スキンケア製品を中心にクライアントの要望に応じて製品の企画から開発、製造まで携わるシーエスラボ。技術力が高く評価され、大手化粧品メーカーはもちろん、美容クリニックや健康食品会社、通信販売会社といった他業種からの相談も多い。
　「化粧品は、人の肌に触れるもので高い安全性が求められます。製造時には当然、品質管理を徹底しますし、顧客の要望に応じて安全性試験も行います。また、更に高品質の化粧品を作るために、研究開発にも注力しています」と林代表は語る。
　中には作りたい製品のイメージが漠然としているクライアントもいれば、短期間での納品等を求められることもしばしばという。
　「そうしたご要望にも、知識や経験を生かし柔軟に対応できるのが当社の強みです」と、林代表は言う。

「今後は健康に関する事業にも挑戦したい」と展望を語る林代表

　女性向け製品を扱っているだけに、女性が働きやすい環境づくりは当然であると、同社は産前産後休業や育児休業、時短勤務や時差通勤といった制度を、一人ひとりの事情に合わせて柔軟に対応している。例えば、3歳の子どもがいる入社11年目、営業部の高橋さんは時短勤務制度を利用し、４歳の子どもがいる入社12年目、開発部の石倉さんは時差通勤制度を活用している。
　「パソコンと携帯電話が支給されているので、急な業務連絡が入っても、いつでもどこでも対応できます。出産前と同じように働くことができ、充実しています」（高橋さん）
　「ラッシュを避けた通勤ができ楽ですし、子どもと一緒に夕食をとれたり、幼稚園の平日の行事に参加できたりすることもありがたいです」（石倉さん）
　働くママの割合が多いため、社員同士で助け合う社風ができていることも魅力。
　「保育園や幼稚園、学校などからの急な呼び出しがあると、当たり前のようにフォローし合っているので女性社員皆、心強いです」と、昨年結婚した入社７年目、薬粧部の橋本さんは職場の雰囲気の良さを語る。
　「働くママたちの姿を間近で見ているので、結婚・出産と仕事の両立に不安はありません」（橋本さん）
　そうした職場の雰囲気づくりにも林代表が一役買っている。その一つに社員とのランチ会がある。
　「社員に３人一組のグループを組んでもらい、私と一緒にランチに行くという会です。これがお互いを理解する良い機会になっています。また、現場の状況を把握するため、半年に一度、社員全員と個人面談も行っています。ランチのおかげもあって気心が知れているので、課題について率直に話し合えます」
社長と直接話す機会があることが仕事への安心感につながっていると、社員たちは声をそろえる。社員同士のサポートや経営者の理解によって育まれた働きやすい環境は、育児休業後の復職率100％を実現している。

「社長とのランチは恋愛相談がでるほど気軽」と橋本さん、石倉さん、高橋さん（左から）

　同社の社名のシーエスは「Clear&Simple」の頭文字であるとともに、社員に積極的にチャレンジしてほしいという林代表の思いである「Challenge Spirits」の意味もあるという。それを具現化したのが社員の成長をサポートする各種研修。例えば、大手化粧品メーカー出身の同社顧問による香りやUVといった化粧品の研究開発に必要な知識を学ぶセミナーを社内で実施。また、社外で行われているイベントやセミナー、外部教育研修企業が実施しているビジネス研修など、社員自身が必要と判断したセミナーや研修は、就業時間中に参加可能だという。
　「話し方や聞き方といった基本的なものから、問題の整理方法やプレゼンテーションスキルなど、必要だと思った講座を自由に受けられます。学んだことは実践に生かせて、自分の成長も実感できます」（石倉さん）

「顧客と一緒に苦労して作り上げた製品を店頭や雑誌で見ると感慨深いです」と語る高橋さん