<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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エクセン 株式会社

エクセン 株式会社 「小さくても世界一」。コンクリート工事に不可欠な振動機器のトップ企業<br>コンクリートの圧縮強度を1.4~2倍にも強くする振動機器で国内シェア7割。建設機械以外の分野にも振動技術活用の製品を展開

エクセン 株式会社

「小さくても世界一」。コンクリート工事に不可欠な振動機器のトップ企業
コンクリートの圧縮強度を1.4~2倍にも強くする振動機器で国内シェア7割。建設機械以外の分野にも振動技術活用の製品を展開

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輝く技術 光る企業

エクセン 株式会社

「小さくても世界一」。コンクリート工事に不可欠な振動機器のトップ企業 コンクリートの圧縮強度を1.4~2倍にも強くする振動機器で国内シェア7割。建設機械以外の分野にも振動技術活用の製品を展開

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  • 社名:エクセン 株式会社
  • 設立年月:1949年5月(創業:1915年8月)
  • 資本金:8750万円
  • 従業員数:170名(2013年4月現在)
  • 代表者:代表取締役社長 林 秀一
  • 社員平均年齢:40歳(2013年4月現在)
  • 初任給:210,000円
  • 主な勤務地:東京、埼玉、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡
  • 休日:年間117日(土日祝日、一部土曜出勤有り、夏・冬休暇含む。その他  有給休暇、特別休暇有り)
  • 本社所在地:東京都港区浜松町1-17-13
  • 電話番号:03-3434-8454
  • 公式HP:http://www.exen.co.jp/
  • ・生コンを均質化させるバイブレーターが主力製品
  • ・「100年もつコンクリート作りのお手伝い」が企業理念、研究開発に力を入れる
  • ・「社員が納得して働く会社」、隠しごとなく働ける職場づくり
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業種

コンクリートバイブレータをはじめとする、建設機械や一般産業機械、各関連機器の研究、開発、設計、製造、販売、コンサルテーション、輸出入。

事業紹介

当社は、建設機械の一種である「コンクリートバイブレータ(コンクリート振動機)の製造・販売」を主たる事業とし、さらに、その他建設機械、産業用機械の製造・販売ならびに仕入商品の販売、それに付帯する修理・アフターサビ-スを扱っています。

【コンクリートバイブレータ】
固まる前のコンクリ-ト“生コン”はセメント、水、砂、砂利を混合、攪拌したものですが、まさに生き物と言えます。丁寧に打設し、コンクリートバイブレータで気泡を抜き去り、締め固めて養生させるという工程の繰り返しにより、強く美しいコンクリ-ト構造物が出来上がります。街中でコンクリ-トミキサー車が止まっていて、「ウィーン」という音が工事現場から聞こえてくれば、この機械が使用されています。

【ノッカ-】
その名の通り、粉粒体の貯蔵設備を「ノックする」機械です。叩くことによる振動を貯蔵庫内の内容物に与え、“詰まり”を解消します。清潔さが求められる食品業界や焼却灰の貯蔵設備まで様々な用途で用いられています。技術的にもトップクラスであり、「振動応用技術のエクセン」の看板機械の一つです。
エクセンは社会にお役に立つ機械を、一生懸命に作っている会社です!

何を作ってる?

土木でも建築でも構造物となるコンクリートは、セメント・水・砂利・砂を混ぜて作られたもの。工事現場で型枠の中に流し込んだ直後は、実はまだ混ざり合いに抵抗していたり、不要な空気の泡が含まれていたりしている。 そのまま固まると壊れやすい部分ができてしまうため、コンクリートを流し込む際には必ず「振動締固め」という工程が入る。バイブレーターという専用の装置を使ってコンクリートに振動を与え、砂利・砂・セメントペーストを流動化させて均質にし、不要な空気を抜く。締固めをすることで、コンクリートの強度は1.4~2倍にもなる。 このコンクリートバイブレーターのメーカーとして知られるのがエクセンだ。同社は大正時代に日本で初めて同製品を開発。現在は市場シェアの7割ほどを占めている。 さらに同社は建設機械としての堅牢さと振動を発生させる技術を生かし、産業機械の分野にも進出中だ。「化粧品の容器の中のクリームから泡を抜く」「サイロの中で固まってしまった小麦粉を振動させて排出する」など、さまざまな用途で同社製品が使われるようになってきている。

03.jpg コンクリートバイブレーターだけでも、
さまざまな種類の製品を製造

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会社の強み

「100年もつコンクリート作りのお手伝い」をすることが、エクセンの掲げる使命。そのために研究開発に力を入れ、社員の1割以上に当たる18人が開発部に所属。新たな製品・技術を生み出そうと努めている。 「より耐久性に優れたコンクリートを作るにはどうすればいいか」とコンクリート工学を専門とする大学の研究室と共同研究に取り組むこともあれば、「トンネルのコンクリートをもっといい物に作れるよう、知恵を貸してくれ」と相談を受けて新たな製品の研究に乗り出すこともある。 製品・技術を強くするために、研究開発への投資は惜しまない。30年もの昔に、当時最先端の3次元設計ができる設備を整えようと、2億円もするコンピュ-タシステムをためらいもなく導入したこともある。 今も研究開発はもちろん、製造や在庫管理の分野でも最先端の設備を積極的に導入。コンピュータ制御で目的のパレットを取り出せる全自動倉庫システムなど、会社を強くするために必要なものには積極的に投資している。

05.jpg 倉庫の管理を効率化する全自動倉庫システム

職場としての魅力

エクセン3代目の林秀一代表取締役社長が大事にしているのは「社員が納得して働ける会社にすること」。会社の決算内容はすべての社員に開示。林社長自身、できるだけ現場に足を運び、社員やお客様と直接話をするように努めている。 また、どの部門に配属される社員であれ、少なくとも1年間は製造現場で機械加工や組立ての経験を積ませている。 「部品の加工方法、組み立て方、あるいは壊れ方。そういったことが分かっていないと技術部門の戦力になれません。どんな設計なら加工しやすいか、強度は十分かが分からないと一人前の設計はできませんから。 また設計図面は試作段階から開発部だけでなく、製造担当者も確認できるように3次元データを共有しています。開発担当と製造担当が議論を交わすわけです。製造部門から『こんな設計ではだめだ』と批判が出ることもありますが、率直に意見を言い合える環境が職場を活性化していると思います」(林社長)

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社長メッセージ
「小さくても世界一」と自負。国土・社会の発展に役立つ仕事に誇り

代表取締役社長
林 秀一さん ――今後の展望について伺えないでしょうか。
当社は、2015年9月に創業100周年を迎えます。「コンクリートから人へ」という時代から「国土強靭化」の時代へと転換しましたので、国内のコンクリートバイブレーターの需要は、平行線で推移していくはずです。一方、品質・価格・納期などに対する要求は、厳しさを増していくことでしょう。 このような状況下で当社は、1台~数百台のどんなご注文であっても、きめ細かく対応していこうと考えています。そのために、顧客情報、生産工程、在庫管理、そして納品後のサービスまでを一元管理できるように生産管理システムなどを構築してきました。今後も効率的な多品種少量の生産体制を一層強化していく方針です。 当社は、「建設機械としてのバイブレーターメーカー」にとどまるつもりはありません。コンクリートバイブレーターで培った「揺さぶる技術」を生かして、建設機械以外の産業用分野に向けた製品開発に注力していきます。建設会社や大学などとの共同研究にも力を入れていくつもりですし、海外市場にも進出していきたいと考えています。 私たちは「100年もつコンクリート作りのお手伝い」をする「小さくても技術は世界一」のメーカーと自負しています。当社の製品は、国土・社会の発展に不可欠なものです。この仕事に誇りを持っています。 当社の職場は、「一部品として働く」のではなく、「自分の仕事を100%自分の責任でやる」環境にしたいと思います。自身の発想力・想像力を思う存分発揮する。従って、学力だけが自慢の学生よりも、自分がやりたい目標を持って「私は学生時代、こんなことをやってきました」と胸を張って主張できる元気な人材を採用したいですね。 ただ、そうは言っても「自分はこれを仕事にする」と決め、そのために勉強をすることは必要です。ある高等専門学校でバイブレータの特別講義をしていたことがありますが、大学工学部を卒業した人よりも、「自分はモノづくりの道に進む」と中学生ながらに決めて、高等専門学校に進み専門的な勉強をしている学生の方が、社会に出てから役に立つ勉強をしているなぁという印象があります。 大学工学部の卒業者でも、スパナ1つを正しく使えない人もいます。自分が設計して、自分が加工して、自分が組み立てた製品が世の中のお役に立つ。これこそがモノづくりの楽しさです。製造業への就職をお考えなら、まずは自分で機械を触る。そこが「勉強」のスタートだと思っていただきたいのです。

07.jpg 代表取締役社長 林 秀一さん

先輩メッセージ
幅広く探してみれば、知名度は高くなくても、キラリと光る企業が見つかるはず

開発部 主任開発員 係長
猪又さん
――どのような縁があって、エクセンに入社したのでしょう。 大学では機械について専攻していました。「専門を生かして、機械関係のメーカーに就職して、製品開発を仕事にしたい」と思い、開発職で人材募集している企業を探しました。 エクセンを見つけたのは、大学で求人情報を調べていたときのことです。エクセンの主力製品はコンクリートバイブレーター。どのような製品か知らなかったのでよく調べてみると、土木工事に欠かせない製品であって、エクセンはこの分野ではトップメーカーだということを知りました。 それで興味を持ち、会社見学に参加しました。社内を見させていただくと、コンクリートバイブレーター以外にもさまざまな製品を作っていました。「これは面白い会社だな」と思いました。 他にも、歴史が長いメーカーであることにも魅力を感じました。実際に働いていますと、私が生まれるはるか前に作成された古い手書きの図面が保管されていて、驚かされることもあります。 製品開発はまず「どんな製品にするか」と構想して、それから試作品の設計をし、実際に製作してみるという流れになります。 私にとっては、最初の構想を練るところが一番面白いですね。自分の頭の中にある考えを図面にして、その図面から実際の製品ができあがってくるなんて、技術者としては心躍る瞬間だと思います。 少し前には電源・バッテリーを必要としない手押しの「エコスイーパー」という掃除機を開発しました。何年もかけて開発した製品になるのですが、その製品があるコンビニから大量発注いただいたのです。街中のコンビニに行くと、その製品が使われている光景を目にすることもあります。鹿児島の方では、火山灰の回収に役立ち、重宝されていると伺いました。 自分の開発した製品が社会の役に立っている。そう感じられる仕事に、技術者としての醍醐味を感じます。 社員同士の仲はいいですね。年長の先輩社員と若手社員との隔たりもなく、あまり年齢を気にせず、気軽に話ができる雰囲気です。 また、設計・開発の担当者が「研究に必要だから、これが欲しい」と申請すれば、だいたい要望を承認してもらえます。研究設備については、かなり充実していると思いますね。私も過去に120万円もする加速度や歪みを計測する装置を購入してもらったことがあります。 コンクリートバイブレーターなどの主力製品の設計・開発にはある程度関わってきましたが、当社の製品にはまだまだ私が関わったことのない製品がたくさんあります。そうした未経験の製品についても、設計・開発に携わって経験を積んでいきたいです。 そしていつか、私が当社の次の主力製品になり得るような新製品を開発できればいいなと思っています。 設計・開発の仕事で働いていると、さまざまな企業の製品・部品を知る機会がたくさんあります。すると、一般には名前が知られていないような企業でも、非常に高精度な部品を作っていたり、業界の中ではとても有名な企業だったりということがよくあることに気付かされました。 これから就職活動を始める学生の方々にも、そういった「世間での知名度はないけれど、優れたところを持つ企業」に目を向けてみてほしいですね。 幅広く企業を探してみれば、知名度は高くなくても、キラリと光るものを持つ企業が見つかるはずです。

08.jpg 開発部 主任開発員 係長 猪又さん
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先輩メッセージ
改善提案をするときはいつも不安だが、上手くいったときにはとても充実感がある

草加工場 機械加工課 2チーム担当
宍戸さん
――どんなきっかけがあって、エクセンのことを知ったのでしょうか。 大学で開かれた合同説明会に参加したことがきっかけでした。参加した企業の中にエクセンがありまして、モノづくり企業で100年近い歴史があると伺いました。 「働くならモノづくり企業がいい」と思っていましたので、興味を持って説明を聞きにいきました。会社説明は社員同士のやり取りがとても親しめる内容で、社員の方々の人柄のよさが伝わってきて、「この会社で働きたい」と思うようになりましたね。 機械加工課に所属しています。入社してからまずは半年間、組み立ての工程を経験し、続いての半年間は、機械加工の実地研修を受けました。「加工前にどうやって段取りするのか」「加工用のプログラムを作成するにはどうすればいいのか」といった機械加工の基礎を学びました。 現在は入社2年目になりまして、コンクリートバイブレーターの部品を中心に、いろいろな部品を機械加工しています。 仕事中は常に「より早く、より高精度に加工するにはどうすればいいか」と考えるようにしています。先日は製品をつくる材料を変えてはどうかと改善提案し、生産効率を上げることに成功しました。 どのような提案だったかというと、以前はある部品を削りにくい材料を削って作っていましたが、部品を20~30本も加工すると工具が欠けてしまい、その都度、工具を変えなければなりませんでした。そこで部品の強度を保ちつつ削りやすい材料に置き換えられないかと試してみたところ、1本当たり9分ほど加工にかかっていたのが7分半に短縮できたのです。さらに工具が数十本程度の加工では壊れなくなったことで、夜間に工作機械を自動運転させることができるようになりました。以前は途中で問題が起こってしまうため、担当者が近くにいないと加工できなかったのです。加工時間短縮と夜間運転のおかげで、今では1日に以前の4~5倍の本数を加工できるようになりましたね。 そのように何かを変える提案をしたとき、実は「上手くいくかどうか」と内心はいつも不安です。けれど、上司や先輩から勇気付けてもらいながら、実際にやってみて、思ったとおりに上手く改善できたときには、とても大きな充実感を得ることができます。 上司や同僚と気軽に話をすることができて、悩むような課題が出てきたときには、みんなで知恵を出し合って解決しようとする職場です。 社員全員の仕事に対する意識の高さも魅力です。「より早く、より品質のいいものを組み立てるにはどうすればいいか」と1人1人が意識して仕事に取り組んでいます。 また私は今、ひとり暮らしをしていますが部屋を安く借りることができる会社の制度があって、非常に助かっていますね。 機械加工課で働くようになってまだ日が浅いので、まずは経験を積むことだと思います。誰もが「あまりやりたくない」と思うような難しい加工にも積極的に挑戦して、少しでも早く経験と技術を習得したいです。 そうして自分自身が成長していくことで周囲から認められ、いつか後輩や部下から「困ったときは宍戸さんに聞けば大丈夫だ」と頼られるような人材になりたいですね。 「これしかない」と目標を1つに定めて就職先を考えるのも悪くありませんが、もし選考の結果、不合格になってしまっても、そこで落ち込まず、挑戦することをあきらめないでください。 視野を広げてみると、違う道、別の企業の中にも魅力があることに気が付くはずです。1つの目標にこだわり過ぎず、何度失敗しても絶対にあきらめないで挑戦することを続けていってください。 注)掲載している情報は、取材日(2013年12月)時点のものです。

10.jpg 草加工場 機械加工課 2チーム担当 宍戸さん
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