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武州工業 株式会社

武州工業 株式会社 自動車用パイプを自在に曲げ加工。成長が見込める医療用パイプ加工にも着手<br>他社にはまねできない1個流し生産を実現。技術を守り、雇用を生むため、国内生産にこだわり抜く

武州工業 株式会社

自動車用パイプを自在に曲げ加工。成長が見込める医療用パイプ加工にも着手
他社にはまねできない1個流し生産を実現。技術を守り、雇用を生むため、国内生産にこだわり抜く

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輝く技術 光る企業

武州工業 株式会社

自動車用パイプを自在に曲げ加工。成長が見込める医療用パイプ加工にも着手 他社にはまねできない1個流し生産を実現。技術を守り、雇用を生むため、国内生産にこだわり抜く

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  • 社名:武州工業 株式会社
  • 設立年月:1952年
  • 資本金:4000万円
  • 従業員数:男115人 女35人 合計150人
  • 代表者:代表取締役 林 英夫
  • 社員平均年齢:35歳
  • 初任給:202,360円
  • 主な勤務地:東京都青梅市末広町1-2-3
    青梅線小作駅から徒歩8分
  • 休日:年間カレンダーによる
    週休2日制 有(完全)
    有給 有
    6ヶ月後10日
    最高6年6ヶ月後 20日
  • 本社所在地:東京都青梅市末広町1-2-3
  • 電話番号:0428-31-0167
  • 公式HP:http://busyu.co.jp/
  • ・自動車用パイプの曲げ半径を小さく抑え、3次元の複雑な形状も自在に加工
  • ・「1個流し」という独自の生産体制で、新興国にも負けない価格を実現
  • ・1人で全工程を任されるやりがい。離職者はほぼゼロ、友人に入社を勧める社員も
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事業紹介

【パイプ曲げ加工】 自社開発の設備、治具を使って、月産800種類/40万本のパイプ曲げ加工を行っています。
トラック、特殊車両、自動車等に使用する吸気系、ヒーター用のパイプが中心です。


【パイプ曲げコスト削減のご提案】
パイプ部品の試作開発時/小ロット生産時のトータルコストの低減/短納期にご協力致します。
パイプ加工のことなら武州工業にお任せください。


【板金加工】
トラック、建設機械、特殊車両の自動車部品を製造しています。
4kwレーザー、三次元レーザー、ロボット溶接等の設備と技術者の高い技術力で確かな製品をお届けします。


【1個流し生産】
武州工業のモノづくりを支える「1個流し生産」。
1個流し生産とは、一人の技術者が多能工として、材料の調達から加工、品質管理、納期管理まで一貫して行っています。
技術者一人ひとりが製品に対して責任の所在を明確化した生産体制です。この1個流し生産を応用してパイプ曲げ加工、板金加工を行っています。

何を作ってる?

武州工業が主に手掛けているのは、パイプの曲げ加工。自動車のエンジンと熱交換器をつなぐパイプなどを作っている。 最近は自動車の小型化に伴い、部品も小型化・省スペース化が求められている。部品と部品の合間をぬうように走るパイプは複雑な形状となり、曲げる個所の半径を小さく抑えないと場所を取ってしまう。武州工業は曲げ半径を小さく抑えることに関しては世界有数の技術力を持ち、2次元の曲げはもちろん、3次元形状の複雑な曲げまで自在に加工できる。 主力は自動車用だが、最近では医療用パイプ製造の伸びが顕著。大手メーカーからの相談を受け、足掛け5年にわたり研究開発し、他社にはまねできない内視鏡手術用器具の部品を完成させた。 医療用パイプは今後の出荷数増大が見込まれているが、それだけの出荷数に対応できる企業は武州工業以外に見つからず、費用も大きく抑えることができると大手メーカーからは喜ばれている。

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04.jpg 自動車用から医療用までのパイプを加工

会社の強み

多くの製造業が拠点を海外にシフトさせる中、武州工業では技術を守り、雇用を生むため、国内生産を守り抜こうとしている。新興国が格安の人件費で安く製品を加工・製造する中、メイド・イン・ジャパンの同社が国際競争力を保てているのは「1個流し」と呼ばれる独自の生産体制があるからだ。 通常の部品生産では、大型の製造装置を用い、分業制で製造する。しかしこの方法では広大な敷地や高価な装置が必要となり、費用がかさむ。装置を購入した元を早く取ろうと稼働時間を増やせば、光熱費や人件費も増えて、さらに費用を押し上げる悪循環に陥ってしまう。 一方、1個流しでは、1人の技術者が一つの部品加工において工程の最初から最後まで担当する。作業者を中心にミニ設備や小型治具を円形に配置することで移動時間をなくし、少量多品種の部品を驚くほど早く加工できるようにした。ミニ設備はそれほど高くなく、電気代もさほど掛からない。そうして十分な価格競争力を維持しているのだ。

05.jpg 1個流しの生産現場。
ほぼ移動せず、すべての作業が完結する

職場としての魅力

1個流し生産では、全工程を自分1人に任される責任感から大きなやりがいが生まれる。自分1人で納期や品質を管理し、成果を確認する「一人親方」のような感覚を持つことができる。 もちろん、一人親方と言っても孤立無援というわけではない。任せるに足る技術が培われるまでは、OJTをはじめとした研修でしっかり学習できるし、失敗しても先輩がフォローしてくれる。加えてノルマも課されていない。極端に言えば、マイペースで働くか、一生懸命働いてたくさん加工するかは本人の自由だ。 ただし、同社には受注から納品までを48時間以内に完了させるという決まりがある。一人親方の自由と責任の重さ、それをどう感じるかは人それぞれ。だが、同社には「48時間以内に間に合わせよう」と自発的にがんばる社員ばかりだ。 確かに時には辛い経験もするが、それ以上に自主性に任せてもらえるやりがいがある。同社の離職率は極めて低く、友人に入社を勧める社員もいる。その事実が同社の魅力を物語っている。

06.jpg アルミを溶接するロウ付け加工。
熟練工しかできな技術だが、
武州工業の社員は若手のうちに
全員が習得する技術だ

社長メッセージ
人を雇用するのは「私がすべき仕事を手伝ってもらう」ため。だからノルマは課さない

代表取締役
林英夫さん
――1個流し生産が貴社の強みと伺いました。導入されたのはいつごろですか。 1987年に初めてのラインを作りました。今では大小合わせて50ライン程度あります。1個流しの生産効率が良いことは、製造業界ではよく知られていますが、実際に導入している企業は少ないと思います。 ミニ設備や治具を用意できず、1個流しを実現できていないようです。当社では自社内で各種治具を生産しており、案件や作業者に合わせて改良を加えているので、より効率化が図れています。 本来、私1人でやるべき仕事ができないから、人を雇用して手伝ってもらっているというのが私の考えなのです。社員にノルマを課すのは、私自身に課すのと同じ。だからノルマは課しません。 でもみんな、自分の仕事が遅れたら、取引先や同僚に大きな迷惑を与えることを知っています。だから強い責任感を持って、作業に当たってくれているのです。受注から納品までを48時間以内にきっちりと終えて、納期を守ってくれています。 売上や費用について、できるだけ情報を開示していますので、自分の成果や会社への貢献度が実感しやすい会社になっているのではないでしょうか。医療用のパイプ加工など、新しい市場も開拓していますので、当社でさまざまなモノづくりに触れてもらいたいですね。

07.jpg 代表取締役 林英夫さん

先輩メッセージ
経験に関係なく、自分の発言や提案が受け入れられる土壌がある

技術部
池田さん
――池田さんが武州工業へ入社されたきっかけを教えてください。 本当は経理の仕事がしたかったので、経理でも採用予定のあった当社に興味を持ちました。 それが企業案内を見ているうちに、1個流しに興味を持つようになったのです。自動車の部品を自分の手で製造できることにも素直に「すごい」と思いました。 それで経理の仕事は製造を経験してからでも遅くないと考えるようになり、武州工業への入社を決めました。 最初はやはり難しいと感じました。見ているだけでは技術は覚えられないし、やってみてもすぐに上手くいくわけではありません。でも、やればやるほど上達していくのが自分でも分かりますし、そこにモノづくりの面白さを感じるようになりました。 私の技術力は未熟なのですが、そんな私の意見であっても受け止めてくれる土壌があることです。 自分の発言や提案に耳を傾けてもらえることで充実感が得られますし、自分の発言が誤りだったとしても、それを正してもらえるので自分のためになります。 実際、私が感じたことを意見してみたら、現場で採用してもらえたこともあります。 ある製品作りにおいて、プレス加工の後にレーザーカットする工程を、逆にしてはどうかと提案しました。レーザーカットしてからプレス加工した方が短い時間で加工できるのではないかと感じていたのです。 それが実際に採用されたところ、1カ月当たり20万円も費用を抑えることができるようになりました。その話を聞いた時には、本当にうれしかったですね。 現在、医療関連の製品作りに携わっていますが、まだ完成形には至っていません。より品質を高めていきたいと思っています。 そしていずれは、入社前の念願だった経理の仕事も経験してみたいですね。 企業説明会などでいろいろな会社を見て、ぜひ自分の力を活かせる職場を見つけてください。

08.jpg 技術部 池田さん

先輩メッセージ
自分の失敗を帳消しにしてくれた先輩の技術と優しさに感動

製造部1班
内野さん
――どのような経緯で武州工業への入社を決められたのですか。 私は工業高校の出身で、きっかけは武州工業の求人票を見たことでした。ホームページで調べてみたところ、物を曲げたり、型を取ったり、それを組み立てたりと、私にとって興味の持てる仕事が紹介されていました。 ただの鉄板を加工していくことで、プラモデルみたいに形作っていく仕事をしてみたいと以前から思っていましたので、当社への入社を決めました。 最初は先輩の手伝いをしながら、部品を洗浄したり、溶接の補助をしたりしていました。その後、板金やプレス、パイプの加工などに携わり、現在はさまざまな部署を横断的に支援するような仕事をしています。 さまざまな部署を経験することで、いろいろな機械を操作できるので、とても楽しいですね。ルーティンで決まった仕事をやっているわけではないのでとても気を遣うのですが、やりがいを感じています。 まだ駆け出しのころ、私の不注意から設計と異なる部分を切断してしまったことがありました。 通常なら工程不良品として廃棄するところを、先輩が助けてくれまして、まるで失敗がなかったかのように修復してくれたのです。その技術に感服するとともに、失敗を帳消しにしてくれた先輩の優しさに感動しました。 現在は班の垣根を越えてさまざまな部署の作業にかかわっています。できれば会社内のすべての作業に携われる技術力やノウハウを身に付けたいですね。 頭を鍛えるのもいいけれど、社会に出たら体力勝負になります。今のうちに、身体も鍛えておいた方がいいですよ。

09.jpg 製造部1班 内野さん