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城南地区 ケイワン・トーヨー住器株式会社

ケイワン・トーヨー住器株式会社 住宅設備の提案で活きる女性の視点 育児中でも安心して働ける会社作り

ケイワン・トーヨー住器株式会社

住宅設備の提案で活きる女性の視点 育児中でも安心して働ける会社作り

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城南地区

ケイワン・トーヨー住器株式会社

住宅設備の提案で活きる女性の視点 育児中でも安心して働ける会社作り

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これからの住まいづくりに欠かせない人材活用ストーリー
住宅設備の提案で活きる女性の視点 育児中でも安心して働ける会社作り

中小規模の集合住宅や一戸建てが多い大田区池上で、地域に密着しながら住宅設備や建材を工務店に販売しているケイワン・トーヨー住器。住まい作りには女性の感性が欠かせないと考え、女性の働く環境を整えている。その結果、2018年は2名が産前産後休業から復帰し、生き生きと働いている。

女性が長く働ける環境を考え、整える


 ケイワン・トーヨー住器は、大手住器メーカーの販売代理店として地域の工務店に住宅設備品や建材を卸している会社だ。同社の仕事は、卸といってもメーカーの製品をそのまま工務店に納めるだけのものではない。建材の種類や施工の仕方によっては、建て付けがピタリと納まらず、わずかなズレが生じてしまうこともある。販売代理店は工務店と施主の間に立って、建材や設備品の形状や色はもちろん、予算、納期、施主のライフスタイルまで考え、最適な提案をしなければならない。豊富な知識と経験が求められる仕事であり、一般的には男性社員が多い。
 「大手住器メーカーのグループ会社では、95% 以上が男性社員です。女性社員はほんのわずか。しかもほとんどが経理などの間接部門です。しかし、当社では以前から営業のサポートをする営業事務に女性を登用してきました。キッチンなどの水周りには、家事を担う女性の感覚が必要なのです」と述べるのは影山社長だ。顧客である工務店の職人がほぼ男性のため、女性の視点からの提案は、好評だという。
 こうした社長の思いを具体化し、社内の働く環境を整備しているのが社長夫人である影山専務だ。自身も子育てをしながら働いたという経験があるだけに、特に女性が働きやすい環境を整えることに注力してきた。
 「女性を雇用し、どうすれば長く勤めてもらえるかを考えると、やはり働きやすくて、休みやすい職場でないと無理です。急用ができたらすぐに帰れる職場でなければ、勤めながら子育てはできません。多くの女性は子育てだけをしたいわけではなく、働きたがっています。私たちも、女性に働いてもらいたい。そこで、有給休暇制度はもちろん、産前産後休業制度や育児休業制度を整えることは不可欠でした」。

body1-1.jpg「営業が天職」と語る影山宏社長と、「もっと女性社員を増やしたい」という影山専務

二人の女性社員が同時に産休から復職へ


 様々な制度があっても、特に中小企業の場合は実際には使いづらいというケースもある。だが、同社では採用段階からこうした制度について入社希望者に十分に説明しており、「産前産後休業制度や育児休業制度が充実しているから入社を決めた」という社員もいるほどだ。実際に制度を活用し、復職した女性社員二人に話を聞いた。
 入社4年目、営業事務の斉藤さんは「前職は空調の会社にいたのですが、子どもができても安心して働ける会社に勤めたいと思い転職しました。昨年、子どもに恵まれ、丸1年休んで今年の4月から復職したところです」と言う。入社2年目で同じく営業事務の峰松さんは「斉藤さんが産前産後休業に入るということで、人員補充の募集に応募し入社したのですが、私も入社してすぐに子どもに恵まれました。産前産後休業をいただき、斉藤さんと同じく4月に復職したところです」と話す。峰松さんは、復職後は9時〜16時の短時間勤務で働いている。
 決して規模が大きいわけではない会社で、同じタイミングで二人の社員が産前産後休業に入るのは会社としては苦しいところだが、影山専務は「女性にとっては仕事以上に子どもが大事ですから、そこは分かってあげる必要があります」と理解を示す。

body2-1.jpg「子育てをしながら働く上で大変なことは、色々なことが予定通りにいかないこと。その点を理解していただいているので、助かっています」という斉藤さん、峰松さん

まず先輩社員を育て育成の連鎖をつくる


 今でこそ働きやすい環境が整っている同社だが、7〜8年前までは採用が難しく、入社後もなかなか人が育たない時期があったという。
 「若手を雇用しても少し年上の良い先輩がいないと、結局、壁に当たった時にそれを乗り越えられないんですね。ですから若手のリーダー的な存在がとても大切です」(影山専務)
 そこで若手勉強会に力を入れ始めた。現在も、外部から講師を招いてチームリーダー研修を月に1回実施し、そこには営業の若手リーダー、リフォームの若手リーダーなどが参加している。
 入社6年目、営業事務の渡部さんも、チームリーダー研修に参加している一人。渡部さん自身、学びを生かして働きやすい職場作りに率先して取り組んでいる。例えば、後輩の女性社員でも簡単に見積もりが作れるように、マニュアルを作成。それを使って後から入社してきた斉藤さんや峰松さんに仕事を教えつつ、彼女らの力を借りてマニュアルをブラッシュアップしている。渡部さんは「当社で女性が働きやすいのは、やっぱり影山専務がいてくれるというところが大きいと思います。何でも話しやすいですし、安心感もあります」と言う。
 「住まい作りには女性の感性が欠かせない」と考えるケイワン・トーヨー住器。制度の充実に加え、仕事と家庭の両立や育児の苦労に理解がある経営層によって、女性社員も生き生きと働ける環境が支えられている。

body3-1.jpg「社長も専務も社員の皆さんも、とにかく話しやすい人ばかりなので本当に働きやすいです」という渡部さん

女性社員でにぎやかなランチ会


 会社の裏に美味しいカレー屋さんがあり、お昼にそこで女子社員全員で、「女子ランチ会」をしています。特に仕事の話をするわけでもなく、女性社員同士のコミュニケーションを円滑にするのに役立っていると思います。といっても、普段から女性同士が話しやすい職場なので、なんでも話してはいるのですが(笑)。ランチ会自体は不定期で、その前はカフェに行ったり、みんなでお弁当をとったりしたこともあるのですが、私は全部に参加できていないのが残念です。

edit-1.jpg影山専務が率先して促している女性同士のコミュニケーション。女子ランチ会も、その一環として行われている