エーウイングは、企業などのオフィシャルサイトをはじめ、採用や特設サイトの制作を手掛ける会社。顧客は23区と多摩地域がそれぞれ半分だが、最近は地元、多摩地域の顧客からの引き合いが増えているという。
　「当社はウェブ制作から派生する印刷物や動画制作も手掛けており、地元企業に依頼したいというお客様の多様な要望に応えています。地の利を生かして頻繁にお客様を訪問するなど、密接なコミュニケーションを図りながら信頼関係を築いています」と説明する門脇社長。　　
　また、地元の顧客が増加している背景には、もう一つ理由があるという。ウェブ制作会社はホームページを開設するまでを業務とする会社が多い中、同社は開設後の運用にも力を入れている。開設後も改善を加えながら顧客のブランディングやサービス提供を支援している。
　「ときにはホームページ開設の目的が曖昧なお客様もいらっしゃいます。そこで大事になるのがヒアリングです。お客様とのコミュニケーションを通して目的を明確化していくのも当社の役割。また、運用する中で新たな課題が発生したら速やかに解決策も提案しています」と門脇社長。まさにパートナーとして顧客に寄り添ったサービスを提供している。

頻繁に顧客を訪問するという草野さん。そんな行動力が顧客の満足につながっている

　同社で働く社員の主な職種は、営業、ウェブデザイナー、エンジニア。3職種の社員が連携し、協力することで顧客の課題解決を図っている。その意思疎通や情報共有をする上で最大限に活用されているのが複数のクラウドツール。業務の効率化や残業削減なども実現している。
　例えば、社員間の連絡は「チャット」が基本。短文かつ複数人でやりとり可能なため、情報共有の時間短縮につながったという。更に、各プロジェクトの様々な情報をパソコンや携帯上で全員で共有するなど業務の「見える化」を図り、無駄な用紙の削減と時短に努めている。
　「そのほか、営業活動支援ソフトも活用しています。売上目標とその達成率、進捗状況などプロジェクトを進める上で必要な機能が備わっており、今何をするべきなのかが、一目で分かります」（入社5年目、営業マネージャーの草野さん）
　こうした最新の“デジタル”なツールに加え、社員間の一体感を醸成するアナログな仕組みも導入。その代表ともいえるのが誕生日ランチで、誕生日を迎えた社員を月ごとに祝い合う催し。費用は全額会社負担で、社員間の交流を促進するうってつけの機会になっているという。

ウェブ制作会社ならではのクラウドツール活用を導入した門脇社長

　ウェブ業界は技術進化が早いため、特にウェブデザイナーやエンジニアは、最新の知識や技術をアップデートしていくことが求められる。同社は「人材が会社の大切な財産」という考えから、社員のスキル向上をサポートしている。その一例が、ウェブ関連の書籍代と、最新知識や技術が学べる外部講習の参加料の全額負担。更に、社員同士が学び合う風土も構築されている。
　「ウェブデザイナーやエンジニアが知っておきたい最新知識や業界動向について触れたサイトや記事を見つけては、全員が閲覧可能なタスク管理アプリで情報発信しています。後輩たちも日々の情報をよくチェックしてくれています」
　業務の合間を縫っては後輩たちのために情報をアップしていると話す、ウェブデザイナーの上杉さん。入社3年目ながらウェブデザイナーのリーダー的存在として、後輩たちを牽引する。社員同士が学び合う文化も同社の特徴の一つといえる。

仕切りのない開放的なオフィスが社員同士の交流を育む