快適に暮らせる街づくりと働きやすい環境で地域と家族に愛される会社を目指す
地元・豊島区の道路メンテナンス事業を展開し、地域の街づくりに貢献してきた徳力建設工業。創業70年を数える同社では女性の活躍の場を広げるなど働き方改革にも積極的に取り組んでいる。
仲間との一体感を武器に地域と家族に愛される会社へ
古い町並みが残るエリアは、昔ながらの狭い道が入り組み防災上の課題となる場合がある。そうした道路の拡幅や、公道の道路修繕工事などの土木工事を官庁から受注する徳力建設工業は総売り上げの約70%を公共事業が占め、それが経営の核となっている。
「官庁工事は地域とのつながりが強く、豪雨や降雪時の緊急出動依頼の際には全社員、協力会社が一体となって迅速に対応できる準備を常に整えています。災害時の迅速な対応こそ、地元で事業を行い、地域を知り尽くしている当社だからできることと自負しています」と鳥越社長は語る。
“地域と家族に愛される会社づくり”の理念を従業員一人ひとりに共有してもらうためには、会社が“働く仲間を大事にする”、“働く人が成長できる環境を与える”、が何より大事というのを創業以来モットーに掲げており、働き方改革にも早くから取り組んでいる。
ITツールを用いて、業務の効率化を進める
建設現場で欠かせない作業の一つに工事日報をきちんと作成するということがある。日報にはその日の工事の進捗、発生した問題やその対処法、翌日の工事予定などを書き入れる。日報を記すのは一日の作業を終えて、帰社してからとなるため、これが残業の一因となっている。
そこで残業時間削減を図るため、社員に持たせている携帯電話を、通話が主とするいわゆるガラケーからスマートフォンへ切り替えた。
「スマートフォンなら写真や図面付きの日報をそのまま送るため、わざわざ帰社して作業する必要がなくなります」と導入意図を話すのは工事係長。スマートフォンの功績はそれだけではない。取引先からの写真やデータも現場ですぐ確認できるため、社員同士が離れていても情報を共有できることで、トラブルへの対応や業務引継ぎなどの効率化にもつながった。
「効率的に仕事ができるため、残業がほとんどありません。また、土日祝日もしっかり休めるので、家族と過ごす時間がたっぷりあります。そうしたゆとりが、良い仕事をしようという気持ちにさせてくれています」（工事係長）
女性が活躍できる場を拡大
同社では女性が働きやすい環境づくりにも尽力している。
「今までは事務として社内で働く女性社員しかいませんでしたが、現在、子育てをしながら時短勤務で、現場で働く方もいます。今後も働き方のバリエーションを増やしていきたいです」（総務課長）
また、人材の育成にも余念がない。新入社員教育として建設業協会合同の研修を取り入れ、社会人としての常識である挨拶、名刺交換のマナー、そして安全や施工管理について学ばせている。
更に、建設現場に必要不可欠な資格取得に関しても、専門学校の入学金や授業料、教材購入、そして、資格試験の受験料を負担するなど、手厚くサポートしている。
「私も畑違いの経歴で入社したため、土木に関する資格取得が急務でしたが、会社から費用や受験勉強に必要な時間が与えられ、短時間で資格取得ができました」（総務課長）
ITツールを用いた効率化や資格支援が仕事に取り組む意欲を促し、地域と家族に愛される会社づくりという企業理念を実現させる原動力となっている。
ここがポイント！働くやりがい！
街のインフラ整備に関わり、住民に喜ばれる仕事
道路の拡幅工事やメンテナンスは、住民の生活に密接に関わる仕事。それだけに、豊島区にある本社には住民から直接、多くの声が寄せられるという。その中には、道路が広く便利になった、きれいになった、混雑が緩和された、安全になったなどの感謝や喜びの声もあり、多くの社員が励まされるという。「地域の安心で快適なまちづくり」を理念に掲げるように、地域住民の暮らしを支えているという自負と責任がやりがいとなっている。
●第17号 (2019年6月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。
