研修を通して商品知識と提案力を高め、ものづくりの現場を支える機械工具商社
<3つの特徴>
●日本のものづくりを支え続ける老舗商社
●研修で知識を得て最適な商品を提案
●風通しの良い社風で働く環境改善に取り組む
創業は明治時代 最適な提案で信頼を蓄積
機械工具の専門商社テヅカは、1909年に創業した老舗企業。測定機器から産業用ロボットまで、ものづくりの現場に必要なものは、およそ何でもそろう。取引のある工具メーカーは400社を数え、取扱商品は実に30万点を超える。
特に扱いが多いのは、自動車のエンジンパーツなどを削り出す切削工具。その刃先などの消耗品だけで同社の売上げの50%を占めるという。
「削るものの素材や形状、取り付ける装置、操作する人が熟練者かどうかなど、多様な条件を組み合わせて最適な商品を提案します。的確な提案をできる人材が我が社の最大の資産です」と三橋社長は言葉に力を込める。
同社は2度の大戦と関東大震災、世界恐慌、オイルショック、バブル崩壊と、幾たびも危機的状況に遭遇してきたが、一世紀以上にわたり日本のものづくりを支えてきた。それだけに不況に強い財務体質で、コロナ禍で世界的に経済が低迷している今も、大きな影響は受けていないという。
さらに同社は、製品を売るだけではなく、アフターケアや修理も行い、ときには販売店向けに講習会などを実施している。お客様に寄り添い、信頼を守り続けてきたからこそ、事業を継続することができたのだと三橋社長は分析する。
「やみくもに手を広げることなく、機械工具専門商社としての分を守り、誠心誠意努めてきました。それが健全経営を続けていられる最大の理由だと思います」(三橋社長)

丁寧な研修とベテランの支援で 職業人としての成長を促す
提案型の営業では豊富な商品知識がものをいうだけに、同社にはベテラン社員も多い。
「お客様の要望を聞いて、的確な提案ができるようになるには、商品だけでなく現場の特徴や課題を把握していなければなりません。この道数十年という社員や役員たちが若手をサポートしています」(三橋社長)
新入社員は、入社後3カ月間の研修で全部署をローテーションし、業務の流れや各部署の役割を学ぶ。本人の適正によって配属先を決めるが、1人3回まで転属の機会を設け、才能を発揮できる部署を見付け出すという。
入社後は1年間、OJTで先輩社員が担当に付き、仕事を教わりながら、着実なステップアップを促している。
「最初は右も左も分からなかったのですが、お客様の元に何度も足を運び、先輩にも解説してもらっているうちに、お客様が何を求めているのか次第に察しがつくようになってきました」と入社2年目、外勤営業の久保さんは言う。
また、メーカー各社が主催する商品研修にも月に1回以上参加し、商品の特徴や提案のポイントを学んでいく。
「現在はオンラインの研修に参加させています。時間や場所にとらわれずに参加できますから、社員は積極的に活用しています」(三橋社長)
資格取得支援も手厚く、空気圧装置組立て技能士などの資格を取得したときには、報奨金を支給し、成長を促している。

風通しの良い社風やユニークな休暇制度
風通しが良く親しみやすい社風が同社の魅力というのは、入社1年目、内勤営業の原さん。
「説明会のとき、会社の隅々まで案内してもらい、社員が皆優しく声を掛けてくれました。ここなら良い人間関係が築けそうだと思って入社を決めました」
久保さんも「先輩社員の優しい指導で心にゆとりを持って仕事に取り組め、自分のペースで成長していけます」と話す。
また、ライフ・ワーク・バランスを充実させるため、同社では誕生日の前後に1日休みを取れる「アニバーサリー休暇」などで有給休暇の取得を奨励している。
業務の効率化も図っており、ソフトウェアロボットによる定型作業の自動化(RPA)の導入などにより、平均残業時間は月13.2時間から6時間へ削減を達成している。
「残業はしないという三橋社長の方針のおかげで、基本的には定時に退社して、自宅でリラックスする時間を確保できています」(原さん)

社長からメッセージ
素直で向上心のある人と共に働きたい
当社にとって、お客様と良い関係を築くことがとても重要になりますから、第一に人柄を重視しています。
まじめで素直なこと、また、部門を超えて連携することも多いですので、チームワークを大切にできることが必要だと考えています。さらに加えるなら、チャレンジする気持ちを忘れないこと。コロナ禍のような危機的な状況を乗り越えるには、社員一人ひとりの気概が物を言います。困難にも立ち向かっていくバイタリティーを持ち、常に向上心を持って自分を高めていける方と一緒に働きたいと考えています。


●第23号 (2020年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。