<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

文字サイズ

城南地区 株式会社ヒューマンシステム

株式会社ヒューマンシステム 「思いやる」ことで、 顧客と仲間を深く理解する。 システム作りの原点

株式会社ヒューマンシステム

「思いやる」ことで、 顧客と仲間を深く理解する。 システム作りの原点

humansystem
東京カイシャハッケン伝!企業
城南地区

株式会社ヒューマンシステム

「思いやる」ことで、 顧客と仲間を深く理解する。 システム作りの原点

main_humansystem

多様性を認め合う職場ストーリー
「思いやる」ことで、顧客と仲間を深く理解する。システム作りの原点

 設立以来、「システムづくりにおもいやり」というテーマを掲げるヒューマンシステム。「人」を大事にする気持ちが会社全体に息づいている。

システムには「人」が関わるからこそ、「思いやり」が大切

 システムといえば、PCやサーバなどのハード機器に搭載されたソフトが各種情報をプログラミング通りに処理していくもの。もちろん、プログラミングを行うのは人の手ではあるものの、一つの機械であることは間違いなく、そこで演算される答えは人々の喜怒哀楽お構いなしの無機質そのもの。果たして、同社が掲げる「思いやり」という人間味あふれる言葉とは対極をなすように思えるのだが、湯野川恵美代表は、「私はそうは思いません」ときっぱり否定する。
 「システムは、ソフトウェアとハードウェアだけでできているわけでは決してありません。システムを使う人、システムを使ってサービスを提供する人、そしてシステムをつくる人。様々な“人”が関わって初めて成り立つものであり、一見無機質に思えるシステムであっても、その機能の一つひとつに、どうすれば使い勝手がよくなるか、課題を解決できるかという意思が色濃く反映されています。実はそれこそが私たちが大切にする“思いやり”なんです」
 確かに、システム開発には顧客の課題解決という大命題があり、10の課題があれば10通りのシステムがある。とりわけ同社が手がけるプロジェクトの約半数は、システムの使い手であるエンドユーザーから直接依頼を受けたものであり、顧客が何を実現させたいのか、どんな課題に直面しているのか、そこにどんな要望や課題、悩みがあるのかを丁寧に掬い上げ、磨き上げた技術を提供するというまさしく使い手を思いやることが、真の顧客満足に結びつくのだというのである。

body1-1.jpg「満足をさらに上回り、お客様に感動していただけるようなシステム作りをめざしたいですね」とは湯野川恵美代表

それぞれが自分なりの“幸せ”を見つけていける環境作り

 顧客に喜ばれることは、会社の継続的な成長につながり、それが社員の生活基盤を安定させ、社員の幸せにになるのだと湯野川代表は考える。それこそが、「お客様の満足と社員の幸せを両立する会社」という企業理念の真意だと言う。
 「ただ、“幸せ”と一口に言っても、それぞれに価値観も違えば得手・不得手も違い、どんなことに幸せを感じるのかは千差万別。そうした多様性を受け入れ、それぞれが自分なりの“幸せ”を見つけていける環境作りを行っています」
 同社の社員を見ると、男性・女性が隔てなく活躍していることは言うまでもなく、子育てと両立するワーキングパパ・ママ、外国籍のエンジニア、在職中に海外ボランティアを経験した社員など、多様性に富んでいる。その一人ひとりの価値観やライフスタイルを尊重し、フレックスタイム制、テレワーク、育児・介護休暇、時短勤務といった制度を充実させていることに加え、同社では社員それぞれが思い描く幸せなキャリアを歩めるよう、研修・教育制度も非常にフレキシブルに組まれている。
 例えば、社員は希望に応じてIT系スキルの基礎から応用まで幅広くカバーした外部研修を受講できる。その他にも通信教育等、育児休暇中の空いた時間にも継続的に活用できるという。また、資格取得支援制度も充実そのもので、情報処理系に限らず、ウェブデザイン技能検定、簿記、TOEICまで、40種類以上の資格・試験を対象としている。さらに、マネジメントを体系的に学ぶために専門職大学院への奨学金制度まである。

body2-1.jpg日頃からプロジェクトの進捗を共有しあい、他チームがトラブルに直面したなら垣根を超えてフォローしあう

顧客とメンバーへの思いやりが滲むマネジメントを実践

 「大学院への奨学金制度を活用したのは、私が第1号なんです」と振り返るのは、法本將彦さん。当時26歳の法本さんは入社5年目でリーダーに抜擢されたが、とあるプロジェクトでマネジメントが行き届かず、当初の想定予算を大幅に超え、赤字を計上してしまうという苦い経験をしたという。
 「そんな私に渡りに船の話を持ち掛けてくれたのが湯野川代表でした。“私と一緒に通ってみない?”と。そこから勤務後に湯野川代表と机を並べる日々が始まったんです」
 大学院では法本さんが最年少で、最年長は72歳。建築、食品、製造など様々な業界から集まり、その大半が会社の経営者だったという。「ディスカッションスタイルの授業が多く、年代も立場も多様な方々の考え方や発想を吸収できた貴重な日々でした」
知識のみならず、多様性を学べたことにも成長の手応えを感じたと話す。
 晴れて大学院を卒業し、プロジェクトマネージャーに昇格した法本さんは、国際宅配便の荷物追跡システムの開発を託された。30名以上のメンバーを束ね、開発期間は実に3年におよぶビッグプロジェクトだった。
 「お客様のビジネスに関する理解を深め、課題を掘り下げ、システムを通じてどう貢献できるのかを考える日々の積み重ねでした。メンバーともコミュニケーションを率先して取り、個々の持ち味をふまえながら業務を割り当てていきました。お客様とメンバー全員で長期戦を乗り切り、リリースにこぎつけた達成感は最高でした」
 まさに顧客とメンバーへの思いやりが滲むマネジメントを実践し、貴重な経験を刻んだ法本さん。その表情には自信と誇りが溢れていた。

body3-1.jpg「今は営業部門のマネージャーを担い、新たに組織したチームで受注強化に挑んでいます」と法本將彦さん

“あとは私に任せて”と、心強く子育てに送り出してくれる

 舟田あすかさんは、マネーカードのポータルサイトや、求人情報サイトなどの設計・構築・保守を約6年間経験後、2015年5月から9カ月間の産休・育休に入った。お腹が大きくなるにつれて、喜びとともに初めての出産への不安も募ったが、職場の仲間たちが不安を優しく取り除いてくれたと、妊娠時を振り返る。
 「“あとはやっておくから早く帰りな”と、みんなが声をかけてくれたんです。世間ではマタハラという問題も騒がれていますが、うちではそんな偏見は一切なく、周りに助けてもらってばかりです」
 無事に長男を出産し、職場に復帰した際にも温かく迎え入れてくれたと笑顔を見せる舟田さん。復帰後は時短勤務で子育てと仕事を両立し、テレワークを活用して自宅でもプログラミングを進めたりと、限られた時間を有効に使うことができているという。
 「妊娠前の私は“残業すればいいや”と、自分で仕事を抱え込みがちでした。でも、今は違います。勤務時間内にできるだけ集中して業務を進め、リカバリーが必要なときには先手先手で周りを頼れるようになりました。“あとは私に任せて、お子さんを迎えに行ってください”と、後輩も率先して協力してくれるので、本当に心強いです」
 子育てと仕事のペース配分を掴めてくるにしたがって、応用情報技術者やデータベーススペシャリストなどの資格取得をめざす意欲も高まってきているという。「技術を高め、少しずつでも仲間のみんなに恩返しをしていきたいですね」と、抱負を語ってくれた。

body4-1.jpg「“思いやり”という言葉の通り、会社説明会で感じた温かい雰囲気に惹かれて入社を決めました」とは舟田あすかさん

編集部メモ

相手を理解してこそ、相手を深く思いやれる


 同社の多様性を尊重する姿勢は、社員のキャリア支援にも表れている。個々が目標設定シートを記入し、年数回グループごとに集まり、それぞれが目標や現状、課題をプレゼンし、レビューし合うという。その場では「こんな目標を描いているんだ」「資格取得の勉強会を開こうよ」といった意見も自由に交わし、お互いの理解を深め合い、「そんなキャリアもあり得るのか」と、視野を広げるきっかけにもなっているそうだ。このレビューは、お互いを知るという点では、社内イベント的な存在だ。
 「社員旅行やクリスマス会に社員の家族も参加しています。子どもたちとも顔なじみになれば、育児中の社員への思いやりもいっそう深まるでしょう」と湯野川代表が言うように、確かに、相手を理解してこそ、相手を深く思いやれるもの。多様性を認める豊かな人間性があってこそ、思いやりが育まれ、それが会社の継続的な成長につながっていることがわかる。

edit-1.jpg新卒社員の入社式にも100名を超える社員が参加し、全員で新しい仲間を気持ちよく迎えるという
  • 社名:株式会社ヒューマンシステム
  • 設立年・創業年:設立年 1992年
  • 資本金:7,000万円
  • 代表者名:代表取締役社長 湯野川 恵美
  • 従業員数:125名(内、女性従業員数26名)
  • 所在地:108-0014 東京都港区芝4-5-10ユニゾ芝四丁目ビル10階
  • TEL:03-5442-2607
  • URL:http://www.humansystem.com
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください