<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

文字サイズ

株式会社 ムトウ

株式会社 ムトウ 自動車・電化製品・化粧品などに使われるプラスチック部品の金型を製作<br>海外への生産シフトを進める国内メーカーの動きに対応できるよう、韓国・中国・タイに拠点を構え、国内と分業

株式会社 ムトウ

自動車・電化製品・化粧品などに使われるプラスチック部品の金型を製作
海外への生産シフトを進める国内メーカーの動きに対応できるよう、韓国・中国・タイに拠点を構え、国内と分業

main_muto-mold
輝く技術 光る企業

株式会社 ムトウ

自動車・電化製品・化粧品などに使われるプラスチック部品の金型を製作 海外への生産シフトを進める国内メーカーの動きに対応できるよう、韓国・中国・タイに拠点を構え、国内と分業

main_muto-mold
  • 社名:株式会社 ムトウ
  • 設立年月:1961年4月
  • 資本金:3000万円
  • 従業員数:本社 35名 / 新庄 20名 / 中国 4名
  • 代表者:代表取締役社長 武藤 嘉行
  • 主な勤務地:1. 本社工場(東京都江戸川区)
    2. 山形・新庄工場(山形県新庄市)
  • 休日:休日:年末年始、GW、夏期休暇、休日総日数106日
    有給休暇:初年度10日、以降勤続1年毎に1日ずつ加算
  • 本社所在地:東京都江戸川区江戸川4-16
  • 電話番号:03-3656-8651
  • 公式HP:http://www.muto-mold.com/
  • ・電化製品向けの金型製作・部品成形から始まり、自動車・化粧品業界にも進出
  • ・開発・試作を担う国内拠点と、量産を任せる海外拠点とで役割を分担
  • ・お金の使い道まですべて任せることで、海外拠点を任せられる工場長を育成
intro_img

事業紹介

金型設計はもちろん、製品設計から量産、金型のメンテナンスまで、一貫したプラスチック製品の製造供給までお引き受けします。安心してお任せください。


【頼れるムトウのメリット】
1.良品と量産性を念頭に置いた金型設計・製作
2.量産時の金型トラブルの緊急対応
3.量産における成形機を確実に確保
4.同一担当の一気通貫生産に依りノーミス、ノートラブル

何を作ってる?

自動車のパネルや速度計・燃料計ユニット、ノートパソコンやタブレットPCに携帯電話のボディ、デジカメ等のボタン、化粧品の陳列用カセット、アミューズメント機器など、さまざまな製品に使われるプラスチック部品関連のモノづくり企業がムトウだ。元々は電化製品向けの仕事が主だったが、10年ほど前から対象業種を多角化し、顧客数を増やしている。 とは言っても、ムトウが国内で主に作っているのはプラスチック部品そのものではない。部品を成形するのに必要な金型の製作やメンテナンスが業務の中心。プラスチック部品の量産は、ムトウの海外事業所などに任せている。 最近では発明家など、個人からの問い合わせも多い。スマートフォンを保護するプラスチックケースなど、「こんな製品を作りたい」といった希望を適える手伝いもしている。

03.jpg 日本では金型の製作が主
04.jpg

会社の強み

日本のメーカーの多くが「製品の企画・開発・試作は国内。製造は人件費の安い海外」という体制に切り替えてきている。ムトウの強みは国内と海外の拠点で役割分担を明確にし、こうした日本メーカーの動きに対応できることだ。 国内では前述のように金型の製作・メンテナンスや少量部品の成形を担当。韓国・中国・タイに拠点を構え、量産は海外拠点に任せるようにしている。 ムトウにとってのもう一つの強みは営業力だ。異業種の大手企業と新規に取引を開始するのは、非常に難しいこと。初めてあいさつをしてから取引を始められるまで、3年掛かった企業もあった。だがムトウは、あきらめずに業界動向や各企業の課題について情報収集・分析していくことで、各企業と徐々に関係を深めていった。結果、自動車・化粧品・アミューズメントなどの業界大手からの受注に成功したのだった。

05.jpg

職場としての魅力

今後、モノづくりの拠点は中国などから東南アジアに移っていくと見られている。海外拠点と国内拠点を上手く使い分けられることがムトウの強みになっているだけに、今後は東南アジアに新拠点を設け、新たに工場長を任命していく必要がある。 「中国には、31歳の社員を工場長として送り込んでいます。現地では基本的に全権を委譲します。何にいくら使うのか、お金の決済まですべて任せますから、極端な話、経営権まで譲っているような感覚です」(代表取締役社長 武藤嘉行氏(取材当時)。以下、同) そこまで任されると、さすがに社員が感じる責任感は大きくなる。会社にとっても、経営経験のない社員にすべて委ねてしまうことは、大きなリスクでもある。 それでも全権を任せるのは「人を育てるため。そこまでやらないと中小企業ではなかなか人が育ちません。山を越えるのは大変ですが、その山を乗り越えると格段に成長したことが実感できます。短期的な利益を狙うのではなく、短期的には人材育成に投資して中長期的に利益を出していこうという考えなのです」

06.jpg
07.jpg 3次元測定器も導入している

社長メッセージ
プラモデル組み立て試験によって考え方や器用さを見極め、適材適所の配属を

代表取締役社長
武藤 嘉行さん(取材当時)
――海外事業所をいくつも設立されています。海外事業を成功させる秘訣は? 怖がらず、海外を歩くことですかね。ツアーではなく、1人で歩いて、1人で困って、1人で失敗することです。 当社も海外事業で大きな失敗をたくさんしています。でも、失敗を怖がっていては前に進めません。 あとは海外でたくさんの人に会うことですね。お客様・同業者・仕入れ先と、人脈を活かしてネットワーク化していくことが大切だと思っています。 選考方法を工夫しています。筆記試験と面接のほかに、プラモデル作りを課しています。設計図も完成図も見せず、部品だけを与えて作らせているのです。 その試験では、「完成させれば合格」というわけではありません。「きれいに組み立てれば合格」というわけでもありません。未完成でも構わないので、どこまで自分で考えて組み立てる力があるのかを見ています。モノづくりには、その力こそが必要だと思うのです。 中にはタイヤ周りしか作れない子もいれば、コクピット周りしか作れない子もいます。部品同士をきれいに接着している子もいれば、接着面がボロボロで明らかに不器用な子もいます。その試験によって、その子の考え方や手先の器用さをはっきりと見極めることができます。 プラモデル組み立て試験で受けた印象は、実際に業務に入ってからの働きぶりを見て受ける印象とほとんど変わりません。ですから試験での印象を元に、「この子は製造が向いている」「品質管理を任せるとしっかりやってくれるかな」と配属先を決めるようにしています。 私はどんな人材でも、向いている仕事を任せさえすれば、必ず伸びると信じています。ですから、適材適所の人事をして、社員を成長させてあげることを重視していますね。 今は若者の間で、製造業の人気が下がってきている気がしています。私たちの会社もモノづくり企業ではありますが、海外で働くチャンスもありますし、国内を飛び回るチャンスもあります。活動的な若者であれば、入ってもらえればきっと「面白い会社だ」と感じてくれるはずです。当社に少しでも興味を持ってくれたのなら、ぜひ会社見学などに参加していただきたいですね。

08.jpg 代表取締役社長 武藤 嘉行さん(取材当時のもの)

先輩メッセージ
「1~2年後、どんな車に使われるのだろう」と想像しながらする仕事が面白い

製造課
千葉さん
――ムトウ入社のきっかけは? 職業訓練校に通っていたころ、ムトウのインターンシップに1週間参加する機会がありました。ベテランの方の仕事ぶりを見て、「レベルがまったく違う」と思い知らされましたね。 金型製作にはいろいろな機械を使います。穴を一つ空けるにしても、いろいろな選択肢がある中から、最適な手段を選んで作業されていました。その様子を身近で見ることで、学校では得られない経験を積むことができました。 インターンに参加したことで、「ムトウの仕事は面白そうだ」と感じましたし、「手に職を付けたい」という自分の希望も適うだろうと思えました。ですから、ムトウに入社しようと決めたのです。 仕事を始めてから、まだ4~5年ほどしか経っていません。金型製作については、コンマ何ミリでの精度が必要になる仕上げの工程は先輩に頼っています。自分はその手前のところまでの作業を担当しています。 業務として多いのは、金型を組み込んでいく仕事ですかね。先輩たちが作った部品を型にはめていって、金型を形作っています。 つい最近までは、自動車関係の仕事をしていました。自動車が実際に売り出される1~2年前には当社に仕事が来ますから、「これはどんな車になるのだろう」と想像しながら仕事をしていますね。自分が携わった部品が使われている製品が市場に出ると、やっぱり「やった!」という気分になります。金型を作っていると「おおよそこんな形の部品になるのだろう」と予測ができますし、そのあたりがこの仕事の面白いところではないでしょうか。 実際、部品を成形するのは協力企業での工程になります。成形をお願いしている企業とはよく連絡を取り合っていまして、「こうすればもっと良い金型になるのではないか」といったアドバイスをもらうことも多いです。 例えば、自動車関係の金型の中には、大型なものもあります。大型になるほど「やりづらい」と感じていたのですが、「大型の金型を組み込んでいく時には、寝かせて作業するとやりやすいよ」と教えていただきました。やってみると、確かに楽になりました。勉強になりましたね。 今は金型関連の仕事をしていますが、まだ全部の仕事ができるようになっていません。先輩から言われた内容について、理解できないところもあるので、何か言われても「ここはこうしたらどうですか?」と逆に提案できるようになりたいです。 日々の仕事は大変ですが、自分のかかわったものが形になったり、お客様から「助かりました」「良いものができましたね」とか言われたりすると、うれしいです。そういうやりがいは大切にしていきたいですね。

09.jpg 製造課 千葉さん
10.jpg

先輩メッセージ
店頭に並ぶ携帯電話のサンプルを作った時、普通の人とは違うところが気になった

製造課
小野寺さん
――ムトウに入社しようと決めたのはなぜでしょうか。 職業訓練校で旋盤などの加工機械の使い方を習っていました。就職先を考えた時に、部品を加工する仕事を選ぶと同じものを何個も作ることになりますが、金型を加工する仕事なら毎回違うものを作ることになります。金型製作を仕事にする方が楽しいだろうと考えました。 それで金型製作をしているムトウに興味を持ち、1週間のインターンシップに参加しました。優しく接してくれる社員さんばかりで、直接教えてくれる先輩も年齢が近くて親近感がわきました。「この会社に入っても良いな」と思うようになりましたね。 ワイヤー加工機やマシニングセンターを動かしています。CAD/CAMをやることもありますね。形を切り抜くだけのワイヤー加工よりも、マシニングの方が立体的な形を作っていきますので、やっていて面白いです。 以前、家電量販店の店頭などに並べられている携帯電話のサンプルを作ったことがあります。多くの人に見られる製品を作ることになったので、「すごいな」と思いましたね。仕事柄、普通の人とは違うところが気になるようで、「こんなところに段差があるのか」とか、そんなところばかりに目が行っていました。 小さいものとしては、化粧品のケースなども扱っています。小さいものは、形が単純であれば簡単なのですが、形が複雑になって深みや厚みが部分部分で必要になると話は別です。考えながら加工していかないと上手くいかないので、急に難しくなります。 マシニング加工の担当は今、自分を含めて2人います。もう1人の担当者に技術を教えられるくらいの水準にまで加工技術を身に付けたいと思っています。現状では簡単に削る加工くらいしか自信がないので、すべて自分で加工して完成できるところまでできるようになりたいですね。 若い人たちにとって、モノづくりの仕事はあまり魅力的ではないのかもしれません。ですがモノづくりが好きなら、自分で加工してものができあがるところが目に見える仕事は楽しいはずです。 モノづくりが好きな人には、ぜひモノづくりの世界に入ってきてほしいです。

11.jpg 製造課 小野寺さん
12.jpg