城東地区 株式会社印南製作所

株式会社印南製作所
物流をスムーズにする包装・梱包のプロ 信頼して任せ、若手にも活躍の場を提供

株式会社印南製作所
物流をスムーズにする包装・梱包のプロ 信頼して任せ、若手にも活躍の場を提供

若手の情熱と挑戦で新たな技術を生み出すストーリー
物流をスムーズにする包装・梱包のプロ
信頼して任せ、若手にも活躍の場を提供
世の中の多くの商品は、袋や箱に包んで販売される。印南製作所では、その包装・梱包を行う機器を製造販売する。長年、様々な顧客ニーズに応えてきた同社では、日々、課題解決に取り組む面白さがあり、独自性あふれる技術と、若くても仕事を任せる仕組みを整えている。
一品一様のニーズを捕捉 同社の強みは顧客への提案
印南(いんなみ)製作所は、あらゆる商品の包装・梱包のプロフェッショナルとして、専用機械を製造販売し、2016 年には創業60 周年を迎えた。
「アイスを溶かさずに工場から店舗へ運ぶなど、特殊な包装技術なくしては成立しない商品も多いのです」と印南(いんなみ)社長は説明する。
同社は製造業だが、ライン・ロット生産の大量受注は非常に限られる。
「ほとんどが一品一様のオリジナル機器の受注生産です」(印南社長)
包む、詰めると言っても、形態や仕様は各社で異なり、そのやり方に即した機器が求められる。印南(いんなみ)社長も「お客様からどんなに難しい注文がきて、たとえ社内では経験のない要望にも、知恵を絞って対応します。合言葉は『断らない印南(いんなみ)』です」と強調する。
街中の店舗で販売される商品はほぼビニールなどで包装されているが、近年、インターネット通販が伸長し、商品はメーカーや流通各社の店舗から大型物流倉庫へ集約されるものが急増している。
1日に何千個もの注文をさばく物流現場では、形態の異なる複数の商品をいかに迅速かつ正確に、一つの段ボールへ詰めるかなどが課題だ。また、小中規模の現場では、生産性の高い機械が行き渡らず、中には手作業で梱包しているところもある。
そこで同社では、単純に機械を提供するだけでなく、包装・梱包の「システムプランナー」と称し、顧客の課題を、包装・梱包にまつわる一連の作業から総合的に解決する提案を強化している。システムによっては、いつどこの物流拠点に商品が届き、発送される予定か、ほぼリアルタイムで確認ができる。同社は、その仕組みを開発してきたフロンティアだと印南社長は自負する。
「迅速かつ正確に配送するため、ITで情報をつなぎ、業務効率化も含めて物流の課題解決をトータルで実現します」
例えば、ポスターを手作業の8倍速で、自動で毎時600本巻き取る独自装置のほか、メール便に対応した高速梱包機械システムは、1時間に450 パック、手作業に比べて4倍強のスピードでの処理が可能で、人件費も3分の1に軽減でき、各方面から高評価を得ている。

文系でも製造現場で活躍 日々の課題解決に面白さ
「既製品の提供だけではなく、お客様のニーズに合った製品を製造することも多く、様々な課題を解決する難しさはあります。しかし、試行錯誤、改造を重ねながら、最終的にはお客様のご要望に応える機器を納品しています」と印南(いんなみ)社長は説明する。
また、納品後のメンテナンスも製造者が担当し、「合理化が図れた」「便利になった」との顧客の声に、達成感やモチベーションを得る社員は多い。
「前例のない特殊な要望を実現しようとするからこそ、エンジニアは情熱をかけて、メラメラと挑戦心を燃やすんですね」(印南(いんなみ)社長)
同社の採用に資格条件はない。印南(いんなみ)社長は「会社に入ったら、誰もが一から学びのスタートです。ものづくりが好きな方にぜひ来ていただきたい」と門戸の広さを強調する。幅広い世代に知ってもらおうと、学生を対象にしたインターンシップや、小中高生の職場見学も積極的に行っている。
開発支援室の藤田さんと生産部の上田さんは、ともに入社3年目の同期だ。藤田さんは外国語学部、上田さんは経済学部といずれも文系出身だが、製造現場を担っている。
藤田さんは、主に顧客の声を聞きながら、要望に沿った機器を製造。担当する電気の配線や試運転では、問題にぶつかることも多い。
「どうしてもうまくいかない時はあります。でもすぐに解決できなくてもめげずに挑戦を続け、それをクリアするのは面白いです」と、失敗に学ぶ日々だ。

人材の活性化を図りしなやかな100 年企業へ
上田さんは、コンピュータ制御で切削加工する“NC 旋盤” で、機械部品を作る。機械のプログラミングや段取りをいかに効率的に行うかが毎日の勝負だ。
同社では社員に多様な経験を積ませ、人材の活性化を図るために概ね3年で部署ローテーションを行っている。上田さんの部署にも最近、別部署から先輩社員が配属された。未経験の業務については上田さんが指導を担当し、一緒に切磋琢磨しながらスキルを磨いている。印南(いんなみ)社長も「若手に活躍の場を与えて、しなやかに100 年続く『一世紀事業所』を目指しています」と語る。
また、若手に成長のチャンスを与えながら、確固たる技術を身に付けて本人が希望すれば、年齢に関係なく、長く働き続けられるのも、同社の魅力だ。ベテランが定年退職せずに長く在籍しているからこそ、「学校で学べなかったことを大先輩に教えてもらえた」と社内の技能伝承を歓迎する声が、若手から印南(いんなみ)社長に寄せられる。
長年にわたって包装・梱包業界に携わってきた先輩の知恵や技術と、既成概念にとらわれない若手の柔軟さや挑戦心を合わせて、顧客へオンリーワンの提案を試みる姿勢が、同社が100年経営を構想する上での強みでもある。
包装・梱包のプロとして、世にない新しい機械を造りたい人、生活に密着した物流の世界に、製造面から挑戦したい人にはもってこいの職場だ。

ハツタロウー・ケンジロー・なびでんちゃんのもっと知りたい!
見聞を広める見学会や社内外で交流を深める機会も
全社員が集まる機会は年2回、設立記念行事と忘年会です。設立記念行事は毎年6月の第3土曜日に開催します。土曜日は通常休日ですが、休日を振り替えて出勤し、皆で出掛けます。過去には、愛知万博やリニア新幹線のテスト走行の試験地などを訪れました。2017年はしょうゆ工場の見学でした。
仕事とは直接関係なくても、社会と触れあい、自身の視野を広げてもらえたらと考えています。
また忘年会では、社員だけでなく懇意にしている協力会社も招待し、感謝祭と称してパーティーを行っています。多くの協力会社の方に参加していただき、社員との交流の場にもなっています。(印南社長)

- 社名:株式会社印南製作所
- 設立年・創業年:1962年3月
- 資本金:1,000 万円
- 代表者名:印南(いんなみ) 英一
- 従業員数:64名(内、女性従業員7名)
- 所在地:120-0047 東京都足立区宮城1-12-22
- TEL:03-3912-2976
- URL:https://www.innami-factory.co.jp