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株式会社 西村製作所

株式会社 西村製作所 社内改革の鍵を握る、数十年ぶりの金の卵<br>生まれ変わる会社組織がもたらした、精密プレスの未来を担う新しい潮流。

株式会社 西村製作所

社内改革の鍵を握る、数十年ぶりの金の卵
生まれ変わる会社組織がもたらした、精密プレスの未来を担う新しい潮流。

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輝く技術 光る企業

株式会社 西村製作所

社内改革の鍵を握る、数十年ぶりの金の卵 生まれ変わる会社組織がもたらした、精密プレスの未来を担う新しい潮流。

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  • 社名:株式会社 西村製作所
  • 設立年月:昭和33(1958)年4月1日 (創業1948年)
  • 資本金:2,000万円
  • 従業員数:30人
  • 代表者:西村 昇
  • 本社所在地:東京都大田区仲池上2-15-5
  • 電話番号:03-3755-5511
  • 公式HP:http://www.nishimura-ss.com/jp/
  • 精密プレス加工を専門としている西村製作所。精密プレスで使用する金型制作には非常に高い技術力が必要とされる。西村製作所では従業員の高齢化、次代への技術力の継承という課題の対応として、2010年に数十年ぶりの新卒採用を行った。今回は入社したばかりの新入社員、川島さんを中心にお話を伺った。
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業種

精密金型製作及び精密プレス加工

事業紹介

絞り羽根を主力とする光学絞り周辺機構部品の製造、その他電子部品等の精密プレス加工

社を挙げての資格取得推進による高い技術力と社会貢献

西村製作所の専門はミクロン単位で行う精密プレス加工。創業当時より手掛けているカメラの絞り羽根はもっとも多い時期にはシェア七割を占めていたという。さらに、プレスで使用する金型の設計、製造も自社で行っている。金型はプレスの量産性などを考慮して製造されており、またプレス加工ではいかに金型の耐久性を良くするか、打ち抜き油(プレスの際に潤滑のためにつける油)のつけ方や誤作動の防止など、いかに効率をあげるかを日々改善を行っているという。 近年では社員の資格取得を積極的に推進して、会社として全面的にバックアップしている。品質を高めるのはもちろんであるが、資格取得を通じてものづくりの面白さを再認識して欲しいという。 また、西村製作所では社会貢献にも力を入れている。精密加工を専門にしている西村製作所では機械の精度が1000分の2〜3mm狂うだけで使用できなくなってしまう。 そういった機械は一般的には問題なく使用出来るので、小学校中学校などの技術科に無償提供して使ってもらっている。 若い世代にものづくりの魅力を伝え、ものづくりに対して興味を持ってもらいたいという企業精神である。 環境問題に対しても積極的に取り組んでおり、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001の認証」を取得している。

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何も無いところからものを生み出すことは楽しいです

川島 大幸さん
2010年入社
川島さんは入社一年目、高校を卒業したばかりのピカピカの新入社員。 西村製作所では数十年ぶりの新卒採用で、先輩はみんな30歳以上だという。 そんな川島さんに入社してから数カ月が経った現在の心境を伺った。 --担当している業務内容を教えてください。 「製品の検査の仕事などを、全体的に少しずつ覚えています。検査の仕事は最初のうち、どれが不良品かを区別できなくて大変でしたが、やっているうちにだんだん分かるようになってきました。」 --入社のきっかけ、会社を選んだ理由は何だったのでしょうか? 「今の時代、大学を卒業しても就職が難しいことも多いので、高卒で働いたほうが有利なんじゃないかって思ったんです。ものづくりが昔から好きで、製造業に就きたいと思って会社を探しました。」 --入社に際して不安はありましたか? 「私は今18歳ですけど、次に若い人はもう30代なんです。周りの年齢層が高いので最初はすごく不安でやりにくいと感じましたが、話してみると実はみんな優しい人ばかりですごくよかったです。先輩には休み時間になると一緒に遊んでもらっています。とてもフレンドリーな雰囲気の会社ですね。やはり同年代の新人にも入って欲しいですけど。」 --最後に、後輩へのメッセージをお願いします。 「学生の頃は誰でも就職に対して不安な気持ちはあると思いますが、ものづくりに興味があったら就職したらいいと思いますよ。何も無いところからものを生み出すということは楽しいです。」

nishimura-25.jpg 川島 大幸さん
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上司からのメッセージ
久しぶりの新卒採用なので、会社にとって金の卵です

常務取締役
西田 昇さん
西村製作所が社員の新卒採用を再開したのは西田常務の決断だったという。 西田常務から社内の改革のお話を中心に伺った。 --新卒採用の再開に至った経緯を教えてください。 「当社は今、会社の大規模な改革を行っているところなのです。以前は大きな取引先があって、常に安定した仕事のある封建的な会社でした。仕事がたくさんあったので会社として努力しなくなってしまったんですね。営業部門と製造部門が連携出来ずにバラバラに動いていて機能してなかった。 このままでは社内の技術も低下していくし会社としても衰退していくと感じて改革する決意をしました。 それで数年前から社員の資格取得を推進したり、営業力を強化するために会議を行ったり、生産技術の会議を行ったりと、いろいろと急激な改革を試みています。新卒採用を再開したのもその一つです。 」 --今後も新卒採用を続けていくのでしょうか? 「新卒採用は来年、再来年と続けていきたいですね。今後五年くらいで社員の平均年齢を10歳程度若返るようにしたいと思っています。今までは本当に閉鎖的な会社でしたから、途中でやめる人がほとんどいなかったので社内の平均年齢がすごく高くなっていますからね。そんな中、川島くんは数十年ぶりの新卒入社なんです。いわば、やっと入ってきた金の卵。周りのみんなと歳が離れているのでちょっとかわいそうですけど、歓迎してかわいがっていますよ。」

nishimura-28.jpg 常務取締役 西田 昇さん
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これからの会社を支える若い世代なのだから、必死でサポートします

藤倉 達行さん
技術課 課長
藤倉さんは三年前に西村製作所に入社。 元々別の会社で技術者として働いていたが、西村製作所の金型職人が定年退職でいなくなった時期に、知り合いだった西田常務から助けを求められて転職を決めたという。 西村製作所の危機を救った功労者である。 --現在担当している業務内容を教えてください 「メインは生産技術です。具体的には、若手社員へ、金型の設計、製造、プレス加工、など技術的な指導を行っています。教育担当ですね。」 --指導する上で気をつけていることはどんなことですか? 「新人には、まずあいさつと礼儀。それから当社は特に工場内をきれいにする事を心がけていますので、整理整頓の徹底ですね。作業に関しては、毎日毎日、本当に覚えることが多いので、日常業務を通じて経験してもらう事でスキルを高めてもらっています。怪我だけはされると困るので、『見て覚えろ』というようなほったらかしな教え方はしていません。出来るだけマンツーマンで指導できるように心がけています。若い人が少ない職場ですので、新入社員の川島くんは大変だろうと思いますが、将来自分が西村製作所を支えていくんだっていう気持ちで頑張っていただきたいですね。そのためには僕も必死でサポートしますよ。」 --最後に、これからものづくりを志す若者へのメッセージをお願いします。 「私も学生から社会人になる時は、わけもわからず飛び込んできてそれでここまでやってきました。一生懸命がんばって続けていけば一人前になれるのであきらめずにやり続けてください。」

nishimura-20.jpg 藤倉 達行さん
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