<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社 エリオニクス

株式会社 エリオニクス 2008勇気ある経営大賞に輝く企業が未来の技術者に望むこと<br>レベルもシェアも世界一、 最先端ナノテク技術のオンリーワン企業

株式会社 エリオニクス

2008勇気ある経営大賞に輝く企業が未来の技術者に望むこと
レベルもシェアも世界一、 最先端ナノテク技術のオンリーワン企業

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輝く技術 光る企業

株式会社 エリオニクス

2008勇気ある経営大賞に輝く企業が未来の技術者に望むこと レベルもシェアも世界一、 最先端ナノテク技術のオンリーワン企業

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  • 社名:株式会社 エリオニクス
  • 設立年月:1975年3月4日
  • 資本金:2億7000万円
  • 従業員数:101名
  • 代表者:代表取締役会長 岡林 徹行
    代表取締役社長 七野 実
  • 本社所在地:東京都八王子市元横山町3-7-6 〒192-0063
  • 公式HP:http://www.elionix.co.jp/
  • 他者の追随を許さない“5ナノ”の技術で世界をリードする株式会社エリオニクス。それを可能にした人材の育成と、若手の積極的な登用にスポットをあててお話を伺いました。
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業種

精密機器

事業紹介

電子・イオン等の粒子線、および光・X線等の電磁波に関する技術を応用した各種機器・システムの研究・開発・設計・製造・販売・技術提供・輸出入・ 保守サービス等。

世界に通じる技術力について
挑戦し続ける企業姿勢が今日の技術力に繋がる

弊社は、昨年「勇気ある経営大賞」を頂きました。決して大きな組織ではありませんが、最先端ナノテクノロジー市場に照準を絞り、主力製品である電子ビーム描画装置では、世界で最も微細な5ナノメートルの描画を実現。世界一のシェアを占める企業へと成長できました。あくなき挑戦を続ける若手技術者が着実に育っている社風を誇りに思っております。 弊社の設立は、1975年です。第一次オイルショック後の不況時に、大企業の枠から飛び出した技術者7人が集まって、半導体関連の開発・製造をスタートしました。幸い順調に事業は拡大しましたがバブル崩壊とともに経営危機に陥り、この状況を打開するためには大手の注文に左右されることのない、技術者が本当に欲しがるものが必要と判断。50ナノが限界とされていたナノテクの世界で、10ナノ以下の加工を施す機械装置の開発を目指したのです。

初めから無理だと思っていたら実現はできない。

不況の中だからこそ、並みの装置ではダメです。挑戦しなくてはならないのです。試行錯誤ののちに10ナノの描画装置は完成しました。微細加工は、素材・IT・バイオなど幅広い分野で求められていたこともあり、都内の大学からすぐに注文が舞い込み、その後も大学や研究所からの注文が相次ぐという成功を収めました。これに傲ることなく研究開発は継続させ、5ナノの微細加工を平成16年に成功させました。 現在、世界中の大学や研究所から求められ、国内シェア80%、海外シェア50%を占めておりますが、さらにDNAの1/2にあたる、1ナノへの挑戦を続けています。

求めている学生像、社員への教育・研修方法
“企業は人なり”いかに若い人材を育てるかを重要視!

当社では、入社2〜3年で能力を必要とする仕事をどんどん与えています。それがスキルアップに繋がり、さらに自分のスキルが会社に役立っていると感じることにも繋がります。中堅以上の社員は、経験や蓄積から失敗を繰り返させないようバックアップし、ときには突破口のヒントを与えながら若手を見守っています。それは会社として積極的に取り組んでいる1ヶ月のインターンシップでも同様です。学生に現場の工程に入ってもらい、装置作りや周りの雰囲気・ものづくりの姿勢を学んでもらっています。 技術部門の教育・研修を担当するうえで学生に望むのは、細分化した専門知識以上に電気、機械、物理、情報それぞれの基礎をしっかりと身につけることです。最先端の技術や知識は、真剣勝負の現場でいくらでも磨けますが、ものづくりにつきものの問題解決能力は、しっかりとした基礎があってこそ身につくものだからです。

elio_ph02.jpg 岡林 徹行さん
開発技術部担当取締役 1977年入社(取材当時のもの)

目標を高く掲げて、キャリアを積むことを目指して欲しい

就職とは、言葉通り“職”に就くことですが、条件やブランドで会社を選ぶ“就社”や、合わなかったら転職すればよいという近年の風潮には、危うさを感じます。なぜなら、画期的なアイディアは20代に生まれ、そのためには5年ぐらいの経験が必要だからです。技術者を目指す学生には、10年は続けるという意志で仕事に就き、30代前半までに達成感のある本当にいい仕事をして自信を持ってほしいですね。すべての仕事は自信によって支えられ、さらに難しいテーマに取り組む原動力となるのです。 キャリアを積むとは、いろんな職種を渡り歩くことではなく、自信が持てる仕事を積み重ねることなのです。一生をかけるに足る分野を見つけて目標を高く掲げ、たゆまぬ努力を続けることを望みます。

学生時代には基礎学力・基礎体力を養うべき

最先端の技術を駆使して世の中にない製品を作るということは、広くて深くて難しいです。大学で学んだことがどう役に立つのか、入社後に使ってみて初めて分かったこともたくさんあります。ひとつの分野にとらわれることなく、振動や熱、システムを作る上での制御工学など、さまざまな集積が装置になるため、いろんな分野のことを知らなければならないことも身にしみました。 例えば、電子線描画装置をnmオーダーで制御するためには、振動、磁場、熱、電源安定性など多くのパラメータがあり、装置の調整時には想定外の不具合がいろいろ出てきます。限られた時間のなかでそれらを突き詰めていくプロセスが一番苦労します。そして、苦労の末に解決できたときが、技術者としての喜びをかみしめる瞬間です。 弊社は、若手に重要な仕事をどんどん任せてくれるので、学んだことを発揮できる場は存分にあります。だから、学生時代は、就職後に寝食を忘れて没頭できる知識と体力をしっかりと身につけてきてください。

elio_ph03.jpg 雨宮 弘直さん
開発技術本部 2003年入社