資格取得で住まいの知識を身に付け、 集合住宅の快適な生活維持を目指す
<3つの特徴>
●小規模から大規模まで修繕工事を担う
●モバイルツールの活用で残業時間を削減
●社員の成長を支援する人材育成制度
主に公共集合住宅の 管理と各種工事を受注
東京住宅サービスは、地方公共団体が供給を行う賃貸住宅の管理事業請負業者として歴史を刻んできた。
同社が手掛けるのは、敷地内の清掃や植栽の手入れをはじめ、水漏れや災害による屋根の損傷の修理、居住者が退去した後に行う内装工事といった住宅の管理と、12年に一度行うことが定められている外壁や共有部の大規模修繕工事など多岐にわたる。
「工事そのものは協力会社に依頼し、施工管理を行うのが当社の役割です。建築知識はもちろん、お客様や居住者の要望を聞き、協力会社と相談しながら対応しなければなりませんから、コミュニケーション力も求められる仕事です」
そう業務内容について説明する石引専務は、社員の丁寧で迅速な対応が顧客の満足度につながっていると胸を張る。
同社の主な営業エリアは武蔵野市、三鷹市、小金井市、板橋区。同地域の6,000戸に及ぶ賃貸住宅団地の管理を請け負っている。
修繕工事については、民間マンションのほか、営業エリア外の大学や病院といった引き合いも増えているという。
「当社のウェブサイトからの問合せや、お客様からの紹介などで取引先は年々広がっています。これまで培ってきたノウハウを生かして、今後もより多くのお客様に快適な居住空間を提供できるように事業展開をしていきたいと考えています」(石引専務)
さらに最近増えているのが、古くなった物件のリノベーションという。今後はデザイン面での提案にも力を入れていきたいと石引専務は意欲を見せる。
モバイルツールを駆使し、 業務の効率化を図る
同社では、社員全員にタブレット端末やスマートフォンを支給し、業務の効率化を進めている。外出先でも必要書類の確認などが効率的にできるため、残業削減にも寄与しているという。
また、20代から30代の社員が約9割を占める同社にとって、こうしたモバイルツールは、困ったときに頼りになる心強い存在になっている。
入社1年目で、修繕工事を担当する工営部の岸さんは、「修繕方法が分からないときなど、現場の写真をその場で撮影して上司に送って指示を仰いだり、テレビ電話で現場の映像を見てもらいながら相談することもあります。いろいろな局面で役立っています」と話す。
また、休みやすい環境づくりを積極的に進めている同社では、期の初めに、年間の有給休暇取得スケジュールを提出する取組を開始。気兼ねなく休める雰囲気ができ、有給休暇取得率は20%から70%に増加したという。
「大規模修繕工事中は、完了まで有給休暇が取りづらくなりますが、終了後にまとめて取得してもらうなど、リフレッシュできるようにしています」(石引専務)
1級建築施工管理技士など 社員の資格取得を支援する
施工管理者として現場をマネジメントするには、建築に関する知識は欠かせない。また、工事完了後に顧客に提出する工事監理報告書などの書類作成にはPCソフトを使いこなすスキルも求められる。
同社では、こうした業務に必要なスキルを磨くための支援も充実している。
「導入研修で建築の基礎などを学んだ後に、実際の修繕工事の現場を見学しました。現在は先輩に付いて、OJTで仕事を覚えている最中です。また、当社には資格取得に向け、支援金や報奨金などが支給される資格取得制度があり、これを利用して社員はそれぞれスキルアップを図っています」と話すのは、入社1年目の辻さん。
現在は工営部で水漏れなどの修繕工事を担当しており、資格取得制度を活用して、ビジネス用ソフトウェア関連の資格を取得。さらに2級建築施工管理技士の資格取得を目指しているという。
資格手当も、資格のランクに応じて支給されるといい、最高ランクの1級建築施工管理技士の取得者には、手当に加え、報奨金50万円を支給。こうした社員のスキル向上への支援が、社員のやる気を引き出し、品質の高い施工につながっているという。
役員からメッセージ
的確に意思を伝える能力が必要な仕事です
当社の仕事は、工事内容についてのお客様との打合せ、協力会社への指示や居住者の方への工事内容の説明など、多くの人と接することになります。そのときに誤解を与えないよう、的確に意思を伝えることが大切になりますから、まずは高いコミュニケーション力を備えていることが重要と考えています。また、幅広い建築の知識も求められますので、地道にコツコツと努力できる人が向いているでしょう。住まいを快適に保つのが当社の役割。居住者の方から「ありがとう」と感謝されることも多く、やりがいにあふれる仕事でもあります。
●第23号 (2020年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。