<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

文字サイズ

株式会社 テクノス

株式会社 テクノス 世界最高精度の自動外観検査システム<br>人間の“目”を電子回路化!人の目を上回る「ニューロ視覚センサー」

株式会社 テクノス

世界最高精度の自動外観検査システム
人間の“目”を電子回路化!人の目を上回る「ニューロ視覚センサー」

main_technos
輝く技術 光る企業

株式会社 テクノス

世界最高精度の自動外観検査システム 人間の“目”を電子回路化!人の目を上回る「ニューロ視覚センサー」

main_technos
  • 社名:株式会社 テクノス
  • 設立年月:1975年6月
  • 資本金:20,000千円
  • 従業員数:9名
  • 代表者:代表取締役社長 山田 吉郎
  • 本社所在地:東京都港区芝4-2-3 〒108-0014
  • 公式HP:http://www.technos.jp/
  • 「文部科学大臣発明奨励賞」を始め「中小企業庁長官賞」「東京都ベンチャー技術大賞優秀賞」といった数々の賞を受賞している株式会社テクノスのニューロ視覚センサーは、人間の目の機能に着目し開発された驚異の視覚分析技術です。製品システムの話を中心にお話を伺いました。
intro_img

業種

電子応用装置製造業

事業紹介

目視代替の自動外観検査システムの開発・設計・製造・販売・メンテナンス及びコンサルティング

世界に通じる技術力について
外観検査に革命を起こした「ニューロ視覚センサー」

自動車、鉄鋼、液晶などほとんど全ての製造業の分野では、製品が正常に機能するかどうかの機能検査に加え、“傷が付いていないか”“色ムラはないか”というような外観検査が行われています。これまで、外観検査は主に人間の目で行われていました。最終製品の消費者である人間自身の目が、外観の良し悪しの判断基準そのものとなるからです。 弊社の開発した「ニューロ視覚センサー」は、このような“人間の目に頼らざるを得なかった”外観検査に、革命を起こしたものです。ニューロ視覚センサーは人間の目と同じ原理を持ちながら、微細欠陥検知では人間の116.5倍、色ムラの検知であれば14倍の精度で検知することを可能にしました。この精度は世界一を誇り、世界12カ国で特許を取得しています。 このニューロ視覚センサーを軸として、販売・マーケティングから、技術開発・メンテナンスに至るまで、幅広く事業展開しています。

technos_ph01.jpg 山田 吉郎さん
代表取締役社長  技術士

“極度に小さいものを、どれだけ遠くから見ることができるか”

人間が見える限界は50μm(50μm=0.05mm)と言われています。要するに50μmサイズの欠陥であれば、人間の目で発見できるといえます。50μmの欠陥というものは、人の目の構造上、目視では対象物から20〜24cmの距離で「見る」ことができます。これを機械に置き換えた場合、従来のCCDカメラでは、人間の見える距離の1/3の距離までカメラを近づけないと見ることができなかったのです。 弊社のニューロ視覚センサーは、この50μmの欠陥を、1.8m離れたところから1.2m 幅の中で発見することを可能にしました。これがどういうことかと言うと、従来のCCDを使って1.2m幅の中の50μmの欠陥を見つけようとすると、対象物から75mmの至近距離で24台ものCCDカメラが必要になってきます。それがニューロ視覚センサーであれば1.8mの設定距離から1台で見つける事ができるのです。 さらに、注目してほしいのがピントの深さです。従来のCCDカメラの6000倍の性能を持っており、CCDだと対象物が0.1mmずれただけでピントが外れてボケしまっていたものが、ニューロ視覚センサーであれば±18cmずれてもピントが合うのです。この性能により、±18cmの範囲であれば対象物が動いてもOKですし、さらに車のような立体形状物の欠陥の検知も可能になったのです。

「ヒューマン センシング」により、人間の目の性能を

人間の目は、1m離れて0.1mmの「点」は見えなくても同じ幅の「線」になると見えます。外観検査では「点」の方は良品と判断するべきですし、「線」の方は不良品として検知しなくてはなりません。ところが従来のCCD方式のセンサでは0.1mmの「線」を検知しようとすると、同じ幅の「点」も検知してしまい、正確な検査ができませんでした。精度が高いだけでは、人間の目の代わりにはならないのです。ニューロ視覚センサーには、そういう場面でも人間と同じ感覚を持ち、自動で判別ができる機能を持たせてあります。さらに、これまで色ムラは人間にしか見られないとされてきましたが、その原理を研究し、世界で初めて人間の目視の14倍の精度で色ムラを検知することにも成功しました。

人間の目に映るものは全てが適用の対象に。 ニューロ視覚センサーが秘める無限の可能性

弊社のニューロ視覚センサーは、企業所得番付トップ38社のうち製造業には100%、さらに32業界のトップメーカーや東証1部企業240社以上などへの納入実績を誇ります。携帯電話用カメラのマイクロレンズ(最小0.09μm)検査から、30m×6mのタンカー甲板の表面検査までと、導入事例は多岐に渡ります。最近は製造分野にとどまらず、直径82m(10万キロリットルの場合)の石油備蓄タンクの検査や、道路やトンネルなどのメンテナンス分野でも使用されるようになりました。 人間の目を超えた弊社の製品は、そのアイデア次第で様々な用途に応用できる可能性を秘めています。人間の目でなければできなかった作業は、全て対象となりえます。ユニークな事例としては、判別しにくいスケソウダラのお腹と背中をニューロ視覚センサーで検知して、お腹を捌くという実績もあります。弊社の今後の課題は、このニューロ視覚センサーの認知度をさらに高め、いかにより幅広いマーケットに進出していくかということです。

求めている学生像、社員への教育・研修方法
お客様のニーズをつかむアンテナとコミュニケーション力が大切

新入社員は全員営業に配属されます。それはなぜかというと、弊社の事業が、お客様の要求に合わせて弊社の製品で何ができるかを提案していくことに他ならないからです。自社の製品についての詳しい知識はもちろん必要ですが、加えてお客様の様々なニーズを引っ張りだせる高いアンテナを持っていること、きちんとコミュニケーションがとれる人であるということが、とても重要になってきます。

知識得ることだけでなく、目標に向かっていく力を身につける

“学校でこんな知識を身に付けた”と面接でアピールされる学生さんがいらっしゃいますが、学校で学んだ知識がそのまま社会で通用するケースは多くありません。なぜなら、トップメーカーというのは、他社でやっている事を真似してればいいわけではなく、誰も思いつかなかったようなことに挑戦し続けなくてはなりません。誰もやったことがない課題を前に、そこで「どうやって取り組もうか」、「どうやって行動に移していこうか」という好奇心や向上心が必要になってくるのです。 指示されたことだけをするのではなく、能動的に行動し、得た知識をいかに活用できるかが大切になってくるのです。さらに言えば“自分の行動が、会社の利益に貢献しなければいけない”と考えられる、社会人としての自覚も重要です。

学生の目線〜企業の生の声を伺ってみて〜
文系からの「目」

文系の私は、就職活動で理工学系の企業を訪れたことがなかったのですが、今回テクノスさんに伺うことで、日本の技術力を引っ張っている人たちを身近な存在として感じることができました。 テクノスさんのお話を伺う中で羨ましく思えたことが、体系的な知識やそれに裏付けられた確かな技術力を「商品」として自信を持って提供できることです。ただ、そういった理工学的な技術力を元にした商品にも、色々な場に応用する際の発想力や、製品をいかに知ってもらうか、といった側面があり、そういう場面では文系の人が活躍できそうな気がしました。 勿論、テクノスの社員の方が仰ったように、最終的にはやる気の問題なのかもしれません。 ただ、いわゆる「文型」「理系」という溝は思ったよりも大きくなくて、むしろ考え方によっては文系の人の方が力を発揮できる場面もあるんだな、と思えたことが嬉しかったです。

technos_ph03.jpg 高田あゆみさん
早稲田大学 国際教養学部