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中央・城北地区 センターピア株式会社

センターピア株式会社 震度7にも耐え得る堅牢なサーバーラックで、IT社会の頭脳を守り抜く

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震度7にも耐え得る堅牢なサーバーラックで、IT社会の頭脳を守り抜く

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センターピア株式会社

震度7にも耐え得る堅牢なサーバーラックで、IT社会の頭脳を守り抜く

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IT社会の進化に貢献するストーリー
震度7にも耐え得る堅牢なサーバーラックで、IT社会の頭脳を守り抜く

 センターピアはサーバーラックを製造販売するメーカーである。2007年設立の新しい企業ながらも大手IT企業から絶大な信頼を集める秘密とは?

大切な個人情報を守り抜くサーバーラック

 遠くにいる家族や友人とスマートフォンを使ってコミュニケーションする。ウェブサイトで必要な情報を集める。パソコンを開いてゲームや動画などのエンターテインメントを楽しむ――私たちがIT機器を介したサービスを利用する際、必ずといっていいほど通信ネットワークが絡んでくる。
 その通信ネットワークの先にあるのは、高機能のコンピューターであるサーバーだ。いわゆるデータセンターと呼ばれる場所にはそのサーバーがラックに納まってズラリと並んでいる。センターピアはそのサーバーラックの製造販売を手掛ける企業である。
 「一昔前に比べればサーバーのサイズも小さくなり、価格も安くなりました。一方でその内部に入っているデータは個人情報などの重要なものばかりで、何億円、何十億円もの価値がある重要なものとなっています。万が一、地震などの災害が発生してサーバーが倒れてしまうと一瞬のうちにデータがなくなり、企業にとって大損失になってしまいます。私どもではあらゆる災害を想定し、それに耐え得る堅牢なサーバーラック作りに勤しんでいます」
 センターピアの上野芳久社長は、サーバーを守ることの大切さをそう訴える。創業以来、品質の高いサーバーラックの提供に尽力してきた同社では現在、1,400ガル(震度7相当)の猛烈な揺れにも耐えられるサーバーラックを製造するに至っている。新製品は必ず第三者機関で耐震試験を行うなど、してその堅牢性を担保するという念の入れようだ。東日本大震災においても同社製品には一切の不具合がなく、名声を高める一つのきっかけとなったと胸を張る。
 ホコリ対策やセキュリティー対策も万全。その高い信頼性が評価され、大手通信会社をはじめ、ATMなどの重要なITインフラを有する金融機関、官公庁などが顧客に名を連ねる。
「ラックの柱と柱の間は19インチと決められているものの、規格はサーバーのメーカーによって異なりますし、お客様の用途は事業によってガラリと異なることから、1点モノのサーバーラックも少なくありません。実際、過去7,000件を超える特殊事例に対応してきました」(上野社長)
 従業員数26名のコンパクトな組織ならではの小回りの利く柔軟な対応力が、同社の大きな武器となっている。

body1-1.jpg会社を率いる上野社長は長きにわたってITインフラ業界に携わってきた。そこでサーバーラックの重要性に着目、創業したという

IoT社会を迎え、活躍の舞台がますます大きくなる

 今後、世の中はIoT時代に突入し、あらゆるモノにセンサーが搭載され、インターネットに繋がっていくことになる。そこで集まった膨大なビッグデータを活用すれば、今まで誰も気づかなかったような新しいサービスが生まれていくことになる。その際には従来以上の情報がサーバーに集約されていくことになるのは明らかで、ますます同社のサーバーラックの堅牢さが求められることになる。
 しかも、IoT時代では身近な場面に“分電盤”的なハードウェアが必要になってくると上野社長は語る。
 「IoTは端末に近いところに小型のサーバー的な存在が必要になってきます。例えば、日本中にゲリラ豪雨の発生を感知するセンサーを漏れなく設置することになれば、地域ごとに細かな分析をする小型サーバーが必要になります。そこで求められるのが、風雨にさらされながらもサーバーを守り通すべく、高い防水・防塵機能を兼ね備えたボックスです。当社ではそうした小型ボックスの製造も積極的に手掛けています」
 最近では遊園地のアトラクション、自動車の設計開発向けにも専用のサーバーラックを提供するなど、顧客の幅が広がっているという。タブレットPCを教育に使う学校向けには、何十名もの生徒が一斉に充電できる保管庫なども開発した。活躍の場はまだまだ広がっていきそうだ。
 同社では過去6年にわたって新卒をはじめとする社会経験のない若い人材を積極採用してきた。目まぐるしく変化し続けるIT業界にあって、若い人材の斬新な発想力こそが、会社の未来を変えるのに直結するからだ。
「当社では、決して“ノー”と言わないのを信条としています。ですから、経験の浅い新人の意見でも真摯に受け止め、まずは挑戦させることにしています」
 と上野代表は新しく入社する若い力にエールを送る。文系出身であっても、本人の意志次第では設計者などの技術系の職種に登用することもあるという。ものづくりが好きという気持ちさえあれば、誰もが自らの道を切り開いていくチャンスがある会社だといえるだろう。

body2-1.jpg堅牢性やセキュリティー性、防塵性などを兼ね備えたセンターピアのサーバーラックは、高い評価を得ている

チーム力を高めることが、より良いものづくりに繋がる

 製造部電気技術課の高谷孔二係長は、かつて自動車製造ロボットの電気・機械関連のメンテナンスに携わっていたという。そこでの経験を買われて、2009年にまだ黎明期だったセンターピアに入社し、製造部の一員として主に電源まわりの制作や検査を担当。電気系の専門家は高谷係長一人で品質管理や受注なども全て任されているという。
 「サーバーはラック経由で電源を取りますし、そもそもラックの天井にはサーバーから発生する熱を逃がすためのファンモーターを取り付けますので、電気系の知識は非常に重要ですし、お客様の要望に応えるには、持てる知識と経験を駆使して掛からなければなりません。やはり日々の努力は欠かせませんね」
 入社当初は手探りでサーバーラック開発に当たっていたため、トラブルは少なくなく、全国行脚して現場での調整に追われたこともあったと話す高谷係長。失敗から逃げずに真摯な姿勢で対応した経験が糧となったと振り返る。その言葉を裏付けるように、次第に顧客からの信頼も高まり、絶対にサーバーダウンが許されない大手通信会社などからも絶大なる信頼を得るに至っている。
 高谷係長は現在、野田工場の製造拠点の中では工場長に次ぐポジションにいる。数名いる部下をまとめる際、いつも心掛けているのは人と人との繋がりを大切にすることだと話す。
 「当社はいわゆるファブレスメーカー(工場を持たない製造業)で、自社で行う作業は組立てのみになります。多くの部品は協力工場との連携で作り上げているわけで、それだけに、人と人との繋がりや相手の気持ちを考える姿勢なしには信頼性の高いサーバーラックは形作れません。部下はもちろん、関係者ともしっかりと話をして理解し合うように意識しています」
 まだまだ会社として成長の余地は十分あると高谷係長は実感している。少しでもセンターピアの名を高めるために、チームワークの良い組織作りに高谷係長は邁進する。

body3-1.jpg高谷孔二係長は、実は電気系の学問を学んだ経験はゼロ。専門性の高い世界だが、本人次第でプロになれるチャンスは十分にある

お客様に寄り添ったものづくりを実践したい

 この数年は継続的に若手社員を採用していることから、社内には20代の社員の姿が増えてきた。2014年に新卒入社した小笠原彩さんもその一人。就活ではメーカーを目指して各社を訪問していたという。
 「かゆいところに手が届くようなものづくりに関わりたいと思っていましたので、大量生産するのではなく、少量多品種でお客様のために一つずつ製品を作り上げている企業を目指していました。当社はまさに目標に合致するスタイルで、お客様ごとにキメ細かくサーバーラックを作っている点に共感したのが入社の大きな決め手となりました」
 配属先は野田工場の生産管理課。ここで各種部品・部材などの発注業務を軸に、納期や在庫管理などに携わってきた。板金やハンドル、ゴム、ケーブルなど、扱う部品は極めて幅広い。文系出身の小笠原さんにとっては未知なことばかりだったが、先輩や設計者たちに何でも聞きやすい雰囲気があって、どんどん吸収できたと喜ぶ。4年目の今では取引先とも仕様の深いところまで突っ込んだ話ができるようになり、自分自身が大きく成長できたと感じているという。
「納期を短くしたいという要望があった際には、図面を見て『ここの仕様を変えればできます』といった交渉なども行っています。お客様の要望に対して小回りの利いた対応ができるのが当社の自慢。取引先と社内の間に立つ私次第で様々な物事が変化していくので、これからも頑張っていきたいですね」
 お客様に寄り添ったものづくりという自分が目指したものづくりに、まさに今、携わることができている事実が、小笠原さんのモチベーションとなっている。

body4-1.jpg入社前に専門知識はなくとも、飛躍できるチャンスは十二分にあることを小笠原彩さんの成長が証明している

編集部メモ

社員同士の交流の場も数多く用意

 堅牢でセキュリティー性も高いサーバーラックの製造販売を手掛けるセンターピアでは、文系理系の区別のない採用を展開してきた。実際、CADを駆使する設計者にも文系社員がいるなど、経験の有無以前に、ヤル気ある人材には大きなチャンスを与えている。そんな希望を繋ぐのが、3か月にわたる新人研修をはじめとする学びの場である。
 また、社員同士の交流の活性化にも尽力している。例えば、本社と野田工場の2拠点で離れて仕事している社員たちの交流の場として、定期的に「雑談会」を開催。ざっくばらんな雰囲気の中、社員同士が疑問や質問をかしこまることなくぶつけられる場として有効活用されているという。さらに、工場で行われるサマーフェスタではバーベキュー大会や新人企画のゲーム大会を行うなど、社員の結束力も高い。これからのIoT時代を切り開いていくには、人間同士の繋がり、そして社員一丸となることが大切ということを教えられた思いがした。

edit-1.jpg勤務先は日本橋の本社か野田工場。和気あいあいとした空気の中で、のびのびと働くことができる
  • 社名:センターピア株式会社
  • 設立年・創業年:設立年 2007年
  • 資本金:1,000万円
  • 代表者名:代表取締役社長 上野 芳久
  • 従業員数:26名(内、女性従業員数 7名)
  • 所在地:103-0023 東京都中央区日本橋本町1-2-6 日本橋スクエア2階
  • TEL:03-6821-3052
  • URL:http://www.centerpeer.com
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください