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中央・城北地区 株式会社アスネット

株式会社アスネット 社員同士のディスカッションから、新制度が次々と誕生。働きやすい会社は社員が作る

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社員同士のディスカッションから、新制度が次々と誕生。働きやすい会社は社員が作る

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株式会社アスネット

社員同士のディスカッションから、新制度が次々と誕生。働きやすい会社は社員が作る

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オンもオフも充実!働きやすい環境作りストーリー
社員同士のディスカッションから、新制度が次々と誕生。 働きやすい会社は社員が作る

企業活動に欠かせないITシステムの構築を担ってきたアスネット。
従業員67名にまで拡大した原動力となったのは、若手社員が活躍できるフィールドの構築であった。

直請けのビジネスモデルを確立、自社サービスの開発にも注力

 技術者としてシステム開発の現場に携わってきた阿部一尋代表。「技術者が本来持っている能力を発揮できるような手助けがしたい」という、そんな思いから2001年にアスネットを設立。ジャンルを問わず、企業活動に欠かせないITシステムの構築を担ってきた。
 スタート当初は、大手システム会社が受注した事業の「二次請け」「三次請け」として、技術者を顧客企業に常駐させてシステム開発・保守・運用に従事させるというビジネススタイルで順調に舵取りしてきた。ところが2008年、リーマンショックにより日本経済は大打撃を受け、全ての産業の根幹を担う情報通信業は特に大きな影響を受けた。
 「当時の当社は二次・三次請けの仕事が多かったのですが、生き残るためにはそこから脱皮して、自ら仕事を取りにいくよりほかにありませんでした」
 と振り返る阿部代表。顧客となり得る企業を訪ね歩いて、積極的に営業活動を行った。二次・三次請けで蓄積してきた現場知見が顧客へのアピールになった。こうして大手システム会社を介さずに仕事を受注できる、いわゆる「一次請け」「直請け」への転換を果たした同社。信頼を強固にするために、顧客企業の担当者と直接話をして、システムの仕様を決め、開発チームへと繋ぐインフラチームが組織された。
 「当社で開発したシステムに対する要望や改善点といった顧客企業の声が届くようになったことで、よりお客様の要望に沿った質の高い製品を提供できるようになりました」
 さらに、顧客の声をダイレクトに聞き、社内にノウハウを蓄積することで、自社独自のサービス開発にも積極的に取り組めるようになった。そして誕生したのが、2015年にリリースした全方位パノラマサービス「360PRO」である。これは、ネット上で360度視点を動かしながら画像を閲覧できるというもので、不動産物件、観光施設、結婚式場などで活用されている。今後さらに、こうした自社独自サービスを増やしていきたいと阿部代表は意気込む。

body1-1.jpg「技術者を育て、能力を生かしたい」と語る阿部一尋代表

社員同士のディスカッションから、新制度が誕生

 阿部代表が力を入れていることの一つに、社員が交流しやすい環境作りがある。
 「設立当初は、社員が顧客企業に常駐しながらシステム開発に取り組むというスタイルが大半でした。ですから帰属意識は薄れますし、何より顧客先で培ったノウハウの共有ができないのはもったいないですよね」
 そこで2か月に1度、全社員がオフィスに集ってミーティングを行う「帰社日」を設け、社外で仕事をしている技術者一人ひとりが持つノウハウを全員で共有できるようにした。これが全社的なスキルアップに繋がっているのはもちろん、若手社員が新しい知識を得る場ともなっている。さらに、この会合ではグループディスカッションも行われている。議題になるのは業務上の問題だけでなく、福利厚生への要望もある。
 「毎回少人数のグループディスカッションを行っています。社員が自分自身の働きやすさについて考えて、必要な仕組みを生み出す場になっています。代表がトップダウン式でこうしろと言ったものというのは、なかなか浸透しないものです。社員が自分たちで働きやすい会社を作っていってほしいと思っています」
 特筆すべきは、ディスカッションで挙げられた意見から、画期的な制度が次々と形になっていることだろう。2016年には半休制度、2017年に在宅勤務制度、時差出勤、子どもの看護の有給休暇制度などが誕生。社員の中には、在宅勤務制度を利用して台湾で仕事をしている者もいるというから、驚く。さらに男性の育休取得も応援したいと語る阿部代表。その背景には、「技術者が持つ能力をきちんと発揮して、いきいきと働けるよう手助けがしたい」という創業以来一貫した思いがうかがわれた。

body2-1.jpg本社で働く社員の皆さん。互いを気遣う社風が根付く

様々な制度でオンもオフも充実

 「代表をはじめ、先輩、後輩といった垣根がなく、皆さんフレンドリーで風通しがいいんですよね。仕事に悩みやプレッシャーはつきものですから、心を開いて話ができる環境があることは、当社の最大の魅力ですね」
 そう語るのは、入社6年目の技術部インフラチームに所属する河村龍さん。就職活動ではIT業界を問わず100社近くの企業を見て回ったが、面接などで出会った同社社員の打ち解けた雰囲気が印象に残った。
 「顧客と直接話をして、自社の技術、そして僕個人を信頼してもらえた結果として仕事を頂きます。会話を通して打ち解けるのも楽しく、指名を受けることも増えました」と現在の仕事にやりがいを感じている様子。また、様々な制度のおかげで、プライベートも充実していると話す。
 「我が家は共働きなので、子どもを保育園に送ってから出勤ということもあるのですが、時差出勤制度を利用すれば、時間に余裕を持って出勤できるのでありがたいですね」
 そんな河村さん、今年からインフラチームのリーダー職という立場で、チーム全体のスキルアップを指揮している。取り組むべき課題は、顧客企業のニーズに応えられるシステム構築に通じる人材を育成すること。これからの会社を牽引する存在として、さらなる活躍が期待されている。

body3-1.jpg「子どもを保育園に送ってから出勤する日もあります」と語る河村さん

オフの時間を共にすることで、人間関係ができる

 「会社説明会での『社員を守りたい』という阿部代表の言葉が心に響き、入社を決めました」
 と語るのは、入社8年目の総務・人事部に所属し、新卒採用を担当している齋藤沙耶さん。1年目はエンジニアとして技術部に配属され、発電所の配管、サポート解析のシステム開発を担当。3年が経ったころ、技術面での習得なども一段落し、視野を広げるためにほかの業務も経験したいとの思いが湧いた。会社に意向を告げたところ、翌年から人事部へと異動となった。新卒採用を任され、会社説明会の運営、面接、入社後のサポートなどを担当している。
 「採用の仕事を始めると、大学関係者や学生さんなど、今まで関わったことのない人たちとのやりとりが増え、こんなときどうしたらいいのだろうと悩むことが増えました。そんなときに上司から、『どんな悩みでも相談に乗るよ』と声を掛けていただいたことが心強く、一番心に残っています」
 そんな社風醸成に一役買っているのが、社員旅行やバーベキュー、スポーツイベント、同好会などの交流イベントだという。毎年恒例の社員旅行として、昨年はグアム、今年は草津温泉を訪れている。
 「先日はゲーム同好会の集まりに参加してきました。オフの時間も一緒に過ごすことで、仕事面でも相談しやすい関係性ができていると思います」
 と語る齋藤さん。実は結婚したばかり。半休制度などを利用しながら、出産後も採用担当という立場で同社に貢献していきたいという。
 「若手社員であっても手を挙げればどんどん任せてくれる環境があります。これまでに経験のない後輩指導などにも携わってみたいと思っています」
 と、次へのチャレンジにも意欲的だ。

body4-1.jpg「交流イベントなどで、ほかの社員との距離が近くなります」と語る齋藤さん

編集部メモ

公私共に充実させることを歓迎する社風

 同社では、各種スキルアップセミナーへの参加を支援しているが、積極的な学びとするために挙手制としている。やはり、主体的に学ぶからこそ、実際のスキルアップに繋がるという考えがその底辺にあると阿部代表は語る。支援はプライベートな局面にまで及ぶ。一児の父であり、近々、育児休暇の利用を考えているという河村さんは「私が1週間ほど休暇をもらって、妻に単身で実家に帰る時間をプレゼントしたいと思っています」と語る。こうした選択ができる背景には、公私ともに充実させることを歓迎する社風が根付いているからに違いない。

edit-1.jpg毎年恒例の社員旅行。2016年はグアムを訪れた
  • 社名:株式会社アスネット
  • 設立年・創業年:設立年 2001年
  • 資本金:1,000万円
  • 代表者名:代表取締役 阿部 一尋
  • 従業員数:68名(内、女性従業員数15名)
  • 所在地:160-0023 東京都新宿区西新宿7-23-1 TSビル5階
  • TEL:03-5338-9080
  • URL:https://www.asnet.co.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください