<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社 大和テクノシステムズ

株式会社 大和テクノシステムズ 未来を担う最先端技術の要<br>ナノテクノロジーの発展を支える“超微細加工”のパーツメーカー

株式会社 大和テクノシステムズ

未来を担う最先端技術の要
ナノテクノロジーの発展を支える“超微細加工”のパーツメーカー

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輝く技術 光る企業

株式会社 大和テクノシステムズ

未来を担う最先端技術の要 ナノテクノロジーの発展を支える“超微細加工”のパーツメーカー

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  • 社名:株式会社 大和テクノシステムズ
  • 設立年月:1967年4月4日
  • 資本金:5010万円
  • 従業員数:37名
  • 代表者:渡邊 正範
  • 所在地:

    【本社・営業所/研究所】
    東京都町田市玉川学園4-24-24 〒194-0041
    TEL:042-723-1211(代) FAX:042-725-2094
    【水戸営業所】
    茨城県水戸市城南2-5-45ユニゾン城南第1ビル103
    TEL:029-303-1011(代) FAX:029-233-7300

  • 公式HP:http://www.daiwatechno.co.jp/
  • 世界各国で使用されている電子顕微鏡、その重要部品には大和テクノシステムズの製品が数多く使われています。もはや同社の技術無くしてはナノテクノロジーの発展はありえないといっても過言ではないかもしれません。そんな同社の独自技術とノウハウから、ユニークな人材教育までを幅広く伺いました。
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業種

精密機器部品の設計、製造、販売

事業紹介

電子顕微鏡、半導体評価装置、半導体露光装置及び質量分析装置など、理科学機器装置業界の特殊パーツ加工販売と装置類の保守メンテナンス事業

世界に通じる技術力について
日本で100%、世界で70%のシェアを誇るフィラメントとアパーチャープレート

弊社では、電子顕微鏡や半導体検査装置の心臓部となるフィラメントやアパーチャープレートなどの設計開発や特殊加工を主にしています。電子顕微鏡は観察する物体に電子を当てて、そのデータを画像にするのですが、「フィラメント」というのは物体に電子ビームを当てる熱電子源です。そしてその熱電子源から出てくる二次電子ビームを収束させて絞り込む薄い金属板が「アパーチャープレート」で、カメラの絞りと同じ要領で画像をさらに鮮明に映し出す役目を担っています。この二つが存在して初めて電子顕微鏡として成り立ち、ナノの世界を目にすることができるのです。今日の半導体や機械加工、医療や食品などの最先端産業の発展においては、ナノレベルの画像が見られないことには何も始まりません。そういう意味で、弊社はナノテクノロジーの発展において重大な役割を担っているといえます。

daiwa_tech_ph01.jpg 佐藤 洋さん 代表取締役

転機は、極小3ミクロンの穴加工の実現!

ナノテクノロジーが進化するにつれ、“電子顕微鏡でもっと鮮明に画像を見たい”というニーズが高まりました。それには、電子ビームを絞り込むアパーチャープレートの穴をもっと小さくして、分解能を高くする必要がありました。最初は20ミクロンの穴だったものを、それ以下にしてほしいと要求されるようになったのです。そこで、弊社は市販の装置を改造し、あらゆる試行錯誤を重ねることで、世界最小の2ミクロンの穴加工に成功したのです。それが弊社にとって大きな転機となりました。

さらに付加価値を付けて、プライベートブランドの確立

2ミクロンという穴加工に成功したものの、ただ小さい穴を開ければそれで終わりということではありません。穴を開けた際に付くゴミ(レジスト)が残っていると、電子ビームが帯電するので画像が乱れてしまうのです。ですので、鮮明な画像を映し出すためにはゴミを取り除かないといけない。そこで弊社はレジストを取り除く独自の洗浄技術を開発して特許を取得しました。さらに、そういったレジストを含む、返りバリまでをきれいに取り除く仕上げ技術を開発し、弊社の独自ノウハウとして他社と差別化を図りました。 また、洗浄しても、使っているうちに穴の内壁にレジストなどの不純物が付着して不具合を引き起こします。それを完全になくすため開発したのがオスミウムコート。これはアパーチャープレートを洗浄したところに、さらにオスミウムというレアメタルの金属を穴の内壁までコーティングし、不純物を付きにくくするものです。この開発の成功により、メンテナンス頻度の低下(年1回程度)、製品寿命の延長という付加価値も生まれ、運用時のランニングコスト低減を実現することができました。 こうして他社製品に対して明らかな優位性を持つプライベートブランドの製品を作ることができたのです。このオスミウムコートは、洗浄技術と併せて、容易に追随されないために特許を取得したことで、弊社の大きな武器となっています。

daiwa_tech_ph02.jpg 大和テクノシステムズ 独自のノウハウと
技術力がつまっている“アパーチャープ
レート” 技術が企業を支えるという、日本
のもの作りの 本質がうかがい知れる。

「脱・下請け」から「世界制覇」へ!

私達の製造業界は、大企業がほんの一握りで、97%が下請けの中小企業という構造です。大企業からのコストダウンの要請に応えなければ、すぐに他に仕事を回されてしまうというのが現実です。そういった中、弊社が価格競争に飲み込まれずにいられたのは、顧客から「こういうものが欲しい」という依頼が来た時に、技術力を背景に顧客の立場に立った「提案」ができ、それが顧客に評価されてきたことと、“独自のノウハウ”と“プライベートブランド”を持っていたことに他なりません。 弊社は、今後もQCD(Quality高い品質、 Cost納得いくコスト、 Delivery早い納期)を大前提に、顧客満足度100%を目指し、世界シェア100%を目標に挑戦し続けます。

求めている学生像、社員への教育・研修方法
会社にとって必要なのは「どこに行っても通用する人間」

弊社では、“より少ない人数でより多くのものをカバーしあい、共有のノウハウを持って社会に貢献する”『士魂商才』を経営理念に掲げています。どんな専攻科目を学んできたかという事よりも、やる気があること、どこへ行っても通用する人間であることが大事です。 与えられたものをこなすだけでなく、能動的にマルチな仕事をこなそうとする“やる気”は全てにおいての大前提。さらには、公式文章などを書く際の文章力は必要ですし、コミュニケーション能力、物事の考え方といったような、人としての高いスキルが必要になります。 ただ、はじめから全てができるスーパーマンなどいませんので、企業が人材を育てていく事が大切だと考えます。会社は、社員が成長するためのシーズを提供するのです。弊社の人材教育の一例としては、毎日社員に日報を書くことを義務づけています。日報には一日の仕事や、時には相談事が書かれている時もあるのですが、それを社長の私が全員分目を通して返事を書いて返すのです。そういったコミュニケーションを通じて直接教育をし、人としてのスキルアップを図ります。企業風土というのは、そういった彼らが独自の色をつけていくものだと思います。

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