<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社 オプナス

株式会社 オプナス 独創的な鍵を作り、中小企業の長所を活かして新分野を切り開く<br>チェンジキーを回すだけで鍵交換できる「メモリス」など、「今までにない製品」を作って後発の不利を覆す

株式会社 オプナス

独創的な鍵を作り、中小企業の長所を活かして新分野を切り開く
チェンジキーを回すだけで鍵交換できる「メモリス」など、「今までにない製品」を作って後発の不利を覆す

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輝く技術 光る企業

株式会社 オプナス

独創的な鍵を作り、中小企業の長所を活かして新分野を切り開く チェンジキーを回すだけで鍵交換できる「メモリス」など、「今までにない製品」を作って後発の不利を覆す

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  • 社名:株式会社 オプナス
  • 設立年月:1948年8月
  • 資本金:7000万円
  • 従業員数:123人 (平成27年8月現在)
  • 代表者:代表取締役社長 峯村 陽一
  • 社員平均年齢:40歳
  • 初任給:200,000円
  • 主な勤務地:埼玉工場(埼玉県秩父郡)
  • 休日:週休2日制(土・日・祝。ただし祝日のある週の土曜日は出勤の場合あり)、夏季休業、年末年始休業など会社指定休日121日。有給休暇、慶弔など。
  • 本社所在地:東京都中央区日本橋浜町2-17-8浜町平和ビル4F
  • 電話番号:03-6861-5177
  • 公式HP:http://www.opnus.co.jp/
  • ・金庫用の鍵で一時は99%のシェア。自販機・住宅等の新分野にも進出
  • ・「今までになかった製品」と「小まめな対応力」で大手企業からの信頼獲得
  • ・短期的な利益を追わず、長期的な視野で考える企業ならではの働きやすさ
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事業紹介

創業75年以上の歴史や実績、そして日本銀行をはじめとする多くの金融機関にご愛用頂いたダイヤル錠製造で培った技術を背景に、常に新たなセキュリティをお届けします。


最高のセキュリティを求められる金融機関向けのダイヤル錠製造からスタートしたオプナスですが、その活動範囲は常に広がり続けています。錠前に関してはオフィスファニチャー向け、自動販売機向け、住宅向けなど幅広い用途に対応しています。 また錠前のみならず、ホテルセーフ、手荷物預かりボックス、宅配ボックス、非接触エントランスシステムなどシステム製品まで、商品群は拡大しております。お客様、そして時代の求めているセキュリティニーズに合わせ商品、サービス、活動フィールドも拡大、多様化し続けています。

何を作ってる?

元々は銀行にある金庫用の鍵を作っていたオプナス。今では事務用ロッカー、店舗のレジスター、自動販売機、宅配ボックス、玄関などのセキュリティーを守る鍵にまで守備範囲を広げている。 続々と新分野への参入を果たしてきたオプナスが貫く企業方針は「今までになかった製品を作る」こと。その一例となるのは、可変シリンダーという独自機能を持つ「メモリス」だ。 メモリスは専用のチェンジキーを鍵穴に差し込んで回すだけで、それまで使っていた鍵が使えなくなり、別種の鍵でないと開かなくなる画期的な製品。従来であれば、鍵を変えるにはシリンダー錠自体を交換しなくてはいけなかった。その手間が省けたため、工賃や部品代を削ることが可能になった。そうした点が評価され、大手不動産会社などにも採用されるようになっている。 メモリス以外にも、 “鍵を掛けたか、掛けてないか”を視認できる機能が付いた「アイズ」、USBメモリのようなおしゃれなプロテクターで保護されていて女性に人気の「キーキッス」など、同社独自の鍵が次々と生み出されている。

03.jpg オプナスが開発したユニークな鍵
「メモリス」「アイズ」「キーキッス」

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会社の強み

銀行などの金庫のダイヤル錠で、99%ものシェアを占めたこともあり、圧倒的な競争力を誇っている。最近参入した自販機や住宅向けの鍵も、納品先はほとんどが各業界の大手企業。そうした企業から信頼を得ている理由は、大きく二つ。独創性と、中小企業だからできる小まめな対応力があるからだ。 先に触れたメモリスのように、オプナスは「今までになかった製品」を作ってきた。競争相手は、売上規模で見るとオプナスの何倍~何十倍にもなる企業ばかり。後から参入したオプナスがそうした企業と互角に渡り合うには、他社が持っていない独創的な製品が必要だったのだ。 また鍵という製品の性質上、小まめな対応力が重要になる。というのも、ある手口で鍵を開ける犯罪が問題になったら、新たな被害を防ぐため、迅速に対応策を講じる必要があるからだ。そうした不慮の事態にも素早く対応してきたことで、顧客からの信頼をオプナスは勝ち得てきた。

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職場としての魅力

小まめな対応力は、社員にとっての働きがいにもつながってくる。例えば製品の不良に気付いた場合、「不良品かもしれない」という段階でも自ら申し出てリコールする。製造するものが鍵だけに、万全を期すのが大前提。顧客重視で考える会社の在り方に、誇りを持って働いている社員も多いことだろう。 それ以外にも、中小企業ならではの魅力がある。実はメモリスが製品化するまで、構想から実に9年もの歳月を要していた。それだけの期間を掛けてでも製品化できたのは、短期的な利益を追わず、長期的な視野で考える会社の姿勢があったからこそだ。 さらに製品を開発する際には、設計、製造、営業の各担当者がそれぞれの職場の垣根を超えて意見を出し合える。そうして完成した製品が使われるのは、街中の至るところ。レジや自販機、住宅の玄関など、自らが携わった製品を見掛ける機会は非常に多い。こんな職場で働けば、自らの仕事に誇りを持てるはずだ。

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社長メッセージ
ただ製品を作るのではなく、新しいものを「生み出す」ことを考えるべき

代表取締役社長
峯村 陽一さん
――金庫用の鍵から始まり、自販機・住宅などの鍵にまで事業を広げてきました。今後について、どのような展開を視野に入れているのでしょうか。 例えば「決済当日なのに金庫が開かない」ということになったら、手形が不渡りになって、その会社の信用が失われる事態だってあり得ますよね。今日までそうした問題を起こさない、きっちりとした製品を作るために、まじめにコツコツと商売を続けてきました。 自販機の鍵、建築物の鍵と事業を広げてきまして、現在は海外への進出も始めています。海外事業も一気に推し進めるのではなく、地道にコツコツと拡大していくつもりです。 当社はただモノづくりに特化している会社ではありません。アイデアを出して、それを形にする会社です。 これまでは国内のお客様に限ってお取引してきましたが、「海外でも使える製品を作ってほしい」というニーズが寄せられるようになってきました。お客様のニーズに応えるために、当社も海外での事業展開や物資の海外調達など、日本という枠にとらわれない活動をしていかなければいけません。 また、そうして海外に目を向けると、海外のお客様からのニーズにも気付くようになるでしょう。海外でのニーズに応えるために事業の幅をさらに広げ、国境を超えて喜んでいただけるような製品を作っていきたいと考えています。 単純に製品を作るだけでは、日本の未来は明るくなりません。そうではなく、新しいものを「生み出す」ことを考えるべきでしょう。 世界に目を向ければ、何十億という人がいます。そのニーズは本当に無限大で、それに応えられるか否かがメーカーにとっての存在価値になってくるのではないでしょうか。 今の若者にも、「生み出す」仕事を志してほしいのです。世界中の人に喜んでもらえるものを「生み出す」ことに、大きな喜びを見出せるようになってください。

09.jpg 代表取締役社長 峯村 陽一さん

先輩メッセージ
メモリスの重要な機構を設計。製品が完成した瞬間には、大きな達成感が得られた

設計課 課長
谷さん
――まずはオプナスに入社した経緯から教えてください。 昔からモノづくりに対して漠然とあこがれを抱いていました。地元が秩父で、オプナスの埼玉工場がある地でしたから、就職活動中に工場見学をさせてもらいました。 実は、その時までオプナスが鍵を作っている会社だとは知らなかったのです。その事実を知り、自分の生活の身近なところにあるものを作っている点に興味を持ちました。 また、専門学校時代の先輩が働いていたので、先輩から直接話を聞けました。雰囲気の良い会社だということが伝わってきたことが、入社の決め手になりました。 自動販売機のハンドルロック、そして「メモリス」の設計にも一部、携わりました。 メモリスでは、キーチェンジをする際に必要な機構があり、その部分の開発・設計に携わりました。実際に製品ができあがった段階で、社内の品質管理部門で検査されるのですが、検査に合格するまでに苦労しました。設計や製造の社員が一致団結して、改善策をいろいろと話し合って試してみたことが、今でも思い出に残っています。 品質管理部門での検査は、破壊検査や耐久試験など、さまざまな観点から評価されます。耐久試験では数十万回も実際に鍵を回してみますし、「こんな使い方は絶対にしないだろう」と思うような使い方も試してみます。そんな過酷な検査に合格できるような製品にするために、材質を変えたり、コーティング剤を使ってみたりと、みんなで試行錯誤した末、製品化にこぎ着けました。 そうして苦労した製品が完成した瞬間には、当然、大きな達成感が得られます。そして、実際に使われているのを目にした時には充実感も感じられます。何気ない日常生活の中で、自分の作った製品が使われているというのがうれしいです。多くの人の日常に安心感をもたらせることを誇りに思います。 「作る」ことだけでなく、「創造する」ことを意識してください。創造する仕事はやる気につながります。やる気があれば、自分で考える習慣が身に付いていくことでしょう。そうなると仕事の覚えも早いですし、何より何倍も仕事を楽しめますよ。

10.jpg 設計課 課長 谷さん
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先輩メッセージ
短所を直すのは難しいので、短所は長所で補っていこう

製造部 主任
松岡さん
――現在のお仕事の内容を教えてください。 高校を卒業してから11年間、ずっと鋳造を担当してきました。鋳造というのは、鉄やアルミなどを液体状に溶かし、型に流し込んで製品を形作っていく工程です。最近では、自動販売機の鍵の部品を鋳造していました。 そして8月からは、品質管理課へ異動することになりました。 最も気を使うのは温度の管理です。気温が1度変わるだけで、良品になるか不良品になるかが変わってきます。 日によって違うどころか、ロットごとに出来映えが違うこともよくあります。いかに均一な品質で、良品だけを鋳造できるかが、私たちの技量にかかっているのです。 例えば、目に見える範囲で温度調整するくらいのことは、慣れてくれば誰にでもできます。その日の気温に合わせれば良いわけですから。そこから踏み込んで、環境の変化に応じて設備を微調整するのは、これはもう感覚の領域。職人の感覚頼りになってきます。 11年携わってきて、これまで何度も失敗をしてきました。しかしその都度、先輩方に手伝ってもらい、糧にしてきました。自分が技術をある程度身に付けることができたのも、先輩方や職場環境に恵まれたからだと感じています。 自分が主任になった時には、やはり不安がありました。けれど同時に、これまで先輩方に教えてもらったことを、そのまま活かして後輩を育てていこうと考えました。 特に意識しているのは、「短所を直すのは難しいので、短所は長所で補っていく」ことです。短所を長所で覆い被せて隠してしまう、という感じでしょうか。 自分が苦手に感じていることや、向いていないと思うことをやっていても辛いだけです。逆に自分に適している仕事であれば、楽しく思えるはずです。 仕事を楽しむためには、職場の人との関係も大切になってきます。当社の理念には「日々の進歩を作り出す」というものがありますが、進歩を作り出そうにも1人でやっていては限界があります。いろいろな人と良い関係性を築いてこそ、仕事は楽しくなるものです。そんな職場・人間関係を生み出すことが、自分たち年長者の役割だと考えています。

12.jpg 製造部 主任 松岡さん
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