立場で活躍していきたい、と藤田智さん

会社のサポートがスキルアップのやる気に

 堀友里江さんは、入社3年目の若手。現在は仕様に合わせてシステムを構築するプログラマーとして活躍している。そんな堀さんは、学生時代に応用情報技術者試験に合格。入社してからも勉強を続け、情報セキュリティスペシャリストの資格を取得した。
 「新人研修の一環として資格試験の勉強が認められ、集中して取り組むことができました。きっかけは正直に言ってしまえば自己満足のためだったのですが、会社が全面的に応援してくれたので、さらにやる気が出ましたね」
 合格の暁には褒賞金も授与され、それがさらなる資格取得のモチベーションにも繋がったと喜ぶ。
 「私の持っている資格は、即戦力として生かされるといった類いのものではありません。それでも、資格は自信をくれますし、これだけの技術があるという証明にもなる。これからも技術を磨いて、現場で活躍し続けたいです」
 現在、新たにデータベーススペシャリストの資格取得に向けて勉強中だという堀さん。“人”を第一に考える風土の中、同社の未来を担う人材は確実に育っている。

body4-1.jpg「さらなるスキルアップに向けて勉強中です」と話す堀さん

編集部メモ

多様性を認める会社に

 神保社長は、働き方や技術の多様性も、「ダイバーシティ」という言葉に含まれていると考えている。
 「理想の働き方や得意な分野など、人それぞれで違ったものを持っている。それを型にはめるのではなく、多様性を生かしてキャリアを作っていけるのが、理想的な会社、そして社会だと考えています」
 誰かに決められた道ではなく、自分のキャリアを自分で選択できる社会。その実現を目指して、これからも進化を続けていくことを期待する。

  • 社名:新日本コンピュータマネジメント株式会社
  • 設立年・創業年:設立年 1975年
  • 資本金:9,980万円
  • 代表者名:代表取締役社長 神保 敦
  • 従業員数:293名(内、女性従業員数49名)
  • 所在地:103-0012 東京都中央区日本橋堀留町2-9-8 Daiwa日本橋堀留町ビル4階
  • TEL:03-5643-2151
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