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ニシハラ理工株式会社

ニシハラ理工株式会社 それぞれの事業で「プロセス・サポート・エンジニアリング」の拡大を進めている。<br>長年培ったノウハウで高精度のエンジニアリングを提供する

ニシハラ理工株式会社

それぞれの事業で「プロセス・サポート・エンジニアリング」の拡大を進めている。
長年培ったノウハウで高精度のエンジニアリングを提供する

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輝く技術 光る企業

ニシハラ理工株式会社

それぞれの事業で「プロセス・サポート・エンジニアリング」の拡大を進めている。 長年培ったノウハウで高精度のエンジニアリングを提供する

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  • 社名:ニシハラ理工株式会社
  • 設立年月:1951年8月(昭和26年)
  • 資本金:7,620万円
  • 代表者:西原 敬一
  • 所在地:【本社】東京都武蔵村山市伊奈平2-1-1
    TEL:042(560)4011(代)
    FAX:042(560)4044
    【武蔵村山工場】東京都武蔵村山市伊奈平2-1-1
    TEL:042(560)8611
    FAX:042(560)8550
    【狭山工場 生産本部・営業部・品質保証部・技術開発センター】埼玉県入間市狭山ヶ原108
    TEL:04(2934)6116
    FAX:04(2934)4640
    【佐賀工場】佐賀県三養基郡上峰町堤2100-34
    TEL:0952(53)1215
    FAX:0952(53)1210
  • 公式HP:http://www.nishihararikoh.co.jp/
  • 長年にわたって培ってきた基盤のめっき技術をベースに、独自ノウハウによって開発された生産装置で設計から製作までを手掛けるニシハラ理工。半導体や電子部品を中心にしためっき加工を試作から量産まで対応する。その製品企画段階からの参画、生産工程管理までを独自の「プロセス・サポート・エンジニアリング」システムとして幅広いソリューションを提案している。
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業種

製造業(電気めっき)

事業紹介

半導体部品・電子部品のめっき加工、めっき技術の開発受託・コンサルティング、生産設備の開発・設計・製作、工業分析 他

ISO9000の導入による画期的な業務革新を実現

2002年、ニシハラ理工は、ITバブルが弾けたのを契機にそれまでの主力製品であったプリント基板から撤退。前年に創業50周年を迎えたばかりの会社は、半導体、電子部品のめっき専門メーカーとして業務を刷新したのだ。30〜40年前は、300人近くの社員を抱えていたというニシハラ理工だが、現社長が会社を引き継いでから業務の合理化を図ってきた。 「先代の時代は右肩上がりでどの企業も仕事に恵まれていました。技術でも営業でも社長の言っていることを守っていればある程度成果が出せた時代です。しかし、バブルが崩壊し、お客様から要求されることが多くなってきた。どの会社も競って自分たちが業務革新しないといけない部分が出てきたのです。私の時代になって部署ごとの目標を設定し、これまで経営理念として確立されてなかったものを具体化していきました。それがISO9000です。これを中心に会社の管理をしていけると思いました」と、西原社長は当時の決意を思い起こすように話す。 「ISOは経緯から結果までのプロセスをデータに残していくことで手間のかかる業務で、使いこなすのに時間はかかりますが、マニュアルや教育、機械のメンテナンスなど品質を保証していくことで非常に社員教育の一環としても良かったと思います」。と社長はいう。 それが今日のニシハラ理工ならではの効率的な生産システム『プロセス・サポート・エンジニアリング(注)』を編み出したのだ。ニシハラ理工の技術部社員は、「プロセス・サポート・エンジニアリングの一貫として顧客と技術者の顔が見えるのが良い」という。プロセスの説明の段階で顧客から礼を言われたり、急な納期対応で思いどおりに行かなくても満足していただいたりするというのだ。 (注)「プロセス・サポート・エンジニアリング」とは、顧客のあらゆるニーズをプロセスに展開(分析・解析なども実施)し、企画・設計段階から試作・量産へとトータルにサポートするエンジニアリングのことを指す。

nishiharariko_ph09.jpg 西原 敬一社長

一見、地味に見える『めっき』の世界に重要な価値がある

西原社長は、「学生さんには、『めっき』そのものよりもどういうところにめっきが役立っているか、めっきの重要性を知っていただきたい」という。そこには「自分で開発して自社で作る」企業理念があるからだ。 西原社長は「『めっき』は一見地味に見えて実はアカデミックな世界。東京都では、地場産業になっていますが、我々の『めっき』は海外にも目を向けてグローバルに展開しています」と話す。 実際に国内シェアは4割。マレーシア工場でつくって世界的に普及しているパソコンやデジカメの部品が約6割と海外シェアの方が少し大きい。また、実際にコストで言えば外部に出した方が安い場合もあるが、特殊な技術の部分は自分たちで作って、自分たちで改良していくから良いのだという。その結果、他社では出来ない〝腐食を防止する変色がでないめっき技術〟が編み出された。一見、地味に見える『めっき』の世界だが、地味な中に含まれている価値は大きいという。 西原社長は「当たり前のことを当たり前にやることが大切。技術の積み上げが大切です。いろんなことに負けずに粘り強く取り組める人、そんな人材に来てほしい」とその思いを話してくれた。 実際にその結果、ニシハラ理工が耐久性の高い製品を生み出し、小さなコンデンサー部品のシェアで世界の23パーセントを占めるまでの企業へと成長したことで裏付けられているのだ。 企業の成長力を躍進させ続けている西原社長の座右の銘は『感性を磨く』だ。感性を磨き企業の成長力を躍進させ続けていくことを意識し、その思いは、今、若い人材に託している。 またニシハラ理工ではスポーツ愛好家が多く、自然と複数のクラブが存在する。3年前にできたフットサルクラブをはじめ、野球部、釣りクラブ「爆釣会」、ゴルフクラブ「ジュニア会」などがある。西原社長はゴルフクラブに所属するが、年2回のコンペを実施するなど、社員と共に多彩なメンバー活動を行いながら日々、親睦を深めている。

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先輩インタビュー
技術開発課

須藤 真吾さん 「大学で科学を勉強してきたし、社会に早く技術や開発に携わりたいという気持ちで、ニシハラ理工の面接を受けた際に『会社に入って技術職を身につけて頑張っていただきたい』と声をかけられて入社を決意しました」と語るのは入社して11年、多くの製品を開発してきた技術開発課の須藤さん。 「今日までお客様から様々なテーマを与えられながら開発を行ってきました。最近は光るめっきを求められますね。例えば蛍光体が光った時の光を反射させて、より強い光を出したい、補助的な蛍光灯みたいなものをつくってほしいとか。そのお客様からのニーズやテーマに応えていくために、めっき専門誌を読んだりと努力をしました」 入社前からめっきについてほとんど知らなかったそんな須藤さんが、10年以上技術開発部を続けている胸中を聞いてみました。 「開発課というセクションは世の中には無いモノを作っていくところです。お客様とのやりとりから仲間たちと少しずつ形にしていきますので、お客様の担当者の声や笑顔を見て信頼関係を築くのが重要なことだと考えていました。弊社の『Process Support Engineering』という会社の体勢に共感しているところがここまで自分が頑張ってこられた理由のひとつかもしれませんね(笑)。最近、会社の体勢についてあらためて感心することがあるのですが、僕らの職場である生産部門セクションは、お客様の反応や声が直接聞こえてこないようでありながら、弊社ではISOの定義で社内で情報を発信したり回覧するシステムを導入していて、営業部門から『こういうことがありましたよ』とか、生産部門内にもお客様の声を聞くことができるので、開発メンバーのモチベーションも高まるんです。そのシステムがあるのでお客様への迅速な対応と製作と技術開発が弊社一貫でできるところが強みだと感じていますね」 こういうシステムを導入させた社長についてお聞きしてみました。 「社長が会社と社員に対して長期的に良い方向にしていこうという動きがトップダウンでおりてくることがあり、社長が迅速に行動をされていることに感心しています。こんな話もあります。わたくしは小学生からサッカーをしていたので、フットサルをしたいと日頃思っていたんです。そこで社内の仲間たちに声を掛け合うと数人が集まってきたので、本格的に社内の仲間たちとフットサルを始めようとなってきた時に、会社から『経費の何割かは会社が補助するから社内の仲間同士との交流と活動を大事にして下さい』とトップダウンからの話でした。後に《フットサル快速会》が発足し、そのあと30名ほどのクラブが出来たんですよ。そういう社長や会社の拝領が嬉しかったですね(笑)」 今後の目標についてお聞きしました。 「中小企業は技術だけとか営業だけとかの部署間に仕切りがあるわけでなく、いかに生産の仕事を考え、営業を考えていくのか。社長はトータル的な動きができる人材を求められています。そういう気風が社内にはできているし、社内教育にも繋がっていると思います。わたくしは今後も技術開発に携わっていくつもりですが、それだけではなく、生産するためにはどういう技量が必要か?とか、自分で作ったものをお客さんにどうやって売れば良いのか?勉強すれば良いのか?など、ゆくゆくは経営に繋がるものを基本に、自分の考えを持って心身とも成長させていきたいです。有機溶剤作業主任者や環境計量士などのような国家資格も是非とりたいですね」 最後に後輩へのメッセージについて語っていただきました。 「技術職で会社に入るのであれば、もっともな技術を身につけることを大きな目標にしてほしいですね。専門的な技術等は、会社に入ってからでも本人のヤル気があれば身につくという考え方です。それと、ひと付き合いをうまく出来ることも大事だと思います。例えば製品開発で行き詰ったときにも、まわりのメンバーたちとわかりあって意見が出てくると、アイデアも生まれることがありますし、良い意味で情報を引き出すことにもつながってくることもありますしね」

nishiharariko_ph05.jpg 須藤 真吾さん
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先輩インタビュー
技術開発課

首長 寛信さん 「大学卒業後は教職員になるか科学技術関係への仕事に就くかの選択でしたが、科学技術関係の仕事を選びました。ニシハラ理工に入社した理由のひとつに、わたくしの都合で入社試験日を変更させてほしいと、駄目もとで相談したところ快く受けてくれました。とても嬉しかったですよ(笑)」 入社後についてお聞きしました。 「入社後は、まず生産部に配属。めっきの知識も創造も全く出来なかったわたしでしたが貴重な経験を積むことができ、自分にとって実りのあった大きい1年でした」 「今の技術開発課では、金めっき製品工程やプロセス開発、品質管理、素材調達等を担当しています。金めっき加工は携帯電話やカメラの充電口のコネクタ部分の製品です。苦労した点は、急にお客様の要求が高くなってきたことです。コネクタ部品への金めっき加工では、環境面、耐久性に対して対応ができる回線の確保と小さくて強い耐久性が強い加工技術を更に求めてられています。環境対応面を考えて金めっきを厚く加工するとコストが上がりますし、お客様からの要請に応えられるように考えていかなければなりません」 入社して会社の良いところについてお聞きしました。 「入社して4年が過ぎましたが、先輩から後輩への面倒見がとてもいいと感じています。社員教育、社員を育てるという社風がありとても良いですね。その先輩方がお客様とが築いている信頼性について気づかせてもらったことがあるんです。生産部の時でも感じたことですが、先輩である主任や課長がお客様と何年も続いて製造工程ラインを動かし、品質を保ってきた技術と努力があるお陰で、弊社とお客さまとの信頼を得ています。これからはこの後術と品質を先輩からボクらが引き継ぐことって重要だと考えています。主任みたいに仕事ができる人材になって頑張っていきたい」 須藤さんと同じフットサルチームに所属する首長さんに最後、後輩へのメッセージについてお聞きしました。 「就職や人生についてどこに向かえば良いのかで悩んでいる学生の方も多いかと思いますが、単純に興味、これをやってみたいとかわからないところに挑戦してみるのもいいのではないでしょうか?」

nishiharariko_ph07.jpg 首長 寛信さん
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