<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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城東地区 gCストーリー株式会社

gCストーリー株式会社 理念を共有して「幸せ」を社会に広げるために働く

gCストーリー株式会社

理念を共有して「幸せ」を社会に広げるために働く

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東京カイシャハッケン伝!企業
城東地区

gCストーリー株式会社

理念を共有して「幸せ」を社会に広げるために働く

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理念を共有した働きがいストーリー
理念を共有して「幸せ」を社会に広げるために働く

 「growth for Contribution=貢献のための成長」という理念がそのまま社名となったgCストーリー。同社では同じ志を持つ若き社員たちが主体的に働いている。

社会に貢献する各種事業を展開

 「きれいごとをしようじゃないか。」がgCストーリーの採用メッセージである。一般的には「きれいごと」という言葉は、否定的に捉えられがちだが、gCストーリーはあえて肯定的に使う。その発想の背景には「社会に貢献したい。たくさんの人を幸せにしたい」という理念がある。
 同社の主要な事業は「施工事業」「介護事業」「ヘルスサポート事業」の三つ。起業当初から、西坂勇人社長には全国の「看板職人」を支援するという社会貢献的な思いがあったというが、具体的なプランはイメージできていなかった。そこで、全国の看板職人の声を聞いて回ったのが事業のヒントになったと説明するのは、同社執行役員の安部孝之さん。
 「代表の西坂は看板資材を扱う専門商社出身で、その会社における新規事業として全国の看板職人が一堂に会する『看板ナビ』をWEB上に開設したんです。そこに登録する看板職人の方々に直接話を聞くうちに、看板を依頼する顧客と看板を生業とする会社の間には何層にも及ぶ下請構造があることが分かってきました」
 厳しい予算とスケジュールで工事をしなければならない看板職人の実情を知った西坂社長は、顧客と看板会社をマッチングし、施工に関わるプロジェクトをマネジメントする事業をスタートした。
 いわば、これは厳しい環境で仕事をせざるを得なかった全国の看板職人が置かれている立場を改善していくための事業だった。つまり、同社の成り立ちがそのまま企業文化として現在に至っているのである。その後、高齢者をケアする「介護事業」、人々の健康を促進する「ヘルスサポート事業」といった社会貢献性の高い事業へと進出していった。

body1-1.jpg経営理念に合致した企業文化の醸成に力を注いだ安部孝之さん

大家族主義という企業文化を再構築

 gCストーリーの経営は順風満帆だったわけではない。看板職人を支援する事業をスタートしたまでは良かったが、あまりにも社会貢献性を重視したばかりに業績が上がらなかったのである。そこで理念に「社会貢献するために自らも成長する」を掲げ、業務内容を見直して収益性を改善。結果的に会社の売上げは伸びていった。ところが、新たな問題が発生する。働く社員の価値観がバラバラになってしまったのだ。
 「起死回生の一手が企業文化の再構築でした。創業3年目から採用は新卒中心でしたので、文化の土壌はあったものの本当の意味での理念浸透に力を注げていませんでした。改めて人と人の繋がりを重視する制度を見直しました。例えば、先輩が後輩にビジネス面のみではなく、人として寄り添うアテンダー制度や月に1度管理職が全社員から意見を吸い上げて人事制度について考えるオープン人事ミーティングなどがあります。それらを通して、再度価値観が共有され、希薄になりつつあった社員同士のコミュニケーションが徐々に活性化していきました。」
 この企業文化再構築に向け、先頭に立ち推進したのが安部さんだった。狙い通り、上記を始めとする各種制度は社内の風通しを良くしていった。併せて毎月1回、入社年次別に社員を集め、研修という形で社長と直接じっくり話し合う場を設けた。これが互いの価値観を理解し合うのに役立ち、企業文化の醸成に繋がった。
 こうした社員同士の繋がりを大切にする「大家族主義」の文化を作ることで、価値の共有が図れるようになり社内に活気が戻った。そんな企業文化を支えている取組が、週3回のランチサービスである。
 「当社は平均年齢が若く、地方出身者も多いため、一人暮らしゆえの食生活の乱れが目立ったんです。そこで週3日、ヘルスサポート事業が展開する店舗で作った玄米と野菜だけの食事療法を取り入れたランチを福利厚生として提供しています。社員の健康管理だけでなく、食べた感想をフィードバックしてもらうことでサービスとしても日々改善を重ねています」
 と、一石二鳥の効果を喜ぶ安部さん。gCストーリーでは社員が同じ釜の飯を食べながら談笑する光景が当たり前になっている。

body2-1.jpg若い社員が多く、意見を自由に言える雰囲気が社内を一層明るくする

自分たちの手で企業文化を作る喜び

 管理部の近藤香菜子さんが入社したのは、gCストーリーが企業文化の再構築を図る少し前の2012年のことだった。会社説明会で西坂社長からの「君たちは何のために生きているんだ?」という根本的な問いかけに共鳴し、「成長と貢献」を社是に掲げる同社の考え方に共感して入社を決めた。
 入社するとまずは売上げ・経費・支払など経理業務全般を担当。その後、経営システムの構築を推進する経営管理業務も兼務して、そのリーダーに抜擢された。
 「経営管理のメンバーがやりたいと思うことを引き出すのが私の役割です。ここではコミュニケーションが欠かせませんね。メンバーとはフェイス・トゥ・フェイスの会話はもちろん、SNSを活用するなどして意見交換しています」
 このようにメンバーの力を最大限引き出すことで「経営管理システム刷新プロジェクトの遂行」や「経営会議の抜本的改革施策の実行」といった成果を上げてきた。
 gCストーリーが掲げる「貢献の為の成長」とは、企業としてのミッションだが、それとは別に社員全員がパーソナルミッション(個人の働く意味)を掲げている。近藤さんのミッションは「愛を循環させる」というもの。愛情を循環させていけば、会社や取引先、さらには社会も良くなっていくはずという信念がそこにある。

body3-1.jpg後輩をリードしながら組織を活性化させる仕組み作りに挑む近藤香菜子さん

感謝できる仲間がいる働き方がしたくて入社

 2014年に入社したサービスプロモーション部の甘利友紀さんは「やりたいことで仕事を選ぶ」という考え方で就職活動をしていた。ところが、gCストーリーの会社説明会に参加して、「どう生きるかという視点で仕事を選んでもいいんじゃないか」と考えるようになったという。そのきっかけは説明会で会った三人の女性社員がいきいきと輝いていることだった。どうしたらあんなにいきいきと働けるのかという興味もあって合計8回に及ぶ面談を重ねた。そこで確信したのが会社の理念に社員が心から共感しているということだった。こんな環境で働けたら自分も輝きながら働けるに違いないと入社を決意した。
 入社後は、モバイル通信会社の統合に伴う店舗の看板や店内什器の施工プロジェクトのマネジメントを任された。
 「入社したばかりで業務の流れも分からなかったので仕事は大変でした。しかも、全国千か所に及ぶ工事を扱うのだから一筋縄にはいきませんでしたね」
 先輩や上司のサポートもありながら、何とか無事にやり遂げたことで大きな自信に繋がったと甘利さん。その後、新規事業として既存事業とは異なるお客様向けのWEBサービスを提供する子会社の立ち上げに関わるなど、入社して3年の間に様々な経験をしてきた。社長や上司からよく言われてきたのが、「失敗をしなさい、責任はこちらが取るから」という言葉。おかげで多くの失敗を重ねながら仕事を覚えることができたと喜ぶ。
 gCストーリーの大家族主義が自分の肌に合うと話す甘利さんは、中学・高校とバレーボールに打ち込み関東大会にも出場した体育会系女子。メンバーが同じ目標に向かい協力し合う体験と同じ気持ちを、gCストーリーの社員たちに感じているという。
 甘利さんはパーソナルミッションに「笑顔を殖やし、幸せの輪を広げる」を掲げる。このミッションに向け、今日も全力で仕事に打ち込む。

body4-1.jpg責任ある仕事にチャレンジできる環境だから成長も早いと言う甘利友紀さん

編集部メモ

育児中の社員を手厚く支援する「パパママ会」

 gCストーリーでは2016年に育児休暇や時短勤務制度を整えた。この制度を最大限に利用すると、子どもが3歳になるまで育児休暇が取得でき、時短勤務も小学3年生まで利用できるという。さらに復職後は、育児休暇前に消化していなかった有給休暇を使用できる制度なども導入している。
 いわゆる働くママの応援制度だが、期間的な優遇だけに留まらない。育児休暇中の社員は「パパママ会」に属し、定期的に会社に集まり、お互いの近況報告をしているのだという。これが格好の育児ストレス発散になるのはもちろん、復帰後にどんな働き方をしたいのかを話す機会もあり、より良い就業のあり方を一緒になって考えられる場にもなっていると好評のようだ。

  • 社名:gCストーリー株式会社
  • 設立年・創業年:設立年 2005年
  • 資本金:1億3,900万円
  • 代表者名:代表取締役社長 西坂 勇人
  • 従業員数:70名(内、女性従業員数34名)
  • 所在地:135-0047 東京都江東区富岡2-11-6 長谷萬ビル4階
  • TEL:03-5639-3801
  • URL:http://gc-story.com
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください