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マイクロニクス 株式会社

マイクロニクス 株式会社 マイクロ波関連技術を用いて「世の中にない製品」を生み出す<br>電波関連の規制やETCなどの新技術がもたらす“変化”を見逃さず、世の中になく世界で売れる製品を考える

マイクロニクス 株式会社

マイクロ波関連技術を用いて「世の中にない製品」を生み出す
電波関連の規制やETCなどの新技術がもたらす“変化”を見逃さず、世の中になく世界で売れる製品を考える

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輝く技術 光る企業

マイクロニクス 株式会社

マイクロ波関連技術を用いて「世の中にない製品」を生み出す 電波関連の規制やETCなどの新技術がもたらす“変化”を見逃さず、世の中になく世界で売れる製品を考える

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  • 社名:マイクロニクス 株式会社
  • 設立年月:1986年1月
  • 資本金:3000万円
  • 従業員数:23名
  • 代表者:代表取締役社長 田仲 克彰
  • 社員平均年齢:34才
  • 初任給:215,100円(大卒/技術)
  • 主な勤務地:東京都八王子市小比企町2987-2
  • 休日:土日祝日、夏季・冬季休暇、有給休暇
  • 本社所在地:東京都八王子市小比企町2987-2
  • 電話番号:042-637-3667
  • 公式HP:http://www.micronix-jp.com/
  • ・携帯型のスペアナ、ETC/DSRCの試験システムなど、独自製品を開発
  • ・環境を変えることでアイデアを生み、特注品から今後の技術動向を予測する
  • ・社長に依存せず、営業・生産・開発の各部署が自立的に機能する組織
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業種

スペクトラムアナライザ、EMC試験システム、シールドボックスなどの計測機器メーカーとして、マイクロニクスは世界に向けて計測機器や高周波関連機器を提供しています。

事業紹介

マイクロニクスは、マイクロ波までのアナログ技術、信号処理のデジタル技術を得意とする先端技術指向の開発型企業です。 電子計測器を技術と営業の柱とし、さらに情報通信機器・環境関連機器の開発および製造・販売をしています。 社員の平均年齢は34才。 現役世代の中心的な年齢層が幅広く活躍しており、活気に溢れた新しいタイプの企業です。

また、国内代理店網の他、2011年現在全世界19社の協力代理店を設けて営業展開をしており、「MICRONIX」は全世界に通用するブランドにまで成長いたしました。


技術の最先端を行く企業の一員となり、共にこの「MICRONIX」を世界各地に広げてみませんか?

何を作ってる?

「携帯電話の発する電波は、ペースメーカーなどの医療機器に影響を与えるから気を付けよう」。そう諭されたことはないだろうか。 実は携帯電話だけに限った話ではなく、電子回路に電気を流すと多かれ少なかれ電磁波が発生する。そうした電磁波による人体・電子機器への悪影響(EMI)や、周囲の電子機器から生じた電磁波を受けて誤作動・機能低下(EMS)が起きないよう、世界各国では規制が設けられてきた。 マイクロニクスはテレビや携帯電話、電子レンジなどに使われるマイクロ波関連の技術企業。携行できるほどに小型化したスペクトラムアナライザ、製品自体が発する電磁波を正確に調べる目的で外部からの電磁波をすべて遮断するシールドボックス、それらを組み合わせてEMI/EMSの規制基準を満たしているかと検査する試験システムなどを開発している。 そのほか、有料高速道路の入口/出口に設置されているETC(ノンストップ自動料金収受システム)やカーナビに渋滞情報などを送るDSRC(スポット通信)の装置にも、正常に機能しているかと試験するシステムが必要。それらの試験システムもマイクロニクスの製品だ。

03.jpg 主力製品の一つ、スペクトラムアナライザ
04.jpg 外部からの電磁波をすべて遮断するシールドボックス

会社の強み

「世の中にない製品、世界で売れる製品、そして変化している分野の製品を開発しようと、いつも考えています。私も技術者なので、他社と同じ製品は作りたくないのです。仕事が面白くなくなってしまいますから」と代表取締役社長の田仲克彰氏は語る。 例えば、スペクトラムアナライザは他社製品と比べて圧倒的に小型・軽量で低価格。EMC試験に使える機器は同社製品以外にもあるが、安価で、測定系全体が構成されている“システム”として提供しているのは同社以外にほとんどない。ETC/DSRCの試験システムも同社が独占的に製造している状況だ。 「世の中にない製品を考え出せるように、定期的に日帰り温泉に行って環境を変え、アイデアを絞り出しています。 あとは“質の良い特注品”の仕事を受けるようにしています。特注品の仕事を経験することで、これから必要とされる技術や、新しく登場してきた技術のことが分かります。ETC/DSRCの試験システムは、まさに特注品から生まれた製品ですね」(田仲氏。以下、同)

05.jpg ETC・DSRCの試験システム

職場としての魅力

マイクロニクスという会社は、社長1人に依存せず、営業・生産・開発の各部署が自立的に機能する組織になっている。 「10年前まではすべて私の判断が必要でしたが、今は問題が起きても、部長たちが話し合って決めています」 結果、普段は社長室から出なくても済むようになったが、社内の雰囲気には常に気を配っていると田仲氏は言う。生産担当として2~3年ほど働いていた若手社員の人当たりが良いことに気が付いたら、営業担当に抜擢。顧客企業のところに1人で出張できるところまで成長したのだと目を細める。 「ほかにも技術者のために、定期的に勉強会を開いています。またホームページに掲載する導入事例集を各部署に作らせることで、導入するお客様のことを考えながら仕事をするよう意識付けしています。社員の成長のために必要なことをその時々で考えて、いろいろと手を打っているのです」

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社長メッセージ
「私でも考えつかない、面白い工夫」を思い付く自立した社員が増えてきた

代表取締役社長
田仲 克彰さん
――ほかの会社が作っていないユニークな製品を次々と開発されています。今後はどのような新製品/事業展開を考えていらっしゃるのでしょうか。 3年ほど先までにやることは既に決めていて、どのような製品を作るのか、資料にまとめ終えています。 そこから先は、これまでに開発してきた製品の枠組みを超えるような製品を作ろうかと考えています。マイクロ波関連の技術を基盤にすることは変わりありませんが、企業向けの製品ではなく、消費者向けの製品にするのも良いかもしれません。 個人的に、一番やりたい事業は農業にかかわるところです。農業で優れた作物を作るためには、土や光、肥料など、さまざまな要素をしっかりと計測して管理していくことが大切なのではないでしょうか。それくらい従来の枠にとらわれず、新しい展開を考えていくつもりです。 生産担当の社員には生産、開発担当の社員には開発、営業担当の社員には営業、と業務を限定するのではなく、必ずほかの業務も経験させるようにしています。 例えば生産担当者なら、単純に製品の製造を続けることが仕事ではありません。ソフトウェア開発のこともある程度は分かるように育てていますから、生産効率を上げるソフトウェアを自分で開発してくれるような働き方を期待しています。今日とまったく同じ仕事が明日の仕事になるとは限りません。常に自分の可能性を広げてもらいながら、仕事に取り組んでもらっています。 その結果、自立して物事を考えられる社員が増えていまして、最近も「これは私でも考えつかない、面白い工夫だな」と思えた出来事がありました。自社ホームページの刷新についてですが、「刷新に掛かる費用はこれだけです」と費用だけを伝えてくるのではなく、「刷新に掛かる費用は何カ月間かの広告宣伝費を止めることで捻出し、さらに広告を止めることで自社ホームページが本来持っている集客力を計測できます」という形で提案してきました。 私には思い付かなかったことを社員が思い付いたというのは、すばらしいことです。自立している社員が育ってきていると感じています。 向上心・積極性があること、そして明るいことです。 企業に入ると、社員1人の言動・雰囲気が周囲に影響を与えます。暗い社員が入ってくるとチームの雰囲気に悪い影響が出てしまいます。 向上心・積極性のない社員には、80%の仕事しか頼めません。100%を頼むとどこかで破綻が生じてしまいますから。一方、向上心・積極性があれば、持っている力の120%に相当する仕事を任せてもできるようになります。だからこそ、向上心・積極性のある社員を求めているのです。

08.jpg 代表取締役社長 田仲 克彰さん

先輩メッセージ
「技術者としての幅を広げたい」と転職を決意。一貫した業務経験が成長を促す

研究開発事業部 サブマネージャー
森尾さん
――入社に至るまでの経緯を教えてください。 私は5年前、この会社に転職してきました。以前は大手メーカーで機械設計に携わっていましたが、製品の一部分にしか携われず、「技術者としての幅を広げたい」と思うようになっていたのです。 マイクロニクスは、私の希望していたとおりの規模の会社でした。開発から生産までを自社で一貫して行い、開発と生産の拠点がすぐ近くにあるのも魅力でした。自分の設計した試作品をすぐ確認に行けますから。試行錯誤を短時間で繰り返せるので、自分の成長が早くなるだろうと予感していました。 当社の製品について、機械がかかわる部分の設計をすべて担当しています。例えば外部からの電波を遮断するシールドボックスの中には、検査する品物を置くためのターンテーブルがあります。テーブルを360度回して、全方位から電波の送受信状況を測定します。そうした機構を設計しています。 当社は量産品のほか、納品先のお客さまごとに製品を調整して一部を作り変える場合があります。営業担当者に同行して、お客様の要望を伺ってどのように調整・作り変えるかとご提案します。そして作った製品を納品して、実際に使っていただくのをお手伝いするところまで、すべての業務に携われます。そのことが何よりも自分の成長につながっている実感があります。 最近では、無線通信機能のある製品を作ったお客様から「全方向に上手く電波を送受信できないから、マイクロニクスのEMI/EMS試験システムで原因を突き止めたい」とご相談を受けました。どうやら製品内で無線が乱反射していたことが原因だったようなのですが、目に見えない電波の状況を確認し、問題点を突き止めるため、当社のシステムを上手くご活用いただけました。 苦労することも多いのですが、「この製品はすばらしい。記念に写真撮影をしよう」と本当に喜んでいただけるお客様もいらっしゃいます。その時には、技術者冥利に尽きると思いましたね。 現在は携帯型の周波数分析器「スペクトラムアナライザ」の次期モデルを開発中です。電子回路、筐体、ソフトウェアといったそれぞれの担当者とチームを組んで、机を並べて一緒に開発しています。 開発中に、たくさんの課題が出てきます。大きな会社なら多数の関係者を集めるために空いている時間を調整して、会議室を予約して――と話し合うまでに長い時間が掛かりますが、当社ではその場ですぐ全員が集まれます。アイデアを出し合って製品をすぐにより良くしていけるので、そんなところが気に入っています。 今後はお客様からご要望いただいていることを解決しながら、そうして培ったノウハウを蓄積し、より良い製品を開発していきたいです。 現状で一番多いお客様は、大手メーカーで働く開発担当の方々です。ですがそれ以外にも、無線機器を製造する工場の中で「シールドボックスに入れて検査したい」というニーズが出てくるかもしれません。そのように、これまでに利用されたことのない用途でも必要とされるような製品を開発していきたいです。 就職活動を始めたばかりのころは、会社の規模や立地条件などの見た目を重視してしまいがちだと思います。ですが当社のように、規模が大きくなく、のどかな場所にある会社であっても、大手企業と対等に渡り合っています。見た目に惑わされず、中身を見て就職活動をしていけば、しっかりと自分に合う就職先を見つけられるのではないでしょうか。

09.jpg 研究開発事業部 サブマネージャー 森尾さん

先輩メッセージ
電子機器の多くに自社製品がかかわっている。そこが強みでありやりがいでもある

研究開発事業部
池尻さん
――どんなところを魅力に感じ、マイクロニクスに入社されたのでしょうか。 これからの時代に必要とされる製品を作っているところですね。私は前職でオーディオ機器などのアナログ回路を設計していましたが、扱っていたのは低周波の領域。一方、社会を見渡してみると、さまざまな製品で高速化・高周波化が進んでいました。今後さらに必要とされる高周波技術を扱う会社で働きたいと思うようになったのです。 転職活動をしていて初めて会社を訪れた時、印象に残ったのは社長との面接です。「入社後はこういう回路を担当してもらいたい」と懇切丁寧に説明いただいたので、入社後の仕事を想像しやすかったです。社長自身が回路設計に詳しい方だということも伝わってきまして、当社に転職しようと決めました。 はい。今は新型のスペクトラムアナライザを開発中です。私は電子回路の部分を担当しています。 設計しているのは同じアナログ回路なのですが、低周波と高周波では勝手がまったく違います。くじけそうになったことも何度もありますが、社長から熱心に教えていただいたり、上司からアドバイスしていただいたりするうちに分かるようになり、「これくらいの仕事なら何とかできるだろう」と思えることが増えてきました。 スペクトラムアナライザを開発する中で、自分なりに工夫できたところもあります。電波の測定に使うスペクトラムアナライザ自体も電気が通りますから、ノイズになる電磁波を発生させてしまいます。それをできるだけ抑える必要があり、そこが開発の要です。上司と一緒になって工夫することで電磁波をかなり抑えることができました。そういった経験も自信になりましたね。 昨今、店頭で売られている電子機器は目に見えない電磁波を発しています。その電磁波を計測するには、当社が提供しているような試験システムが必要です。当社製品が多かれ少なかれ開発過程でかかわっている製品は非常に多く、そこが当社の強みであり、仕事のやりがいになっています。 組織としての強みは、意志決定が早いところでしょうか。部門間の隔たりがなく、書類を手配する手間などは要らず、社長にも直接相談できますし、その場で承認もいただけます。迅速に物事を動かせられるところが良いですね。 スペクトラムアナライザは5人で開発しています。その中でアナログ回路設計を担当しているのは私1人です。私が失敗すると製品自体が失敗してしまいますから、責任重大です。ですが難しいことに挑戦できる機会が多く、そこが何よりの魅力です。 大きな会社で働いていると、挑戦できる機会が回ってくるかは実力だけでなく運も必要です。当社で働いていると運は必要なく、実力さえあれば今の自分には難しいと思えるような仕事でも任せていただけます。本当に成長の機会が多い職場だと思いますね。 また、社長が中心になって、かなり先を見据えながら新製品を企画しています。私たちにも何か斬新なアイデアを考えることが求められていますから、製品を企画する力も鍛えたいです。売上だけでなくて利益もしっかり出せる製品を考えることは大変ですが、そこまでできるように努めていきます。 社会に出てからは、手本になる先輩・上司を見つけてください。私自身、前の職場でも今の職場でも、経験・知恵・知識・人間力などのあらゆる面で自分を上回るお師匠様のような方々と出会えました。そういう方々に会えると自分にとっての目標になります。近づこうとすることで成長できますし、安心して仕事に取り組むこともできます。 ぜひ自分よりもすごいと思える尊敬できる人を見つけて、その人のことを見習っていってほしいですね。

10.jpg 研究開発事業部 池尻さん