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多摩地区 金澤建設株式会社

金澤建設株式会社 小金井で創業して70年超<br>地元への愛情が深い総合建設会社

金澤建設株式会社

小金井で創業して70年超
地元への愛情が深い総合建設会社

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多摩地区

金澤建設株式会社

小金井で創業して70年超
地元への愛情が深い総合建設会社

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地域貢献に本気で取り組む建設会社のストーリー
小金井で創業して70年超 地元への愛情が深い総合建設会社

 ゼネコン(建築・土木工事を請け負う総合建設業)”というと、名前が知られた大手のゼネコンを想像しがちだが、日本各地には地域密着型の中小ゼネコンが多く存在する。金澤建設は小金井市に拠点を置き、様々な事業を通して地域の活性化に取り組んでいる。

24時間体制で待機し災害時の道路を守る

 「創業以来、土木建設を中心に事業を展開してきましたが、2000年より建築工事の請負を開始し、総合建設会社となりました」と語る金澤社長。金澤建設は、1945年に創業者の金澤亨氏が小金井の地で創業して以来、地元に根を下ろして経営を続けている。2015年には、創業70 周年を迎えた。
 金澤建設を語る上で欠かせないキーワードが、地域貢献だ。同社は東京都、小金井市と道路啓開作業協定、雪害対策協定を結んでいる。これらは簡単にいうと、事故、災害、豪雪などにより道路が使えなくなった時に、同社が復旧作業にあたるという自治体との契約だ。金澤社長は「万が一、何かがあった時には我々が出動します。24時間、365日、いつでも出動できる体制を整えておかなければなりません」と言う。そのため、通常リースで済ませる会社が多いパワーショベルやローラーを、いざという時のことを考えて購入し、更に専用の資材置き場も確保。不測の事態が起こった時には、社員は真夜中であろうと駆けつける体制だ。このような取組を行う企業は現在、非常に少なくなっており、小金井市でも2社ほどしかいないという。
 「決して楽なことではないのですが。これも長年当社を支えてくれている地域への感謝の取組ですね」(金澤社長)

body1-1.jpg地域貢献について語る金澤社長

やりがいにつながるありがとうの一言

 金澤建設を語る上でのもう一つのキーワードが感謝だ。
 金澤建設の社内では、頻繁に「ありがとう」という言葉が聞こえてくる。もちろん、意識的に行っていることだ。
 「超大手のゼネコンなどと違い、我々には当社にしかできない独自技術などはありません。では、当社の武器はなんだろうかと考えた時に、徹底的に地元に尽くすこと、そして一緒に仕事をして気持ちの良い会社だと思われること、これしかないと思うんです」(金澤社長)
 総務部で入社3年目の冨澤さんは「私は転職をしてきたので、当社の特徴が良く分かります」と言う。
 「社長を始め、上司や同僚の方々も、ちょっとしたことでも必ず“ ありがとう” と言ってくれます。総務のようないわば裏方の仕事をしていると、そうした一言がとても嬉しいです」
 建築部に所属し、入社4年目になる鈴木さんも「社内でありがとうと言われることも嬉しいですが、私はお客様にありがとうと言ってもらえることがやりがいですね。建築には時間がかかるので、建物が完成した時には感激しますし、頑張ったことが形として残るのはとても嬉しいです」と話す。
 社内外で飛び交う感謝の言葉が、社員同士はもちろんのこと、同社と顧客、同社と地元の絆を深めているようだ。

body2-1.jpg感謝の言葉について語る総務部の冨澤さん(左)と建築部の鈴木さん(右)

地元になくては困ると言われる会社を目指す

 金澤建設は、創業100年という未来に向かって変革の途中にあるという。2015年からは新規事業として洋菓子店の経営も始め(詳しくは下記の「地元愛から新規事業で洋菓子店経営」を参照)、そこで新たな雇用を創出。地域に貢献しながら、他社にはない独自色を強めていく方針だ。
 「当社がここまでやってこれたのは、地域の住民や取引先、地元の行政、商工会等、多くの人々に支えていただいたからです。もちろん、社内も素直な良い人間ばかりです。洋菓子店の経営も、建設業以外の様々な分野の人達の力を借りてなんとかスタートをすることができました。建設会社がパティシエを募集して、よく人が来てくれたなと今でも思います。本当に、人に恵まれていると感謝しております」
 その感謝の気持ちを、地元に還元していきたいという想いが強い。
 「会社の規模を大きくしたいわけではないのです。ただ、“ 小金井にはやっぱり金澤建設がなくちゃ困る” と言っていただける会社、地域のお役に立てる会社にしたい」と言う金澤社長。最後まで、地元への想いを語ってくれた。

body3-1.jpg地元との絆を物語る、小金井市長からの感謝状

ハツタロウー・ケンジロー・なびでんちゃんのもっと知りたい!

地元愛から新規事業で洋菓子店経営


 当社は、2015年から新規事業として洋菓子店を経営しています。建設会社がスイーツというと皆さん困惑されるのですが、Build(建設)+ Dulce(スペイン語で“ 甘い”)でビルドルセという店を運営しています。実は2014年に、地元で27年続いた洋菓子の名店が閉店することを知り、「あまりにももったいない。地元の名物をなんとかして引き継げないか」という思いだけで突っ走りました(笑)。洋菓子のことなど全く分からない状態だったのですが、幸いにも多くの人の助けを得て、地元の味を守ることができました。
 今では店舗での雇用も増えており、少しでも地域に貢献できているのかなと思っています。
(金澤社長)

edit-1.jpg地元の名物を引き継ぐビルドルセの店舗edit-2.jpg地元愛を持って笑顔で接客するスタッフ