オリジナル装置で社会インフラの安全を守り、子育て世代に優しい在宅勤務も推進する
<3つの特徴>
●独自開発の装置でインフラの劣化を診断
●先輩から後輩へしっかりと技術を伝える社風
●在宅勤務を積極導入し女性の力を生かす
顧客の要望に応えて独自に検査装置を開発
社会を支える重要なインフラである、橋、道路、トンネル、ダム等は、万が一に備えたメンテナンスが欠かせない。地震などの災害や、長い間風雨にさらされれば、傷みが生じて劣化も進むため、定期的な検査が必要となる。ウオールナットは、こうした大型構造物を壊すことなく欠陥や劣化の状況を調べる検査を得意としている。レーダーやレーザー、赤外線、超音波、光波などの技術を駆使して、壁の裏側に隠れているわずかな亀裂や崩落の兆しを突き止めることで、社会の安全に貢献している。
同様のサービスを展開する企業はあるが、同社の特徴は検査装置を自前で作る技術者集団だという点にある。
「お客様の要望に応えられるような装置を独自に開発しています。自動車の後部キャリアにレーダー装置を据え付け、走行しながら地下の様子を探査できる装置や、カメラを搭載した検査装置に浮きを付けて、ダムの水路内の様子を検査する装置も開発しました。これこそ当社の強みだと考えています」と齋藤代表は胸を張る。
装置開発は、困難な場所の検査が可能になるばかりか、別のメリットもある。装置を使用するのは舗装された場所とは限らないため、その場に応じて調整する必要があり、そこで同社の特徴が発揮されるという。
「調査には開発に当たったスタッフも同行しますから、センサーの位置の調整や故障にも対応できます。自分たちで開発しているからこそ、正確かつ効率的に作業できるのです」(齋藤代表)
同社はこれまでに何度も災害調査に関わってきた。一つは設立して間もない1995年に発生した阪神・淡路大震災。現地の道路や橋梁、トンネルなどの調査を担当した。そして、2011年の東日本大震災でも同社の社員が調査に参加した。
人々の生活を支えるインフラを守るという誇りを胸に、社員たちは日々汗を流している。
丁寧に後輩に教える文化 資格取得費用も支援
全ての装置を自社オリジナルで開発しているだけに、その操作方法にも独自のノウハウがある。そのため、同社には先輩から後輩にきめ細かくスキルを伝える文化が根付いているという。
入社3年目、企画営業グループで現地調査などを担当する山本さんは、先輩から手厚いフォローがあったと話す。
「最初はぎこちない手つきで装置を操作していたと思いますが、一つひとつ根気よく教えてくれました。中には、地形を見ただけで『この辺りに地下空洞がある』と危険個所を見抜く人もいます。私もさらに経験を積んでそうなりたいです」
入社5年目、企画営業グループで事務を担当する井上さんも、先輩の指導のおかげで成長できたと話す。
「入社するまで業務知識はほとんどありませんでしたが、先輩に一から丁寧に教えてもらい、今では滞りなく事務の仕事をこなせるようになりました」
その他、同社では業務に必要となる資格取得や外部セミナーの受講などに掛かる費用を会社が負担するなどして、社員の成長をバックアップしている。
10年前から在宅勤務を導入 各自に合わせた働き方を実現
「当社は女性の力に支えられています」と齋藤代表。社員の約3分の1は女性で、主に現場で収集してきたデータを解析し、報告書としてまとめる業務で活躍している。子育てや介護などで出社が難しい社員には、在宅勤務用のパソコンが貸与され、自宅で作業できるような体制を整えている。
「働き方改革の必要性が大きく叫ばれるようになりましたが、在宅勤務も時差出勤も当社は10年前から導入して、社員それぞれの家庭の事情に合わせた働き方ができる環境を実現してきました」(齋藤代表)
その他、ユニークな福利厚生施設として社内にマッサージ室があるという。専属のマッサージ師が常駐し、仕事で疲れたり、体の不調を感じたときには、休憩時間に利用できるとあって社員からも好評という。
社会のために誇りをもって働くことができ、プライベートも充実できる、同社にはそのような環境がある。
代表からメッセージ
冒険心旺盛で最先端技術を持った人 外からは見えないものを見るのが当社の仕事です。調査担当は地下や水路、ときには山深くに踏み込んでいきますし、全国いろいろな場所が仕事場になります。旅が好き、あるいは、見たことのないものを見てみたいという冒険心旺盛な人には、ぴったりの仕事だと思います。近年はAIやドローンを活用して、より高度な探査に力を入れていこうと準備していますので、そうした最先端技術を学んだ人の力も求めています。学んだ知識や技術を生かして社会に貢献できれば、大きなやりがいになるのではないでしょうか。
●第22号 (2020年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。