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斎藤遠心機工業 株式会社

斎藤遠心機工業 株式会社 オーダーメイドの遠心分離機で、再生エネルギーや医療等の最先端研究を支援<br>「現状維持は衰退」。創業から86年、常に顧客のために改良を重ねて生き残ってきた遠心分離機の専門メーカー

斎藤遠心機工業 株式会社

オーダーメイドの遠心分離機で、再生エネルギーや医療等の最先端研究を支援
「現状維持は衰退」。創業から86年、常に顧客のために改良を重ねて生き残ってきた遠心分離機の専門メーカー

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輝く技術 光る企業

斎藤遠心機工業 株式会社

オーダーメイドの遠心分離機で、再生エネルギーや医療等の最先端研究を支援 「現状維持は衰退」。創業から86年、常に顧客のために改良を重ねて生き残ってきた遠心分離機の専門メーカー

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  • 社名:斎藤遠心機工業 株式会社
  • 設立年月:1941年7月
  • 資本金:4000万円
  • 従業員数:32名
  • 代表者:代表取締役社長 齋藤 光生
  • 社員平均年齢:41歳
  • 初任給:ホームページを参照願います。
  • 主な勤務地:東京工場又は本社
  • 休日:第1,3,5土曜日、日祭日、夏季、冬季休暇、有給休暇
  • 本社所在地:東京都大田区羽田1-8-7
  • 電話番号:03-3743-1116
  • 公式HP:http://www.saito-separator.co.jp/
  • ・食品から再生エネルギーまで。幅広い用途に応える遠心分離機を提供
  • ・顧客の要望に応える対応力。向上心ときめ細かな対応が生き残りの鍵
  • ・最先端技術の研究者を支援。社員の主体性を重んじる企業風土
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業種

遠心分離機の企画、製造、販売、修理。プラントの設計、施工

事業紹介

私たち斎藤遠心機工業は、「つねに時代を一歩先取りし、新しい可能性を拓く……」を基本理念に、わが国における遠心分離機のリーディングカンパニーとして、たゆまぬ努力を続けてきました。ユーザーのご要望に、的確に、そして幅広く対応することで大きな信頼を獲得。
国内はもとより、国際的にも評価を高め、東南アジア諸国をはじめ、東アジア、オーストラリアなどで多くの納入実績を誇っています。
これからは、さらにキメ細かな対応と、オーダーメイド感覚のマシンが求められる時代。斎藤遠心機工業は、豊かな発想と開発力で多彩なニーズにお応えしてまいります。

何を作ってる?

水の入ったバケツを手に持って、大きく回転させても水はこぼれない。バケツ内の水を回転の外側に引っ張る慣性力、いわゆる“遠心力”が働いているからだ。斎藤遠心機工業はその遠心力を使って混合液を分離する遠心分離機の専門メーカーだ。 混合液は混ざり合っている物質間の比重に差があるため、底に沈むまでの速度が違う。遠心分離機は、遠心力を掛けることで沈む速度を加速させ、短時間で異なる成分を分離させる。用途は幅広く、食品・化学・製薬などのさまざまな分野で使用されている。 同社の創業は1926年。油やでんぷんの精製といった食品分野での活用は当初から盛んで、現在も東南アジアを中心に、海外への販売展開に力を注いでいる。 また最近では、リサイクル分野での利用も活発。廃液からの油分回収や、使用済み研磨剤の再利用、工場排水のろ過処理、バイオエタノールなどの再生エネルギーの精製などにも役立てられている。

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会社の強み

顧客の要望に合わせて最適な遠心分離機を作る対応力が、同社最大の強みだ。 装置の仕組みは同じでも、用途によって中に入れる物質の性質や一定時間に分離させる量が違う。「食品のうまみを残すために回転数を下げたい」「腐食に強い素材を使いたい」といった顧客の要望に合わせて、装置の大きさや回転数の設定、材質などを変更する必要があるのだ。 そうした対応を大手メーカーはほとんどしておらず、有力企業の中で対応しているのは斎藤遠心機工業だけ。同社代表取締役社長の齋藤光生氏は対応力にこだわる理由について、次のように話している。 「現状維持は衰退だと考えています。今の市場に出回っている装置より良い装置を、顧客から要望があったら他社に負けない機能を付けて提供することを信条としています。 当社は、遠心分離機専門メーカーの中で1〜2番目に小さい会社です。小さいながら長く続いているのは、大手ではできないきめ細かな対応と、常にお客様により良い商品を提供していきたいというこだわりを大切にしているからなのです」

05.jpg 顧客の要望に合わせて最適な装置を設計

職場としての魅力

斎藤遠心機工業が手掛けるのは、大手企業に納める大規模な装置だけではなく、研究開発を行う研究所などに向けた小規模な一点物の装置も多い。例えばナノレベルで物質を分離する装置や抗体医薬の研究に使う装置など、どのような装置にすれば研究目的を果たせるかと深く踏み込んで研究者と一緒になって検討することもある。市場に出る前の技術に密接に触れられ、研究者を助けることができるのは同社で働く大きな魅力だろう。 また同社は、手を挙げれば機会が与えられる会社だ。「折に触れて、『こうなりたい』とか『こうしたい』といった人のキャリアについて考える場を作っています。その中で主体的にやりたいことが出てきたら、喜んでやらせます。失敗しても、そこから何かを学んでもらえれば良いのです」(齋藤氏)

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社長メッセージ
今は小さな市場でも、環境・生活・生命にかかわる領域に真っ向から取り組んでいく

代表取締役社長
齋藤 光生さん
――海外展開や研究開発など、今後の展望について教えてください。 世の中が変わっても社会に必要な会社であり続けるために、次の三つの事業が重要だと考えています。 一つ目はでんぷんや油といった食品の領域。世界規模では今後も人口が増え続けるので、需要はなくなりません。当社では、タイ、ベトナム、インドネシアといった東南アジアの農業国での事業拡大を目指しています。会社として売上を増やしたいという思惑もありますが、遠心分離機が東南アジアの国々が発展する一助になれば、という思いもあります。 続いては新しい分野の研究です。抗体医薬やファインケミカルなどの領域では、サブミクロン、ナノといった単位での高度な分離・抽出の技術が求められるようになってきました。そういった新しい分野の研究開発にも着手していきたいと思っています。 最後は環境・リサイクル。例えばバイオエタノールやバイオディーゼルといった再生エネルギーや、廃棄物からの素材の再利用の分野を拡大していきます。 いずれも今は小さな市場です。でも、いつかは大きな市場になることを信じてやっていきます。環境・リサイクル、人の生活や生命にかかわる領域は、流行り廃りなくずっと続いていくものです。真っ向から取り組んでいきます。 どんな仕事でも、やりがいは見出せると思うのです。そのためには自分がどうステップアップしていくかを常に考えながら仕事することが大切です。せっかく縁があって勤める会社ですから、自分を磨くための努力をしていただきたいですね。 若手の技術者の皆さんは、これから世界を相手にしていくことになります。若いうちにすべきことは、「この機械がどういうところに役立って、どういう必要性があるのか」を考え、一分一秒でも早く作ることです。また、そのための技術を磨くことです。それがいずれ成長して、海外で指導する立場になった時や独立した時などに、大きな糧になるはずです。

08.jpg 代表取締役社長 齋藤 光生さん

先輩メッセージ
「お客様の技術や製品に貢献している」と感じられた時は喜びもひとしお

営業技術課
小磯さん
――入社のきっかけと、仕事内容を教えてください。 モノづくりには元々、とても興味がありました。当社を紹介された時に、「遠心分離機という自分には未知の装置がどのように作られているのだろう」と好奇心に駆られ、当社に入社しました。 今は、営業技術課で事務職と技術職の両方を担当しています。事務所にいれば電話対応、見積書作成をし、現場に出れば試運転、メンテナンス、トラブル対応など、何でもやりますね。 実は、技術職はまったくの未経験でしたが、入社して工場で組み立ての仕事を教わってメンテナンス方法などを覚えました。そこで身に付けた技術と経験が今も生きています。 情に厚く面倒見の良い先輩が多いところです。入社1年目の時、組み立てが終わって試運転するところで、どうも装置の調子が良くないことに気づきました。原因が分からず夜遅くに1人で困っていたら、先輩が親身になって相談に乗ってくれました。アドバイスに従って調整をしたところ、無事に復旧したのです。普段は寡黙な人でも、困っている時や自分から質問した時などには親切に説明してくれます。面倒見の良い先輩にとても恵まれた職場だと感じています。 それ以外では、当社のお客様は乳業や飲料から半導体まで、本当に幅広いのです。最先端の技術や製品を直接目で見て肌で感じる機会が多いのも、魅力の一つです。 メンテナンス関係の仕事で全国各地を回る中で、お客様の工場にも入らせてもらえます。そこで当社製品が使われている現場を目にすることができるので、当社製品がお客様に貢献できていることをあらためて実感し、やりがいを感じます。 テレビや新聞などで、当社製品を使って実現したお客様の技術や製品が紹介されることもあります。そういう時は喜びもひとしおですね。 後輩も少しずつ入社していますので、指導する側になることも増えてきました。どうやったらうまく伝えられるのか、教えるための説明方法も大切だと実感しています。 後輩と一緒に切磋琢磨しながら、がんばって成長していけると良いなと思っています。 当社は少人数の会社ですが、仕事は幅広く面白いですし、やりがいがあります。企業の規模や知名度こだわる学生さんの話をよく聞きますが、自分の思い描いているイメージと多少違っても、視野を広げて就職活動をすることで、本当に自分に合う企業に出会えるのではないでしょうか。

09.jpg 営業技術課 小磯さん

先輩メッセージ
海外と英語でやり取り。学生時代には英語を使う仕事をするなんて思いもしなかった

製造部 資材課
朝隈さん
――入社の経緯を教えてください。 就職活動中に、あるサイトで当社を見つけました。学生時代に実験室で卓上型の遠心分離機を使っていましたが、当社の遠心分離機は大きさが全然違い、そこに興味を持ちました。 また、自社で設計から製造まで一貫して対応しているところにも魅力を感じましたね。 お客様への部品の発送や、現地でメンテナンスをする人への部品の準備や発送を担当しています。 また、一から図面を起こして新しく装置を作る際の材料調達と、当社ではできない加工を加工業者さんに見積もりを取って発注する業務も担当しています。 一から図面を起こして装置を作る仕事に初めて携わった時のことです。会社としても初めて作るものですから、本当に手探りの状態で加工業者さんに加工を依頼していました。 不手際が多く、加工業者さんから「ここ、寸法書いてないけどどうなっているの?」といった問い合わせが頻繁に来ました。問い合わせの中で使われている専門用語も分からない状態だったので、まずは先輩に専門用語を教えてもらうところから始めましたね。 何とかできあがって、最後に完成品になった時にはすごくうれしくて、今でも記憶に残っています。 「分からないことを分からないままにしない」ということです。専門用語が分からないと話の流れについていけなくなってしまいますので、その都度その分野に明るい人に聞くようにしています。その際には、同じことは2度と聞かないつもりでメモをして、自分の知識として蓄えるようにしています。 今後は、どんな製品でも図面を見るだけで、加工内容や部品が納品されるまでの期間などをイメージできるようにしていきたいと思っています。 まず、人が温かいところですね。それから、いろいろなことを任せてもらえるのが中小企業ならではの魅力だと思います。 例えば海外とのやりとりでは、見積もりを取って発注する過程がすべて英語です。学生時代は私が英語を使う仕事をすることになるなんて思いもしませんでした。大変なこともありますが、達成できた時はやりがいを感じられるのが良いところです。 少しでも興味があったら、迷わず飛び込んでみることをお勧めします。 まずはやってみること。やってみる中で一所懸命がんばれば、必ず良い結果となって自分に返ってきます。「行動する」ということが本当に大事なので、ぜひ心掛けてみてください。

10.jpg 製造部 資材課 朝隈さん