<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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多摩地区
株式会社アジャスト

株式会社アジャスト 優れた提案力を育む柔軟な開発・製造体制と主体性あふれる働き方

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優れた提案力を育む柔軟な開発・製造体制と主体性あふれる働き方

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優れた提案力を育む柔軟な開発・製造体制と主体性あふれる働き方

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社員の主体性を重視した働き方ストーリー
優れた提案力を育む柔軟な開発・製造体制と主体性あふれる働き方

 幅広い工業用部品の加工製造を手掛けるアジャスト。臨機応変な開発・製造体制と熟練工による技術指導で顧客の課題を解決してきた。その優れた提案力を育んでいる職場を訪ねた。

顧客のニーズに応える臨機応変な受注体制

 アジャストが手掛けるのは、工業部品の販売と金属の切削加工、板金加工、溶接加工、プラスチック加工、そしてネジ・結合部品の製造と広範囲に及ぶ。そこで高品質が求められるのはもちろん、顧客注文の多様化にも柔軟に対応していかなければならない。同社はまさに顧客の要望に「アジャスト(調整)」して発展してきた。設立は平成の不況と声高にいわれた1998年というから経済成長率が-1.9%を記録した時代。そんな荒波に立ち向かうかのように、現在の保谷博代表たちがネジの専門商社を辞して立ち上げたというのだから、それなりの勝算はあったのだろう。
 「ネジや工業用部品を仕入れて売る商社としてスタートしました。たしかに不況でしたが、一つひとつの注文にとことん応える姿勢を貫き、順調に経営できていました。ところが、取引のあった製造会社が廃業することになり事態が一変したんです。非常に難しい決断でしたが、その会社がなくなると当社も大きな痛手を負ってしまうことになるという結論に達し、大部分の従業員をそのまま当社で引き継ぐ格好で、製造も手掛けるようになったんです」
 同社の変遷を保谷代表はそう説明する。現在は、切削加工を中心に請け負い、その他の加工は約90社ある協力会社に依頼している。
 「これだけの協力会社が集まったのは、ひとえに顧客のあらゆる要望に応えるという理念があるからです。もちろん、当社だけでこれだけの態勢は敷けません。協力会社の理解があったからこそ成し得たのです」。
 こうした臨機応変な対応力は広く認められるところとなり、今尚、メーカーからの引き合いが後を絶たないという。

body1-1.jpg臨機応変なものづくり体制で顧客のニーズに対応してきたと話す保谷博代表

高い提案力を支える独自の人材育成

 商社とメーカーという二つの「顔」を持つ同社は営業部門、外注の管理部門、製造部門、検査部門の四つの部門で構成されている。しかし、そこに壁はない。それぞれの部門が連携しながら顧客の信頼を獲得しているのである。それこそが、同社の最大の強みである対応の早さと優れた提案力を可能にしているのだと、保谷代表は胸を張る。
 「当社では全部門が迅速に対応することを旨としています。だからこそ、お客様の課題に対して敏速、かつ的確に解決策を提案できているんです。ですから、営業担当も技術的な知識を習得しますし、製造部門はメーカー研修に積極的に参加するとともに、顧客のニーズを随時捉えられるよう、情報交換を頻繁に行っています」
 確かに、窓口となる営業に技術的知識があれば、顧客の課題を正確に理解でき、「じゃ、ちょっと検討してみてよ」という顧客の“宿題”を製造部門に的確に伝えられる。まさにその連係プレーが同社の強みなのである。
 さらに、それを盤石なものにしているのが、ベテラン職人の絶妙な起用である。現在のようなコンピューター制御された便利な工作機械がない時代から部品作りに携わってきた熟練工は、ものづくりに対する深い知恵を持ち、多くの引き出しを備えている。そうした知恵や匠の技を若い世代に伝承していくことで品質の高いものづくりを実践してきたのだ。

body2-1.jpg幅広い年齢層の社員が教え合う文化があるアジャスト

営業から製造までを経験広い視野からものづくりに挑戦

 今年で入社5年目を迎える山田光志さんは、同社の社員の成長のあり方を如実に物語る若手のホープという。入社時は営業だったが、その後、3次元CADを使っての図面設計を経験し、そして現在はマシニングセンターという工作機械で、工場の生産ラインなどに使用される部品の開発・製造に当たる。
 「営業を担当しているときによく直面したのが、お客様から依頼される部品は図面がないことが多いということでした。それでより良い部品作りをするために、先輩にCAD操作や図面の書き方を教えていただきながら部品の図面も起こすようになったんです」
 その経験がきっかけで、ものづくりにも携わりたいという思いが高じ、上司に願い出て製造現場に異動した。そんな山田さんが感じる同社の最大の魅力は、様々なチャンスを与えてくれるところだという。若手社員ながら営業、設計、製造という異なる仕事に就く機会を与えてくれ、自分自身の可能性を探ることができたと笑顔を向ける。
 「今後はこれまでの経験を生かしながら広い視野からものづくりに挑みたい」と言う山田さんの表情は明るい。

body3-1.jpg営業から製造現場まで幅広い業務を経験してきた山田光志さん

職場の雰囲気で入社を決意今後は仕事の幅を広げたい

 昨年、地元で働きたいという希望から東久留米市主催のインターンシップに参加して、入社したのが佐藤麻生さん。いくつかのインターンシップ先の中から得意のパソコンを使った業務ができるアジャストを選んだ。約2か月に及ぶ長丁場の就業体験だったが、そのときに職場の雰囲気の良さを感じて決意したという。
 現在の佐藤さんの仕事は、営業アシスタント。顧客からの電話応対をはじめ、見積書の管理やネジの受発注管理などの業務に就いている。
 「電話対応で心掛けているのは明確な受け答えです。自分で分かるものは迅速に対応し、専門知識がないと分からないことは折り返しの連絡にします。相手の顔が見えないだけに、的確に対応することが信頼に繋がると感じています」
 佐藤さんにとってまず試練となったのが見積書だったという。協力会社の多い同社では、とりわけ見積りが複雑になる。まず、顧客から部品製造の打診を受けたら、協力会社に見積書作成をお願いすることになるのだが、どの協力会社がどんな加工を得意とするのかを把握できていなければ、依頼できないことになる。初めは先輩の指示を受けながら依頼業務をしていたが、今では各協力会社の特徴や強みを把握しているので自らテキパキと連絡を取れるようになったという。
 まだ入社1年足らずだが、徐々に知識を広げている佐藤さん。しかし、先輩たちと比べると知識不足を痛感するという。今後は部品の図面を理解することができる知識を身に付けて、任される仕事の幅を広げたいと表情を輝かせる。

body4-1.jpg「会社の顔」として、いつも明るく的確な応対を心掛ける佐藤麻生さん

編集部メモ

保冷のための運送用間仕切りを開発

 アジャストでは自社製品も販売している。冷凍トラックの庫内間仕切りである。コンビニなどに商品を運ぶトラックに常温商品と冷凍商品を一緒に運べる機能があれば、効率はこの上なく良くなる。そこで冷凍商品と常温商品を荷台で分ける間仕切りを開発したのだが、従来の間仕切りは重量があり、女性ドライバーの悩みのタネとなっていた。「女性ドライバーは少なくありませんから、ニーズがあるに違いないと、約3分の2の重量に軽減した製品を新たに開発しました」と保谷代表。しかも廉価で提供することで運送会社などの課題を解決した。こんなところにも同社の優れた提案力が生かされている。