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株式会社東洋ボデー

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全社員参加の改善提案制度で品質向上へ。安心・効率面から現代の物流を支える

全社員参加の改善提案制度で品質向上へ。安心・効率面から現代の物流を支える

トラックの荷台の設計から開発、製造、メンテナンスを一貫して行う東洋ボデー。全社一丸となって品質向上に努めながら、お客様の注文をオーダーメイドで受けている。“モノを運ぶ”というシーンが、あらゆる業種業態に欠かせなくなった現代社会において、同社の果たすべき役割はますます大きくなる。

トラックの荷台を1台ずつカスタマイズ

 一口にトラックといってもその形状は実に多様。しかも、荷台は運ぶ荷物の種類・重量・形状などによってカスタマイズするケースが多いという。
 東洋ボデーは、トラックを使ってビジネスを行うエンドユーザーから荷台に求める寸法や材料、造作物といった仕様をヒアリングした上で、1台ずつオーダーメイドするメーカーとして実績をつみ重ねてきた。
かつては大手トラック製造会社の専属で荷台を作っていた時期もあったという。しかし、1社だけに特化していたのでは可能性が狭まるからと、20年程前から今の事業モデルにシフト。文字通り少量多品種の生産ながら、平ボディーと呼ばれるフラットな荷台、飲料メーカー向けのボトルカー、側面が開くウイング車と多彩なラインアップをそろえ個々の注文に応じてきた。今では従業員も増え、製造現場で女性社員も活躍している。
 「お客様から燃料効率等を求められる中で、荷台の軽量化などの効率化に率先して取り組んだことが、今日の信頼獲得につながっています。また、トラックの車体メーカーの工場の多くは関東圏に集中しているため、武蔵村山という当社の立地は、メーカーの工場から運び込む際の手間とコストを抑えられるメリットも有しています」と中条社長は自社の強みを分析する。
 「今後、自動車の保有からシェアリングへのシフト、自動運転と電動化の拡大、通信規格5Gの到来に付随する車体情報のタイムリーな管理などが実現していけば、トラックを取り巻く環境はますます変遷していくことになります。その中にあっても少しでも長く、安心してトラックを使ってもらえるように、挑戦を続けていきます」(中条社長)

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物流会社などのニーズに細かく応え、トラックの荷台を1台ごとカスタマイズしている

社員が積極的に利用できる制度を導入

 同社を象徴する社内制度に「改善提案制度」がある。これは毎月、全社員から改善案を募集するというもので、各案は1級から10級までランク付けされ、最高評価の1級に輝けば10万円の報奨金が支給される。他の級でも報奨金が支給されるから社員のモチベーションは高く、平均して月30~40件は提案されるという。
 入社12年目、品質管理課の松浦課長も、積極的に改善提案制度を利用している。
 「商品を最後にチェックするのが品質管理の役割ですが、製造途中で調整すればより品質が高まることも多く、その際は自分からどんどん提案しています。個人発で提案できるチャンスがあるのは張り合いになります」
 また、松浦課長は社内の互助会「東和会」の役員でもあり、バーベキューや屋形船での納涼会などのイベントを企画し開催している。様々な交流の場が社員同士の絆を深めることに寄与していると松浦課長は実感している。
 2年ほど前からは残業時間の削減にも着手。社員によって異なっていた業務量を平均化し、全員で仕事を共有できる体制づくりを進めている。

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経理や総務、採用などを兼務する藤島さん(左)。後輩の指導などにも熱が入る

実習や座学のほか生産プロセス研修も実施

 同社は人材育成に関しても精力的に取り組んでおり、溶接や塗装といった仕事に必要なスキルを学ぶ研修をしっかりと用意している。更に退職したベテランを再雇用し、後輩に教育を施す役目を担ってもらう試みも行っており、スムーズに技術伝承が実践できていると中条社長は言う。
 ユニークな研修として、世の中の動きを知るため、各界の有識者を講師として招いている。
 「例えば『貿易戦争がなぜ起こっているのか』と考えたとき、その背景を理解していないとトラックの荷台を売るにしても、間違った戦略を打ちかねません。世相を知るのは、仕事を円滑に進めるために重要だからこそ、世界情勢を学ぶような研修を行っています」(中条社長)
 総務部の一員として経理や人材採用のほか、人材育成にも携わっている入社5年目の藤島さんは、新人研修の更なる充実化に取り組んでいる。
 「今年度の新人研修では1カ月間、工場で全員が生産プロセスを学びました。従業員が少ない中小企業だけに一人ひとりの力を高めていくことが大切。責任感を持って仕事に取り組める人材を育てていきたいです」

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女性社員も技術を磨き活躍している

ここがポイント!働くやりがい!

『TOYOBODY』のロゴが身近な街を走る喜び
 東京近郊では『TOYOBODY』のロゴが貼られているトラックが、日々街中を走っている。生活の身近な場面で活躍するトラックに、生産・管理などのカタチで関わることができる点が、社員たちのモチベーションとなっているという。更に、自動運転やIoT、電動化といった新しい波がトラック業界にも押し寄せる中で、新技術に対して真正面から向き合い、現代の物流社会の一端を支えていくという使命感がやりがいにつながっている。

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中条社長は「社員が高い意識で働ける場を提供していきたい」と話す

●第18号 (2019年9月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
株式会社東洋ボデー
設立・創業年
設立年 1963年4月
資本金
4,800万円
代表者名
代表取締役社長 中条 充啓
従業員数
119名(内、女性従業員数7名)
所在地
208-0023 東京都武蔵村山市伊奈平2-42-1
TEL
042-560-2111