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有限会社山本鉄工

有限会社山本鉄工 技術を磨き続け50年、切削加工の精度は1/10000度、1/1000ミリ

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技術を磨き続け50年、切削加工の精度は1/10000度、1/1000ミリ

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技術を磨き続け50年、切削加工の精度は1/10000度、1/1000ミリ

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50年に渡る技術探求ストーリー
技術を磨き続け50年、切削加工の精度は1/10000度、1/1000ミリ

 NC旋盤やマシニングセンタを駆使し、ネジやシャフトの高精度な切削加工で群を抜く山本鉄工。半世紀に渡る新技術へのたゆまぬ挑戦記を紐解く。

磨き上げた技術と知識があってこそ、機械は本領を発揮する

 金属素材から溝や穴を緻密に削り出し、ネジやシャフトなどの機械部品を精製する切削加工。かつては、削る位置や角度、深さ、寸法などの調整はすべて手仕事であり、加工精度は熟練技術者の腕に頼るところが大きかった。それも今では昔の話。コンピュータ制御機能を備えた工作機械が次々と開発・導入され、素材を回転させ入力された数値通りに刃が動き切削するNC旋盤、面を削ったり、穴を開けたり種類の違う工具の交換まで自動で行い入力された数値通りに切削するマシニングセンタなどによって、オートマチックに、高精度かつスピーディに切削加工を行えるようになった。
 これも時代の趨勢、熟練工の技は求められなくなると思いきや、コンピュータ制御装置を自社工場にいち早く導入してきた山本鉄工の創業者・山本清会長は、「そんな簡単なことではないんですよ」と、柔和な表情で切り出した。
 「機械のパフォーマンスを最大限に発揮させるためには、機械を操る技術者の加工に関する深い理解が欠かせません。図面を読み解く力、加工手順を立体的に捉える力、工具を選び抜く力、それらにコンピュータ制御の知識が合わさってこそ、機械に最適な手順で最適な数値をプログラミングでき、高精度な加工に結びつけることができるからです」
 この言葉には、会長の長年に渡る技術への挑戦と、そこに裏打ちされた自信と誇りが滲んでいる。75歳にして今も現役の会長は、中学を卒業後、職業訓練生として大手電機メーカーの門戸をくぐった。15歳の少年が機械加工の現場に立ち、技術と理論を貪欲に吸収していったのだ。当時をさらりと振り返る会長だが、そこには今の時代からは計り知れぬ苦労もあったに違いない。しかし、そこで重ねた経験が会長の技術者としての原点であり、たたき上げの技術を礎に弱冠25歳にして山本鉄工を創業した。1968年のことだった。

body1-1.jpg「井の中の蛙にならず、視野を広げ、新しいことに果敢に挑むことが大切です」と若者にエールを贈る山本清会長

“うちだからこそできる”というオンリーワンの技術を追求

 創業はまさしくゼロからのスタート。自ら経営・営業・製造のすべてを兼任し、営業に邁進という覚悟した上の船出であった。ところがいきなりの追い風に恵まれた。大手機械メーカーに勤める親戚の紹介で産業機械メーカーから直接の受注を得られたのだ。技術をアピールできるチャンスだった。高品質と納期厳守によって信頼を厚くし、他社が匙を投げるほど難易度の高い緻密な部品加工にも果敢に挑み続けた。
 「どんなに難しい加工であっても、外注には頼りませんでした。安易な価格勝負にも巻き込まれないよう、“うちだからこそできる”という当社固有の技術を磨くんだという信念があったからです。このスタンスは今も変わりません」
 こうした会長の技術への探求心は、やがて当時まだ黎明期だったコンピュータ制御技術に向けられ、将来を見据えて数千万円もの資金を投じ、1986年には4軸同時制御のマシニングセンタ、91年にはNC旋盤を次々と導入していった。
 「うち規模の会社でこれらを導入したところは、ほとんどありませんでした。当時の私を突き動かしたのは、やはり技術者として“もっと精度を高めたい”という思い。ただ、導入から半年間は苦労の連続でしたよ。機械メーカーの担当者に手ほどきを受けても、いざ自社従業員達で操作すると思い通りに動かない。しかし、長年培ってきた技術は裏切らないものです。プログラミングが手に馴染んできてからは、図面から頭に浮かび上がる段取りを機械に反映できるようになり、加工精度が面白いように高レベルで安定して、スピードも向上しました。新たな武器が備わったことで『こんな加工もできませんか?』と、依頼の幅が広がっていったんです」

body2-1.jpg5軸マシニングセンタでは、複雑な部品加工の試作・検討が日々行われている

親子二代に渡って新技術・新装置の導入に挑む

 そんな会長のもとに新たな参謀が加わった。会長の子息であり、現社長を担う山本一徳さんだ。社長は工業大学卒業後、大手製鉄所構内で機械加工製作品の製造工程の管理全般を約7年経験し、2000年、満を持して山本鉄工に入社。いち技術者として会長から直に技術を吸収し、地道に加工技術を磨き上げていった。そして入社8年目、社長は、マシニングセンタの最先端である5軸マシニングセンタの導入に乗り出した。
 「3次元の座標軸X・Y・Zに回転軸を加えた4軸で素材と刃の動きを制御するのが4軸マシニングセンタです。そこに傾斜軸の動きを加え、5軸同時の制御を可能とするのが5軸マシニングセンタ。これによって工程数がさらに省かれ、より複雑かつ立体的な切削加工が可能になりました。ただし、言うは易し。これを操るには、加工全般の知識・技術はもちろん、3次元CADや数学、コンピュータ制御の知識まで広く求められ、一筋縄ではいきません。私が5軸の習得に費やしたのは1年以上。試作と失敗を重ねる日々は、正直きつかったですね(笑)」
 その努力は実り、今や5軸マシニングセンタは同社最大の稼ぎ頭として活躍。「5軸でこの加工も何とか頼みます」という顧客の要望を受け止め、1/10000度という想像を絶する精度で切削角度を調整し、円筒の曲面に滑らかな溝を施すという他では困難な加工も実現。その完成部品の数々は、親子二代に渡って新技術の導入に挑み、高精度を追求してきた結晶である。

body3-1.jpg2010年から代表取締役として経営を担う山本一徳さん。今も工場で精力的にマシニングセンタを操る

探求の面白さを味わいながら、2人の背中を追い続ける日々

 会長と社長は、ともに現在も営業の最前線に立ち、顧客と顔を突き合わせながら図面や工程、納期の検討を重ねる一方で技術者として現場にも立ち続けている。そんなリーダーのもとで技術の研鑽に励んでいるのが、26歳の技術者・鈴木浩太さんだ。
 鈴木さんは、入社後の2年間、会長と社長の手ほどきを受けながら、コンピュータ制御機能を搭載していない工作機械で加工技術を磨いたという。会長と社長が口を揃えて説いたのがアナログの重要性。手仕事を通じて“技術者の基盤”を固め、3年目以降はNC旋盤を担当している。
 「装置に取り付ける工具は一つひとつが緻密に異なり、取り付ける刃の向きによっても仕上がりが微細に違ってきます。その判断の軸となるのが、実は汎用機の技術なんです。NC旋盤を扱うようになってから、あらためて最初の2年間で学んだことの重要性を痛感しました」
 NC旋盤を担当後、数々の失敗も重ねてきたという鈴木さんだが、その都度、社長は「失敗をしないとわからないからな」と、一緒に原因を探り、次につながるアドバイスをしてくれたという。
 「それほど奥深いからこそ、探求する面白さがあり、1/1000ミリ単位の高精度を出せた時の達成感は格別です。でも、私の技術はまだまだ。周りの先輩たちは図面からスラスラと段取りを導き出し、仕事が早くて正確。そんな技術者になることが私の目標です」
 そうやって経験を重ねるごとに先輩たちの凄さを実感するという鈴木さん。「会長も社長も先陣を切って現場仕事に取り組んでいますので、自分も“よし、頑張ろう”といつも気合が入るんです」と、2人の背中を追い続ける日々の充実感と手応えを語ってくれた。

body4-1.jpg就職活動中に工場を見学した際、緻密な加工に衝撃を受け、同社への入社を決意したという鈴木浩太さん

編集部メモ

環境変化にも技術力で打ち勝ってきた歩み


 同社は創業からまもなく50周年。高度成長期の波に乗り躍進、80年代後半には積極的な設備投資を行い、受注を増やしていった。しかし、91年にバブル景気が崩壊すると製造業界も大打撃を受けた。メーカー各社が軒並み製造規模を縮小させ、数々の部品メーカーが事業存続を断念せざるを得ない状況に陥った。そんな中でも存続してこられたのは「顧客に恵まれたから」だと会長は語る。
「 当社が長年取引するプラスチックブロー成形機メーカーの株式会社タハラ様は、当時の厳しい景況のなかでも攻めの姿勢を貫き続けたんです。新素材の容器を製造できる装置を新たに開発するんだと。当社はそこに技術を注ぎ込み、顧客とともに需要を生み出すことで、苦境を跳ね返すことができたんです」
 単に顧客に恵まれただけではなく、新たな技術に柔軟に対応する姿勢が、環境変化にも揺るがない、同社の力強い歩みにつながっていったのだろう。

edit-1.jpg技術力の高さと次世代への技術継承が称えられ、2016年には「江戸川区産業賞 技術功績表彰」が贈られた
  • 社名:有限会社山本鉄工
  • 設立年・創業年:設立年 1968年
  • 資本金:2,500万円
  • 代表者名:代表取締役 山本一徳
  • 従業員数:8名(内、女性従業員数2名)
  • 所在地:134-0081 東京都江戸川区北葛西2-26-27
  • TEL:03-3687-2424
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