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株式会社 ヒキフネ

株式会社 ヒキフネ 長い歴史で培った土台と斬新な発想力<br>77年の歴史はダテじゃない!常に時代を先駆けてきためっき技術者集団

株式会社 ヒキフネ

長い歴史で培った土台と斬新な発想力
77年の歴史はダテじゃない!常に時代を先駆けてきためっき技術者集団

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輝く技術 光る企業

株式会社 ヒキフネ

長い歴史で培った土台と斬新な発想力 77年の歴史はダテじゃない!常に時代を先駆けてきためっき技術者集団

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  • 社名:株式会社 ヒキフネ
  • 設立年月:1950年(昭和25年)
  • 資本金:2,400万円
  • 代表者:石川 英孝
  • 所在地:【本社】東京都墨田区向島4-30-13
    TEL:03(3696)1981(代)
    FAX:03(3696)4511
  • 公式HP:http://www.hikifune.com/
  • 工芸品のめっきから始まり、服飾、建築、デジタル製品と、新しい業種のニーズに常に対応し続けているめっき会社・株式会社ヒキフネ。「生き残るにはカメレオンでなくてはならない」と幹部が語るほどの柔軟なフットワークが魅力だ。若手社員にも大きなチャンスが与えられているヒキフネについて紹介する。
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業種

装飾めっき、電子機器、通信機器、精密電子部品などの微細めっき、材料調達、加工、処理

事業紹介

「口紅からロケットまで」「伝統と最先端技術の融合」をモットーにあらゆるニーズに対応した表面処理を有します。また、加工のみならず金型からの一貫生産ソリューションの提案で低コスト、高品質のもの創りを考えていきます。
環境やアレルギー対策に適合したクロムフリーめっきやニッケルフリーめっき、又は次世代を担う各種複合めっきで差別化を図ります。

モノ作りに興味のあった私が見つけた最先端のめっき技術会社

株式会社ヒキフネは、昭和7年創業という長い歴史をもち、100名ほどの社員の他に30名ほどのパートが働いている。平均年齢は32歳と若く、ナイジェリア人など外国人スタッフもいて活気あふれる会社だ。 ヒキフネには、精密装飾めっきの「第一工場」、機能めっきの「ヒキフネ技研」、ファインプレーティングなどを手がける「第三工場」がある。ヒキフネから旅立つめっき製品は、携帯電話やデジタルカメラ、ブランド品の装飾など、誰もがきっと目にしたことのある製品にも数多く使われている。 「当社はただ単にめっきをつくっている企業ではありません。複数のめっきの色を組み合わせるハイプレートや、10〜15ミクロンのめっきをセンチ単位まで厚くする肉盛電鋳など、技術で勝負できる会社だと自負しています。また、カメラ部品などに用いられる3価クロムめっきは、「3価クロムめっきならヒキフネ!」と言っていただけるほど厚い信頼をいただいています」と話す同社専務取締役の石川英孝さん。 「実は、光ファイバーに金めっきを施す技術もヒキフネから生まれました。糸のように細くて通電性のないガラスに、剥がれないように密着しためっきを施すのはとても難しいものです。しかし、このようにめっき加工された光ファイバーはハンダ付け性が高く、海底に沈められるような長距離で交換がしづらいものにはとても適しているのです。昨年ごろから急激に需要が高まり、現在では光通信市場の7〜8割を供給しています」(石川さん)。

hikifune_ph01.jpg 石川 英孝専務

スクール通いで実力アップ!今では一工場の品質管理を任されています

ヒキフネは、創業70年を超える企業で歴史がある一方、その歴史に縛られず、若手にどんどんとチャンスをくれる企業でもある。 「私は入社後から検査員として働いていましたが、入社3年目に上司からの薦めでめっき学校に通わせてもらうことになりました。火曜日と金曜日の午後はスクールで専門的な知識や技術を学んで、1年間の受講によって2級めっき技能士や内部監査員などのさまざまな資格を取得できました。こういうふうに、会社にバックアップしてもらえるのは従業員みんながやる気になるので、今後もこの制度は続けてもらいたいですね」と話すのは山田恭子さん。 山田さんが現在所属するのは品質保証部。出荷前の試験や再確認を行うという、お客様との信頼関係を保つ重要な部署だ。 そんな山田さんが任されているのはグループ会社のヒキフネ技研がつくる製品すべての品質保証。 「工場全体の管理なので責任が大きく、夜遅くまで働くこともありますが、自分の関わる製品には私の魂や心を込めているので、それがみなさんの生活に役立っているのがやりがいですね」と山田さんは話す。 若手ながらも持ち前のハキハキした性格で頼られている山田さんの今後の課題は「ヒキフネに新しく入社する人たちを教育すること」。そして、彼女自身もこれからもたくさん勉強して、みんなで切磋琢磨し成長し続けていきたいと強い気持ちを語ってくれた。

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ユニークな経歴をもつ同僚が世界初の技術開発に挑戦中です!

2008年入社
FP部 平野 岳史さん
新しい仲間たちの力が、ヒキフネの技術をさらに高度なものへと引き上げている。入社2年目の平野岳史さんは、鉄鋼業や別のメッキ会社でのキャリアの他、板前さんやミュージシャンの経歴も持つユニークな人だ。 平野さんはFP部の製造係として、先ほどご紹介した光ファイバーの金メッキの技術担当。光ファイバーには1本だけの単針と、8本や24本などのファイバーが合わさった多芯がある。多芯ファイバーのメッキ加工は今まですべて手作業で行われていたが、平野さんが主力となって、機械によるフルオートメーション化を目指している。これが実現すれば、世界初の技術がまたひとつヒキフネから誕生することになる。平野さんはこう語る。 「高校時代は化学や数学が苦手分野でしたが、自分にとって難しいからこそいつか挑戦したいという気持ちがありました。実際に今の仕事では『難しいからこそ楽しい!』というやりがいを実感しています。光ファイバーの金メッキは普段の生活では目に見えないけれど、情報通信において不可欠な存在。そういう仕事に携わっている自分を誇らしく思います。」

hikifune_ph03.jpg FP部 平野 岳史さん
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「勇気ある経営大賞」などヒキフネは受賞歴もスゴイ!

「ヒキフネは歴史があるだけでなく、数々の賞に輝いている会社でもあります。2009年1月には葛飾ブランド『葛飾町工場物語』の認定を、10月には『第7回勇気ある経営大賞』の優秀賞を、そして2007年には石川進造会長が『第2回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞』を受賞するなど、私たち従業員にとっても、誇りや励みとなるたくさんの栄誉を受けています」と語る石川専務。 そんなヒキフネの来期の目標はヒキフネを『ブランド化』することだという。 「現在のヒキフネが多くの方々に認められているのは、創業当時からオリジナル性を重視して、常に時代より早く動いてきたからこそ。その精神を忘れることなく、『ヒキフネブランド』をこれから築いていきたい」(石川専務)。 そこでヒキフネが世界に先駆ける製品を生み出すのに必要なのは、新しい発想を持った人材。採用活動には非常に力を入れており、2009年も8人の新入社員を迎えた。 「これからも奇抜なアイディアを持った若い人たちとの出会いを楽しみにしています」と石川専務は話を締めくくった。 長い歴史で培った土台と斬新な発想力。その両方を兼ね備えたヒキフネは、今後もモノづくり業界で注目されていくだろう。

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先輩インタビュー

2000年入社
品質保証部 山田 恭子さん
私自身は入社後から検査員として働いていましたが、入社3年目に上司からの薦めでめっき学校に通わせてもらうことになりました。そして、1年間の受講によって2級めっき技能士や内部監査員などのさまざまな資格を取得できました。 現在は「品質保証部」に所属して、出荷前の試験や再確認を行っています。工場1つの品質保証を丸ごと任せてもらっているので責任が大きく、夜遅くまで働くこともありますが、自分の関わる製品には私の魂や心を込めているので、それがみなさんの生活に役立っているのが嬉しいです。 これからの課題は、ヒキフネに新しく入社する人たちを教育することかなと考えています。「目にするものはすべて教科書」と自分に言い聞かせ、日々勉強して成長し続けていきたいです。

hikifune_ph07.jpg 2009年入社
品質保証部 山田 恭子さん

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