
社会人として働く上で、どのようなスキルが必要なのでしょうか?
また、どういった能力を磨けば良いのでしょうか?
経済産業省が定義した「社会人基礎力」をもとに、企業の方々に、自社の社員にどのような能力を求めているかを伺いました。
「3つの能力/12の能力要素」からなる、「新・社会人基礎力」
経済産業省は2006年に、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎力」として、「社会人基礎力」を定義しました。
この社会人基礎力は、3つの能力と12の能力要素で構成され、個々人が持つ「基礎学力(読み・書き・算数・基本ITスキル等)」と「専門知識(仕事に必要な知識や資格等)」を、最大限発揮するために必要不可欠な能力とされています。
また、2018年には、自らのキャリアを切り拓いていくための「3つの視点」が新たに加えられ、「新・社会人基礎力」として見直されています。
※経済産業省 資料より

KISORYOKU01
武陽ガス株式会社
総務部小澤部長

主体性&実行力
自分から「主体的に動く」こと、考えるだけでなく「実行に移す」ことが重要だと考えています。
実は、当社はこれまで“受け身の会社” でした。しかし、ガスの小売り自由化によって地域の都市ガスが当社の独占市場ではなくなり、もう受け身ではいられない状況です。お客様に対して主体的に行動できる人材を求めています。
KISORYOKU02
FSX株式会社
藤波社長

主体性
仕事を自分事として捉え、自ら考え、課題を解決しようとする。日々の個人の業務においても、部署やチームでの作業においても、まずは主体性を持てるかどうかだと思います。
それが会社にとっては有益であり、本人にとっても探求心や向上心が生まれ、スキルがどんどん身に付き、新たな仕事にも興味がわいてくるはずです。
KISORYOKU03
ライトクルー株式会社
久保田専務

課題発見力
システムを作る上では、問題を見抜くことが大事です。
コンピュータは人が作るものなので、完璧なように見えてもどこかに必ず欠陥が潜んでいます。
正常に動作させるためには、そうした欠陥をなくした状態でお客様に提供しなければいけません。
注意深く不具合を見つけて、一つひとつ潰していく力が重要です。
KISORYOKU04
三立金型工業株式会社
石田会長

創造力
「人間は考える葦である」というように、考えることは生きることそのものです。
考え抜くことで自己の確立ができ、尊厳が生まれます。私は震災を機に、社会のお役に立てることを考えて、新規事業として女性用携帯トイレの開発を行い、イノベーションを起こすことができました。
KISORYOKU05
サンプリント株式会社
両国オフィス鹿島さん (入社6年目)

状況把握力
職場では、いつも複数の案件が同時並行しています。納期までに成果物を仕上げるには、それぞれの業務に必要な時間や労力をクリアにし、優先順位を付けてリズムよくこなしていくことが大切。
全体をコントロールするとりまとめ業務は、周囲との調整もポイントになって来るので、状況把握力が問われるシーンが多いと感じます。
KISORYOKU06
株式会社YAZ
田中代表

傾聴力
顧客の課題を発見し解決に導くためには、相手の話をよく聞くことから。
社会人になったら「自分目線だけ」は卒業して、顧客という「相手」の目線、「会社」の利益を考える視線を持つべきです。
チームで仕事を進めていく上でも、「まずは、相手の話を聞くこと」。その姿勢が円滑な仕事のカギです。
●第15号(2018年12月発行)掲載