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株式会社 島田電機製作所

株式会社 島田電機製作所 開発という新分野にもチャレンジ!社員へのリターンも惜しまない<br>2007年、上海にも進出!エレベータ用ボタン、ランタンに特化した歴史ある会社

株式会社 島田電機製作所

開発という新分野にもチャレンジ!社員へのリターンも惜しまない
2007年、上海にも進出!エレベータ用ボタン、ランタンに特化した歴史ある会社

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株式会社 島田電機製作所

開発という新分野にもチャレンジ!社員へのリターンも惜しまない 2007年、上海にも進出!エレベータ用ボタン、ランタンに特化した歴史ある会社

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  • 社名:株式会社 島田電機製作所
  • 設立年月:1949年2月24日(昭和24年)
  • 資本金:1,200万円
  • 代表者:代表取締役社長 島田 正孝
  • 従業員数:50名
  • 所在地:【本社・工場】東京都八王子市大和田町3-11-1
    TEL:03(3300)1341(代)
    FAX:03(3307)8912
  • 公式HP:http://www.shimada.cc
  • 世田谷区北烏山の閑静な住宅街の中にある島田電機製作所。昭和調のレトロシックな風情のただよう建物の中で38名の社員が働いており、エレベータボタンやランタン(ランプ)などのこだわりあるオーダーメイド受注生産が行われている。今回はそんな島田電機製作所を訪ね、日々の業務や2007年から進出している上海にまつわるお話などを伺った。
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「ビルが増えればエレベータ需要が高まる」優れた先見の明から生まれた製作所

「『これからは日本にビルが増える。ビルにはエレベータが必要になる。だからエレベータ部門が今後発展する』という考えの下、エレベータ部品の製造を始めました。第二次世界大戦中は軍需のために半ば仕方なしに飛行機部品を手がけましたが、戦後になって、やはりエレベータがやりたいということで、1949年に株式会社として再発足しました」と話す、島田電機製作所の島田正孝社長。 今でこそ、大手さまざまなエレベータメーカーと取引をしているが、もともとは、飛行機部品も手がけていた。同社の企業ロゴに翼がついたものが使用されているのも、その名残からだ。

shimada-denki_ph01.jpg 島田 正孝社長

唯一無二のボタンやランタンを目指して。それこそが、私たちの生きる道。

島田電機製作所が現在手がけているのは、エレベータのホールボタンやホールランタン、階数を表示するインジケーターなど。しかしひと口にボタンやランタンと言っても多種多様のデザインがあり、眺めていて飽きがこない。「第二の玄関」とも言われるエレベータは各ビルの個性を現す存在。そこにはこの会社の設計や製作技術が生かされている。 島田社長は言う。 「ボタンなどのデザインは、取引先のエレベータメーカーから指定されることも、社内で設計を行うこともある」と。やはり誰もができるデザインを提案していてもクライアントは期待してくれない。「島田電機だからこそ生み出せるアイデアを提案していきたい」(島田社長)。

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中国のエレベータ市場は日本の約7倍。大規模マーケット開拓に打って出る。

島田電機製作所の活躍の場は日本にとどまらず、2007年9月に上海に代表所を設立した。 中国進出のきっかけを島田正孝社長はこう話す。 「日本では、年間2万7千台ほどのエレベータが作られているのに対し、中国では年間約20万台と約7倍の市場規模があります。しかもそれが毎年20%ぐらいずつ伸びている。そういったデータを踏まえて、2006年に中国で開催された国際エレベータ展覧会に製品を出展したところ、現地エレベータメーカーがいずれも大きな興味を示したので、更なる市場調査を行うこととしました。そこで2007年には上海代表所を設け、一年かけてF/Sを行い、その結果を踏まえて2008年には工場も含めた島田電機(上海)有限公司を設立しました」(島田社長)。 データに裏づけされているとはいえ、思い切った選択のようにも感じるが、それについては、「日本のエレベータの需要は伸び悩んでいますから、成長のチャンスを掴むならば外にも目を向ける必要性があったんですね。中国は魅力ある大市場ですし、そこに早期に乗り出せたのは良かったと思います。ホールランタンなどに特化している会社は日本では唯一、海外でもほとんど例を見ません。私たちの培ってきた特殊技術やノウハウを海外でも発揮できるのが嬉しいです」と話してくれた。

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「中国では個性的なデザインが好まれる」日中の嗜好の違いが明らかに

当然と言えば当然だが、日本と中国ではデザインの好みがずいぶん異なる。 「日本で好まれるのはシンプルながらもこだわった意匠。求められる精度が高く、キズ1つついているだけでも出荷ができないほどの厳しさがあります。それに対して中国は細かいことには、おおらか。日本ほど意匠に関するこだわりがありませんが、どちらかと言うと派手でユニークなものが好まれる傾向にあります」と日本と中国のデザインの考え方やギャップについて話してくれた。 同社は、もともとオーダーメイド受注生産を行っており、高級なものや特殊なものが得意分野だった。そのため、エレベータ部品に関するこだわりの弱い中国では当初は戸惑いも感じましたが、徐々に傾向が掴めてきたのだそうだ。 現在は、1年半ほど前から島田社長は拠点を上海に移している。上海オフィスには現在18名が勤務しており、日本人は社長を含めて3名のみ。異国でのお仕事や生活には苦労もいろいろとあっただろうが、中国マーケット開拓を進める島田社長の表情には、心労よりも充実感や期待感が見て取れた。

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開発という新分野にもチャレンジ。社員へのリターンも惜しまない

もちろん、上海だけでなく、肝心の東京本社も日々新しい成長を遂げている。2008年には社内に「開発グループ」が立ち上げられたのだ。今まで自社開発製品のなかった同社だったが、社内でLED開発を行うようになり、開発という新分野に手を広げるきっかけになった。 このようにさまざまなチャレンジを続けている同社では、『がんばった社員を評価する』という姿勢を貫いている。10年ほど前に島田正孝社長の叔父にあたる島田清四郎社長が就任し、それを機に『古い体質から脱却する』ことを目指して経営をすすめてきた。そのため、現在勤務している社員も入社10年未満のフレッシュな人たちが多く、上下の差のない風通しの良い雰囲気に包まれている。オフィスや工場で働く人たちの様子は勤勉そのもので、こだわりのあるエレベータ部品を作り上げるということに誰もが大きな誇りを感じているようだった。島田電機製作所は、エレベータのようにぐんぐんと着実に上っていくに違いない。

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先輩インタビュー
営業技術部・設計課

林 永生子さん 「入社前に都の主催する職業能力開発コースでCADを学んで入社のチャンスをつかみ、入社後にはAutoCADという設計ソフトをあたらしくマスターしました。設計は想像以上に難しい作業ですが、自分が平面図で描いたものが実際に工場で組み上げられて完成した時の喜びはひとしお。分からないことがあれば先輩方にすぐ聞けるという環境も気に入っています。他業界を渡り歩いてきた私ですが、これから先は設計一本で行きたいと思っています。モノづくりのレベルを高めるのはとても大事なことですが、まずは大好きなモノづくり企業に入社するというチャンスをつかんでほしいと思います」

shimada-denki_ph09.jpg 林 永生子さん
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先輩インタビュー
「ほぼ未経験からのスタート。教えてもらいながら技術を磨けました」

製造部 村岡 鎮さん クライアントや設計士の手による図面を、実際の製品として組み立てるのが製造部のお仕事です。島田電機製作所の製造部はアクリル、板金、組立、検査という作業プロセスによってグループ分けがされています。マシニングセンタなどの設備を使って透明や乳白色のアクリルを加工するアクリルグループに所属する村岡鎮さんは、入社3年目。 「林さんと同じで、私もトラックドライバーなどの他業種を経験してきたのですが、結婚をしたこともあって安定した安全な仕事ができたらなと。そう考えているうちに見つけたのがこの会社です。私は工業高校出身で、製造業に勤めたいという気持ちがありましたからちょうど希望通りだったのです。アクリルグループの中でも加工を担当する人と、仕上げのバフ磨きを担当する人に分かれており、私は加工担当です。ほぼ未経験でしたから段取りや加工の方法など、最初は分からないことがたくさんあって戸惑いました。周りの方に教えてもらいながら、今のようにスムーズに仕事ができるようになったのです。自分の手がけた製品が実際にオフィスビルなどに据えられているのを見るのは誇らしい気分です。これからも初心や新鮮な感動を忘れずに、毎日の仕事に取り組んでいきたいと思います。」

shimada-denki_ph11.jpg 村岡 鎮さん
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