<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社 アリミノ

株式会社 アリミノ ヘアカラーなど、日本初のヘア化粧品をいくつも世に送り出す<br>美容師に寄り添い、こだわりに応えるため約800種類もの頭髪・肌用化粧品を提供。美容業界の発展に貢献しようと、学生向けヘアデザインコンテストも開催

株式会社 アリミノ

ヘアカラーなど、日本初のヘア化粧品をいくつも世に送り出す
美容師に寄り添い、こだわりに応えるため約800種類もの頭髪・肌用化粧品を提供。美容業界の発展に貢献しようと、学生向けヘアデザインコンテストも開催

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輝く技術 光る企業

株式会社 アリミノ

ヘアカラーなど、日本初のヘア化粧品をいくつも世に送り出す 美容師に寄り添い、こだわりに応えるため約800種類もの頭髪・肌用化粧品を提供。美容業界の発展に貢献しようと、学生向けヘアデザインコンテストも開催

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  • 社名:株式会社 アリミノ
  • 設立年月:1950年3月(創業:1946年3月)
  • 資本金:4,000万円
  • 従業員数:318名(2014年12月末日現在)
  • 代表者:代表取締役社長 田尾大介
  • 社員平均年齢:38.8歳
  • 主な勤務地:札幌、仙台、埼玉、東京、金沢、名古屋、大阪、福岡
  • 休日:土日祝(第1土曜出社月あり)、夏季休暇、冬季休暇、創立記念日 年間休日124日
  • 本社所在地:東京都新宿区下落合1-5-22
  • 電話番号:03-3363-8211
  • 公式HP:http://www.arimino.co.jp/
  • ・美容師なら誰もが知っているヘアコスメティックブランド
  • ・ヘアカラーだけで4ブランド。164色を用意しているブランドもある
  • ・美容師のため、美容業界のためにできることを
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業種

ヘアカラー製品、パーマ製品、ヘアスタイリング製品、ヘアケア製品、スキンケア製品など、頭髪および肌用化粧品の製造・販売(すべて美容室向けの専用品)

事業紹介

私たちアリミノはかつて“髪には国籍がある。日本人のアリミノヘア化粧品。”と提唱したことがあります。

当時、日本のヘア美容界は一般的に海外志向が顕著でした。そんな時代にアリミノは日本そのものに目を向け、それを自らのアイデンティティとしたのです。

あれから20余年あらゆる領域でグローバル化、ボーダレス化が進行し、金髪の日本人さえ登場するに至りました。このような環境の変化の中で、私たちは日本生まれということにずっとこだわりつづ けています。それは単に日本人の髪の質にあったものとか、肌の色を考えてというようなことではなく、日本人が育んできた、資質、感性を発揮して、製品づくりや技術の開発に役立てていこうということです。

いまグローバリゼーションの時代を迎えて、私たちアリミノが何を目指すべきなのか、何を自らのアイデンティティとするのか、そのよりどころとして私たちは日本という環境により一層深い思いをこめていきたいと思っています。

【事業内容】 美容師なら誰もが知っているヘアコスメティックブランド

あなたが行きつけにしている美容室。その店内に並んでいるシャンプー、スタイリング剤、ヘアカラー、パーマ液、ヘアケア用品などのラベルを見てみよう。製造元のところに「アリミノ」と書かれているかもしれない。 創業68年目を迎えたアリミノは、美容室向けの頭髪・肌用化粧品を年間約1500万本も製造。特にパーマ関連の化粧品では3割以上のシェアを持つ。美容師なら、誰もが知っているブランドだ。 中でも、パーマ液やヘアスプレー、ヘアカラー、トリートメントフォームなどは、同社が日本で初めて開発した製品。日本初の製品を相次いで発売してきたことから、業界内では「新しいことに意欲的に挑戦する会社」と評価されている。

04.jpg 製品容器のデザインにもこだわり、差別化を図る

【独自戦略】 ヘアカラーだけで4ブランド。164色を用意しているブランドもある

美容師には職人気質で、使う道具にこだわる人が多い。同じ美容室で働いていても、使う道具が違うというのはよくある話だ。 そうした美容師のこだわりに応えようと、アリミノは約800種類もの頭髪・肌用化粧品を提供。ヘアカラー剤だけで4つのブランドを持ち、164色を用意しているブランドもある。 それだけ多種多様な製品を提供できるようにするため、同社が徹底しているのは、美容師の声にいち早く耳を傾けること。営業担当者が美容師1人1人と親密な関係を築き、きめ細やかに希望を聞き出してくる。そうして集めてきた情報を参考にして製品を開発し、多品種でも効率的に量産できるように製造方法についても日々改善を重ねている。

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【プロジェクト】 美容師のため、美容業界のためにできることを

アリミノに入社すると、シャンプーの実技などを教わる研修を受け、美容室で2週間ほどの実務に当たるインターンシップを経験することになる。それも、美容師の考えをより深く理解し、美容師が求めることを実感できるようになってもらうためだ。 また同社は、美容師志望の学生が技術を競うヘアデザインコンテストも開催している。2014年で11回目を迎え、各学校を代表する学生の人数が200人以上にもなる大規模な大会。上位入賞者には、ロンドンの有名美容室への視察研修旅行に参加できる権利を提供している。 そのような取り組みをするのも、業界全体の発展こそが自社の成長につながると考えるから。常に美容師のため、美容業界のためにできることを探している。

07.jpg アリミノが開催するヘアデザインコンテスト、
フューチャーズロード「デザインパワー」の光景

社長メッセージ
後悔しない生き方ができるように、日々の仕事に「精一杯」取り組んで

代表取締役社長
田尾 大介さん
――美容師志望の学生向けコンテストを開くなどの取り組みを始めた理由を教えてください。 私たちは創業68年を迎えているわけですが、創業からしばらくは順調に成長を続けていた時期もあれば、逆境に立ち向かわなくてはならない時期もありました。 そんな苦しいときに、当社を助けてくださったのが美容師の皆さんです。美容師の皆さんと一緒になって美容室向けに絞って製品を開発・製造するようにした結果、事業を安定して成長させられるようになり、ここまで事業を続けることができました。 そのおかげで、今のアリミノがあるわけです。そのときの恩を返さなくてはいけない。美容業界の発展に貢献したい。そんな思いがあって、学生向けのヘアデザインコンテストや21世紀の美容室ビジネスについて考える研究会を主催するなど、さまざまな取り組みを進めています。 2年後に創業70周年を迎えることになります。それを1つのきっかけとして、今よりももっと新しいことに挑戦していきたいと考えています。 1つには、アジア各国にもアリミノの製品を広げていく計画を立てています。海外に進出していく上で、当社の製品は「ジャパンクオリティ」を名乗っても恥ずかしくない品質になっているか、もう1度見つめ直して改善していく必要があるでしょう。 もう1つ、今以上に美容業界のために貢献できる会社になりたいですね。少子化が続く日本では、これから若い人が美容師になって働くとしたら、昔よりもずっと苦労することになるでしょう。そんな難しい状況でも、「美容師として働きたい」と思ってくれる若者を1人でも増やすため、充実した人生を歩めるように当社が支援できる体制を整えていきたいのです。 若い皆さんには「精一杯」という言葉を大切にしてほしいですね。 人生で過ごすことができる時間には限りがあって、1日1日、残された時間は減っていくわけです。けれど、若いうちから「時間には限りがある」と言われても、実感を持てないでしょう。 その代わり、日々の仕事に「精一杯」取り組んでみてはいかがでしょうか。自然と行動が改善されるようになり、年を重ねていつか「時間には限りがある」と気付けたとき、それまでの人生のことを後悔しない生き方ができるようになるはずです。 また、若いころから「時間には限りがある」と理解するのが難しいのと同様に、学生のうちに人生をかけられる仕事を見つけたり、自分に合う会社と出会ったりすることは、なかなか難しいことだと思います。 そんな難しさと向き合った結果、「アリミノに入って働こう」と選んでくれた社員には、充実した社会人生活を送ってもらいたいと願っています。 当社としてはそのために、それぞれの年代でやりがいのある仕事ができて、主体性を持って働ける組織づくりを進めています。入社してすぐに自分のやりたい仕事に挑戦できて、退職するときには「この会社に入ってよかった」と思ってもらえるような会社にしていきたいですね。

09.jpg 代表取締役社長 田尾 大介さん

先輩メッセージ
工具の名前も分からなかったが、自分なりに成長し、会社に貢献する改善提案もできた

充填包装課 係長
大嶋さん
――どのような理由からこの会社で働きたいと思うようになったのでしょうか。 毎日使うシャンプーやトリートメント、スタイリング剤に興味があり、「どのように作られているのか」と製造方法を知りたいと思うようになりました。特に美容師が使う製品は香りや手触りなどが一般向けの製品と違っていて、いつも美容室に行くとちょっと贅沢をした気分になれました。 そんな製品を自分も作ってみたい、ひょっとすると作り方の秘密が分かると自分自身の美容にも役立つかもしれないという思惑もあって(笑)、当社を志望しました。 今は、工場内に11ある製造ラインのうちの1つ、牛乳パックのような紙製の容器にパーマ液を充填するラインを担当しています。 機械や工具についてまったく知識がない状態で入社しましたから、始めのころは苦労しました。工具の名前も分からなかったので「モンキー(レンチ)を取って」と頼まれても反応できず、ねじを「の」の字に回すと締まることさえ知りませんでした。 それが今では、機械を調整する作業なども任されるようになっています。私が調整した機械が順調に動いていると、やりがいを感じるほどですね。自分なりに成長できたと思います。 また、改善提案することで、会社に貢献できるようにもなってきました。例えば、担当していた充填包装ラインにおいて、容器を充填機からコンベアに移動させるところで問題が起きていることに気が付きました。製品原液が充填された製品は、充填機から下にあるコンベアに落下させるのですが、狙いどおり落下しないことがあったのです。容器が損傷して不良品になってしまうこともあり、会社にとって損失になっていました。 そこで私は、充填機からコンベアに落とすところに「ななめの板」を取り付けて、板の上を滑らせてコンベアに移してはどうかと提案しました。その提案が採用されて以来、その工程で不良品が発生することはなくなっています。 優しい社員が多いところです。人の温かさを感じられる職場だと実感しています。 感情的になって怒鳴ったり、頭ごなしに叱ったりする人もいません。新入社員からも「仕事を丁寧に教えてもらえるし、先輩の皆さんも優しくとても働きやすい」と言ってもらえるのでうれしいですね。 他にも、私には2人の子供がいるのですが、急に体調を崩したときなどは、看病のために私も会社を休ませてもらうことになります。そんなときも、快く「子供たちのために休みなさい」と受け入れていただけるところにも感謝しています。 目標をしっかり持って、専門知識を深めていくことが大切だと思います。資格を取得する、技術を習得するなど、手に職を付けて、どこの会社でも通用する人材になってください。

10.jpg 充填包装課 係長 大嶋さん
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先輩メッセージ
質問したら聞いたこと以上のことを教えてくれる。とても居心地がいい職場

調合課
平野さん ――この会社に入社したきっかけを教えてください。
もともとモノづくりが好きで、製造関係の仕事に就きたいと考えていました。また学生時代の行きつけの美容室が、アリミノの製品を使っていたのですが、他社のシャンプーやヘアワックスと比べて、使い心地や仕上がりがよかったのです。特にヘアワックスは、自由に髪形を整えることができて、気に入っていました。 それで「自分もこれらの製品を作ってみたい」と思うようになり、当社の選考を受けてみることにしました。工場見学したときには製造設備の大きさに圧倒されて、「かっこいい」とも感じましたね。ますますこの会社で働いてみたくなりました。 入社して2年目になりますが、主にシャンプーやカラー剤などを調合する工程を任されています。 調合釜の中に数種類の原料を入れ、加熱して混ぜ合わせていきます。原料によって溶ける温度が違いますから、数種類の原料がどれも溶け残らないようにした上で、均一に混ぜるところが難しいですね。 また当社は扱っている製品が非常に多く、午前中はシャンプー、午後からはカラー剤を混ぜ合わせることもよくあります。時には同じ調合釜を使って別の製品を作ることもあり、そんなときには前の製品の材料が残らないように、調合釜を入念に洗うことを心掛けています。 また、取り扱い製品が多いことで、苦労している点もあります。製品ごとに使用する原料が違いますから、各原料の特徴を踏まえ、加工方法を工夫していかなくてはいけません。 そのような苦労を乗り越えて、自分なりに仕事のコツをつかんできましたが、まだまだ先輩と比べると至らないところが多いです。無駄な動きを少しでも減らして、短い時間で作業が完了するように、先輩のやり方を参考にしてもっと上達していきたいです。 シャンプーやカラー剤を決められた配合で正確に混ぜ合わせていく シャンプーやカラー剤を決められた配合で 正確に混ぜ合わせていく やはり、自分の作った製品が実際に美容室に並んでいるところを目にできるところですね。働くようになって、一番うれしく感じたのはそこです。 また、とても居心地がいい職場だとも思います。上司や先輩はみんな、親しく接してくれます。分からないところがあって質問するときにも、「それについては、ここも気を付けた方がいいよ」と聞いたこと以上のことを教えてくれます。「ずっとこの会社で働きたい」と思える環境ですね。 今はシャンプーとカラー剤のみを担当していますが、今後はそれ以外の製品も作れるようになっていきたいです。 そのためには、まずは正確に作業できるようになって、先輩たちから信頼されることが必要です。信頼されるようになれば、新しい仕事をどんどん任せてもらえると思いますから。 就職して社会人になると、自由になる時間が限られてきます。勉強も遊びも、学生のころほど自由にできなくなってきます。学生でいるうちに、勉強も遊びも一生懸命やっておいてください。 あとは、できれば将来やりたいことを早めに明確にしておいてほしいです。やりたいことを実現するために勉強するようになれば、本気度が違ってきます。目標なしで勉強するよりも、ずっと成長できるはずですよ。 注)掲載している情報は、取材日(2014年11月)時点のものです。

11.jpg 調合課 平野さん
12.jpg シャンプーやカラー剤を決められた配合で
正確に混ぜ合わせていく