東京コンピュータシステムの設立は1978年。通信分野を得意として、電話の回線をつなげるための交換機に組み込むシステムなどを開発し、携帯電話の発展を支えてきた。また、運輸会社やものづくり企業の会社の物流管理システムも数多く手掛けており、その技術力は顧客から高く評価されている。
　「倉庫に荷物を出し入れするトラックのリアルタイムな動きを把握できるシステムのプログラミングを担当しています。荷物に取り付けられたタグの情報をコンピュータで追いかけるというものなのですが、動きが見えるのでゲームのようで面白いですし、物流サービスの根幹に関われるため、やりがいとともに責任を感じて取り組んでいます」と入社８年目、第二システム部の児島さんは語る。
　「当社が得意とする通信分野では、５G（第５世代移動通信システム）化への移行に伴うシステム開発がピークに達しています」と説明する西薗社長。
　更に、自動車の危険回避システムにも通信技術が組み込まれており、開発の依頼が増えている。今後、高度な自動運転が実現し通信との融合が進めば、同社が持つ技術やノウハウが生きる場面は増えるという。
　「私たちの仕事は、IT技術をベースにしたサービス業。IT技術でお客様の夢を実現する。それが大事です」（西薗社長）
更に、将来的にあらゆる年代の人が安全で使いやすい情報インフラを作り出し、デジタル社会に潜む格差を改善するという目標を掲げている。
　「今の社会にはデジタル・ディバイド（IT技術を利用できる人とできない人の間に生じる格差）に苦しんでいる人も大勢います。格差を解消するには、ユニークな発想が大切です。次の世代を担う人には、ぜひ豊かな発想で私たちが掲げた目標を成し遂げてほしいと願っています」（西薗社長）

　「自分が正しいと思ったことは役員に対しても直接伝えられますし、仕事の悩みも相談できます。そのおかげでストレスなく働くことができます」（児島さん）
　話しやすい環境の背景には、社内イベントも一役買っている。社員が主体となって社員旅行やお花見、バーベキューを開催。本社外で働く社員も多いからこそ交流を大切にしているという。また、家庭と仕事の両立支援推進企業に登録されている同社には、2名の女性幹部がおり、女性も主体的に活躍しているという。
　「良いシステムを作るには、まず自分たちが充実して働く必要があります。そのための環境づくりには心を配っています」（西薗社長）
　同社には新卒入社で定年まで勤める社員が多数いる。それも人を育て、充実して働ける環境があるからだろう。