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大成技研株式会社

大成技研株式会社 大成技研の挑戦は、世界標準となるための拠点づくり・仲間づくりを目指す<br>フィルトレーションというニッチな業界の世界標準。 それは、あるファイバーとの出会いからでした。

大成技研株式会社

大成技研の挑戦は、世界標準となるための拠点づくり・仲間づくりを目指す
フィルトレーションというニッチな業界の世界標準。 それは、あるファイバーとの出会いからでした。

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輝く技術 光る企業

大成技研株式会社

大成技研の挑戦は、世界標準となるための拠点づくり・仲間づくりを目指す フィルトレーションというニッチな業界の世界標準。 それは、あるファイバーとの出会いからでした。

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  • 社名:大成技研株式会社
  • 設立年月:1986年6月19日(昭和61年)
  • 資本金:授権資本120,000千円  払込資本 40,000千円
  • 代表者:

    斎藤 義貴

  • 本社所在地:東京都足立区南花畑4丁目32番4号

    【本社工場】東京都足立区南花畑4丁目32番4号
    TEL:03(3858)8701(代) FAX:03(3850)4810

    【関西支店】大阪府東大阪市中新開2-6-37
    TEL:0729(60)4801 FAX:0729(60)4802

  • 公式HP:http://www.taiseigiken.com/
  • 「マルチエレメントとして商品化した不思議な繊維との出会いが、大成技研の始まりです。」斎藤社長からは、同社の創業からの快進撃を想像させる力強い口調でお話しいただきました。それまでは、静電気を活用したオイルクリーナーを販売する仕事に携わっていた斎藤社長に、運命的な出会いがありました。「静電気ではゴミだけしかとれません。水は通電してしまうからダメだし、酸を除去することもできない。ゴミ以外にも水や酸が除去できれば、お客様も喜ぶし、商売としても拡大する。汚れ以外もとれる技術はできないだろうか、そんなフィルターがあったら良いのになぁ・・・・。」斎藤社長は、その頃のことをこう振り返ります。「いつも呟いていたようです。それは、念仏のようだと、いわれましたね。でも、強く念じて考え続けていれば、運が来る。それをつかまえることができる。それが、不思議な繊維との出会いだったのです。」
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業種

各種浄化装置製造、販売・トラパック(真空ポンプ用液体除去装置)・オイルクリーナー(油水分離機&油浄化機)、排気ガス用粉体フィルター及び水系浄化装置の設計・製作・販売。当社固有のフィルターエレメント技術を保有しております。

事業紹介

油浄化装置の製造・販売、油水分離装置の製造・販売、水系洗浄液浄化装置の製造・販売、気体用粉体除去装置の製造・販売、各種浄化装置の設計・製造・販売、各種フィルターエレメントの設計・製造・販売、前各号に付帯する一切の業務

「これは面白い」と惚れ込んだマグネットファイバー

「それまでのオイルクリーナーでできないことが、これならできる。面白いでしょう。」斎藤社長の口癖は「面白いでしょう?」。その言葉の裏側には、マルチエレメントに出会うまでの苦労があったからでしょうか。「大成技研を起業する前は、半導体製造装置や真空装置に装着されている油回転真空ポンプ向けのオイルクリーナーを販売していました。なぜ、オイルクリーナーが必要なのか。それは、各装置から出てくる粉体や水分、化学反応等で生成された酸が油に溶け込むから、頻繁にオイルを交換しなくてはならないし、極端なことをいうとポンプが壊れてしまうのです。それを軽減し、オイルクリーナーのフィルター交換のみで済むようになれば、大きなコスト削減が可能となるわけです。」半導体製造で莫大な投資額が常に必要となるのは、このようなポンプの破損や交換等が頻繁に起きていたからということも要因の一つでした。  「しかし、粉体がとれるのはあっても、水や酸をとるものはなかったのですね。何かないかな・・・と、いつも考えて仕事をしていました。困っているお客様を目の前にして、自分は粉体をとるものしかお勧めしていないわけですから。そうしているうちに、水分をよく吸収する繊維を紹介する人と出会ったのですよ。その時からです。『これは、面白い。』」  大成技研のエレメントは、特殊イオン交換繊維でできています。その繊維にオイルに溶け込んだ粉体や水分・酸が吸着されます。それは、ちょうど、磁石に吸い寄せられるようなもので、斎藤社長はこれを『マグネットファイバー』と呼んでいます。このエレメントを通過すると、オイルはクリーンな状態に戻ります。この基礎技術を応用することによって、油水分離機や半導体・液晶製造装置(CVD・エッチング・インプラ)から排気されるガス反応生成物(微粉体)を除去する排ガス用トラップへと商品ラインナップを拡大していきました。「ちょうど、当社がオイルクリーナーを開発・発売を始めた頃から、半導体が産業の主役となってきて、業績も順調に拡大できました。それも、このマグネットファイバーとの出会いです。面白いでしょう。」

taisei_ph01.jpg 斎藤 義貴社長

マルチエレメントが拓く新市場の可能性は無限大

「マルチエレメントの技術を他のマーケットで活かすことはできないか。それが最近の当社の課題です。ラッキーなことに、真空技術はほとんどのモノづくりで活用されているので、どんどん売り込みをかけることができます。最近では、リチウムイオン電池等の分野にも積極的な営業活動を展開しています。当社の場合の営業活動のユニークなものは、サンプルを造って営業先に置いてきます。『貴社製品向けにと当社が研究開発して試作しました。使ってみてください。』と・・・。皆さんびっくりされますが、悪い気はしない。これができるのも、独自技術に自信があるからです。そのような営業活動が好走して、評判を生み、新たな受注や開発案件を持ち込まれることもあります。そのような営業活動を通じた広がりの中で、環境分野への製品開発等、新たな市場開拓も順次進めています。」  オイルクリーナーからスタートした大成技研のコア技術は、様々な可能性を開花させています。

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目指すのは世界標準。そのための布石も着々と進めています

「半導体では、海外との取引がようやくスタートできそうです。」斎藤社長は、韓国語・中国語の商品パンフレットを手に海外展開について、熱く語ります。大成技研が海外展開を目指して営業活動を初めて10年。ようやく合弁会社を設立し、製品の納入を果たすところまできました。「これはあくまで私的な意見ですが、アジアは1つの市場として考えて、取引を進めていかないとだめです。確かに、文化の違いや商慣習の違いはあるのですが、最終的には、それら全てを乗り越えていくのは、素晴らしい仲間、ネットワークを造ることだと思います。それには、お互いが同じだよね。という共通認識が必要なのです。」そして、その先にあるのは、「フィルトレーションというニッチな業界で世界標準となることが目標です。そのためには、新興国には、そのマーケットに即した価格と価格に見合う機能で展開することで、市場を創造することが必要です。先進国には、既にあるマーケットに対して、当社の技術力で積極果敢に切りこんでいくことが必要です。そのための布石として、海外拠点や販売代理店・合弁会社の設立に向けた準備も着々と進めていきます。」世界標準となるための拠点づくり・仲間づくりを目指して、大成技研の挑戦は続きます。

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まず、この商品に惚れ込んだ人と仕事がしたい。

斎藤社長が欲しい人材。それは、マルチエレメントに惚れ込んでくれる人です。 「当社は少数精鋭の会社なので、一緒に仕事をしていて楽しい人でないとイヤなのです。そのためには、自分と同じように、このマルチエレメントに惚れ込んでくれる人でないとだめです。『これは面白い。』と思ってくれないと。そのためには、他社の技術との違いを理解することが大切です。 当社のマルチエレメントは、自動車でいえばスポーツカー。軽自動車と比較すると、当然、スピードやパワーは違いますよね。それをわかって、惚れ込んで、でも、スポーツカーが軽自動車と同じような価格で提供できる。という感動を売り込んで欲しいのです。」  大成技研の明日を拓くのは、マルチエレメントの無限の可能性に惚れ込む人。フィルトレーションでの世界標準を目指した挑戦は、今日も続いています。

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先輩メッセージ
半導体・液晶製造業界のコストダウンに貢献しています。

技術営業部 部長代理 長久保 宏貴さん モノづくりをしたかったのですが、社長から「君は営業に向いているね。」と言われ、その後は営業を担当することになりました。技術営業は大変ですが、非常にやりがいを感じています。それは、お客様の課題をお聞きし、それを当社の技術でどのように解決していくかという提案をしていくからです。当社製品のことはもちろん、競合他社製品の技術や特徴、そして当社製品の周辺技術等、身につけなくてはならない知識も技術も膨大です。 営業ですので、お客様の新工場建設に向けたコンペも多く担当しています。その中には、 既に当社に内示がでていたのに、お客様の担当者が直前に異動となり、一から価格交渉、 結果として失注してしまったことがありました。社長とも相談、価格や機能を検討し、ステップ1では失注したものをステップ2では取り戻し、その後は順調な受注へと戻しました。当社にとっては大きな工場への導入案件だったので、影響も大きかったのです。その後は、非常に価格に対しても気を使うようになりました。  当社の技術は、日本のハイテク産業のコストダウンに確実に役立っています。中には、当社製品を導入したことで、真空ポンプの交換をしなくて済むようになったとのお褒めの言葉を頂いたお客様もおられました。日本のモノづくりの中枢で、自分自身が役に立っていることを私は誇りに感じています。

taisei_ph05.jpg 技術営業部 部長代理 長久保 宏貴さん
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先輩メッセージ
半経営者としての父に出会ったことは素晴らしい経験でした。

総務部 総務課 斎藤 里美さん ビジネスマンとして、経営者としての父は頼もしくもあり、そして厳しい人です。当たり前ですが、常に会社の中では社長と部下。ニッチな業界で世界標準を目指しているモノづくり企業のトップとして奔走している父を身近に感じながら仕事をすることは、素晴らしい経験になっていると実感しています。 2008年のリーマンショックの時は、急に注文が来なくなりました。ですので、今、本当に注文がいっぱいくるとうれしいですね。そして、その注文も含めた事務作業を的確に処理していくことが私に課せられたミッションです。 当社は、まだまだ中小企業ですから、大企業にはない経験が沢山できます。それは、個人に与えられた仕事が多方面に亘ることです。海外の企業とのやりとりや出張等もこれからは増えてくることでしょう。それが世界を目指している会社なのだと思います。

taisei_ph07.jpg 総務部 総務課 斎藤 里美さん
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先輩メッセージ
丹精込めて、自分の作品を造り上げる。 競走馬の調教とモノづくりは同じなのです。

製造部製造課 小口 道考さん 今の私の仕事は、製品の組み立て作業です。実際に、私が組み上げた製品が、工場の中でどのように取り付けられているのかは、写真でしか見たことはありません。いつかは、自分も様々な技術的な知識を身につけ、多くの経験を積んで、お客様の工場での取り付け等にも行ってみたいと思います。 入社してしばらくした時、かなり落ち込んだことがありました。それは、同年代の人ができることが、畑違いで入社してきた自分にはできないからでした。一時期はかなりのマイナス思考になりました。しかし、絶対的な経験量が少ないわけですから、それを克服するために、少しずつではありましたが、着実に自分のスキルをあげていきました。結果として、他の社員の方に頼ることなく、全て自分で製品を組み上げることができるようになったのです。完成した時には、なんともいえない達成感と満足感がありましたね。 私のように、未経験の世界に飛び込んできた時、一度や二度は壁にぶつかることはあると思います。その時に、地道にスキルを積み上げていく。経験を増やしていくことで得るものもあります。また、身に付くものも沢山あると思います。これから就職活動をされる皆さんもぜひ、未経験だから、畑違いだからと思わないで積極的にいろんなことにチャレンジして欲しいと思います。

taisei_ph09.jpg 製造部製造課 小口 道考さん
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先輩メッセージ
大きなモノづくりから小さなモノづくりへ 新たな世界を造る楽しさに終わりはありません。

製造部製造課 芥川 貴士さん そこで、同じモノづくりであればいいかなということで、大成技研に入社しました。今では、技術開発のお手伝いをしながら、機械の製造・組み立てをやっています。友人には、当社の製品が半導体装置を延命させる装置であると説明しています。建築の業界にいた時に比べ、労働時間も安定しており、友人にも顔色が良くなったねと言われるのが嬉しいですね。  元々、モノづくりは建築に限らず好きでしたから、あまり知識がない電気配線等の分野も本を読んだりして知識を自分で習得、できるようになりました。これはイメージですが、内装の時は、仕事の単位が大きなセンチだったのが、大成技研で製品を組み立てるようになってから、ミリ単位の細かい仕事になったような気がします。  当社には、他の業界から入社してきた人が沢山います。でも、他にはない技術を活用して製品を造っていますので、モノづくりの楽しさを満喫することができると思います。就職活動をされる皆さんも、そのような楽しさをぜひ見つけて欲しいですね。

taisei_ph11.jpg 製造部製造課 芥川 貴士さん
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先輩メッセージ
営業・開発・製造と、一人三役だから 満足度もやりがいも三倍です。

製造部技術課 技術営業課 課長 三浦 貴史さん 半導体産業は、製品の供給と需要の中でシリコンサイクルと呼ばれる在庫調整の波があります。これによって、ライン縮小とか工場閉鎖というようなことが繰り返されているわけです。自分にもその浮き沈みの波を受けることがわかった時、市場に左右されずに、自分の能力を活かせる環境に自分自身を置きたいと考えていたのです。そんな時に、斎藤社長に出会いました。そして、このマルチエレメントの可能性にこれからの人生を懸けてみようと決断したのです。そのことに今は、すごく満足しています。 私の仕事は、大成技研の三役にまたがっています。1つは営業をやります。お客様を訪問してニーズを拾ってきます。次に製品の開発をやります。必要があれば、図面設計も含めた技術開発もやります。最後に製造を担当します。製造のラインスタッフに仕様書や組み立てマニュアルを作成し、落としこんでいきます。ですから、一人三役になりますね。でも面白いですよ。満足度もやりがいも全方向から味わうことができますので。  ただし、時には、自分自身の思い込みで、お客様からお聞きしたニーズに対してオーバースペックにしてしまって設計図面を作成、プレゼンテーションしたら、ここまでは必要ないよというご返事を頂くこともありました。(笑) 製造部に組み立てマニュアルを渡した後、試作する時に、彼らが組み立てしやすい方法・手順で議論することもあります。その時は、何が最適なのかがテーマですから、上下関係なく議論します。これは、私と社長の間でも同じです。  当社のお客様の工場へ製品の取り付けで訪問することも多々あります。最近は、製造部の若手メンバーにも積極的に現場へ同行させるようにしています。それは、お客様目線で見たモノづくりや組み立て方法を理解してもらう目的です。 今後は、フィルトレーションの可能性を様々な分野に広げていきたいですね。具体的には食品や医療分野です。食品では、ファーストフードのフライヤーにオイルフィルトレーションとして参入できないかとか模索しています。医療・医薬品分野では、真空ポンプを使う凍結乾燥等の分野が有望だと思います。両方とも、大きいのは法律・規制の壁ですね。 でも、近い将来製品化できることを夢見て、日々研究・開発に邁進しています。

taisei_ph13.jpg 製造部技術課 技術営業課 課長 三浦 貴史さん
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