多摩地区 特定非営利活動法人ケンパ・ラーニング・コミュニティ協会

特定非営利活動法人ケンパ・ラーニング・コミュニティ協会
働く仲間の多様性を認め合いながら インクルーシブ保育を実践

特定非営利活動法人ケンパ・ラーニング・コミュニティ協会
働く仲間の多様性を認め合いながら インクルーシブ保育を実践

園児も職員も「自分らしさ」で輝く保育ストーリー
働く仲間の多様性を認め合いながら インクルーシブ保育を実践
認可保育所運営等を通じて「壁のない保育」を提供する、ケンパ・ラーニング・コミュニティ協会。そこでは、ありのままの子どもたちを見守る保育士たちが、生き生きと働ける環境が整備されていた。
子どもたち主体の保育 個性に向き合って、伸ばす
「インクルーシブ教育」。これは、「包括教育」とも呼ばれ、共生社会の実現を目指し、人間の多様性を尊重する教育であり、主には障害のある人とない人とが、共に学ぶ仕組みを指すもの。ケンパ・ラーニング・コミュニティ協会は、『民族・国籍・宗教・文化・発達・障害、様々な違いを認め合い助け合う笑顔のコミュニティ』を未来ビジョンとして掲げ、ダイバーシティ、インクルーシブ教育・保育の提供を行う。認可保育所の運営事業を中心に、事業所内保育所の開設支援・運営受託なども手掛ける。

人はそれぞれ違う存在 違いを認め合い働ける場所
現在、直営の認可保育所を4園運営する同協会。保育士を始めとする職員も多様性に富んでいて、男性保育士が約20%在籍する。職員の出身国は7か国に及び、高齢の職員もいるという。
業界全体では5%程度といわれる男性保育士を確保するために、何か工夫をしているのだろうか。和久津理事長に尋ねると、穏やかな口調で答えてくれた。
「よく聞かれるのですが、多様な人材確保のために、何か特別な取組をしているというわけではありません。多様な個性を大切にしようという私たちの理念に共感した仲間が集まった結果、そうなっているのではないでしょうか。他業種から転身した職員も少なくありませんし、65歳以上の職員もいます。背景の異なる職員皆が、子どもたちの主体性を大切に育んでいます。今後は、定年制度を撤廃して、更なる人材の確保に努めていきたいですね」

アットホームな雰囲気の中、共に成長できる人間関係
入社5年目、班長の岩下さんは、中学生の頃からの夢を叶えて保育士になった。就職の際に重視したのは、「温かい雰囲気」だ。自分自身の性格も考えると、1クラスの人数が少なく、一人ひとりとしっかり向き合える環境がよいと、同協会を選択した。
英語や海外に興味があり、多言語コミュニケーションが可能な環境にひかれて入社したのは、入社2年目の中村さん。日常のやり取りの中で生きた外国語に触れられる日々に満足しているという。
職員同士の関係も非常に良く、何でも相談できる雰囲気だ。上司からは仕事をしていく上で「今度はこんなやり方をしてみたら?」と、有益なアドバイスをもらうことも多いという。岩下さんも中村さんも、もっと経験を積み、先輩たちの指導を受けながら、子どもたちはもちろん、保護者に寄り添える保育士になりたいと語ってくれた。

休暇制度や教育研修が充実 安心して働き続けられる職場
現状、職員の平均年齢が30歳代である同協会では、毎年10%超の従業員が産前産後休業・育児休業を取得する。子が就学するまでは短時間勤務の選択が可能で、法定を超える制度が整備されており、復職率は100%に近い。事務のIT化を進め、効率を高めることで労働時間の削減も図っている。
また、社内教育・研修も充実しており、入職時には全員を対象に「ガイドブック研修」を行い、理念を共有する。入職し配属から半年が経過したところでキャリアアップ研修があるほか、年に一度、全職員が集合する研修も行う。これは、事業所や職位・職域の異なる職員同士が交流しながら学ぶ機会となっている。更に、海外研修も実施しており、その際には、職員の意見を取り入れて企画・立案がされるという。
いずれ独立したいと考えている職員へのサポートも積極的に行っている。事業所内保育所事業を受託した際には、そうした職員に設立・運営を任せた実例がある。
「壁のない保育」を理想として掲げ、実践している同協会は、今後、重度心身障害児支援事業の立ち上げも目指す。それぞれ違う子どもたちの個性・主体性を尊重し育む協会の理念は、人づくり・会社づくりにも、生きているといえよう。

ハツタロウー・ケンジロー・なびでんちゃんのもっと知りたい!
「やりたいこと」「好きなこと」で才能発揮
少人数保育を掲げ、園児一人ひとりの「やりたい!」思いを尊重している当園では、職員のやりたいことや個性・持ち味といったものも大切にしています。昨年の運動会では、職員が着用するおそろいのTシャツを保育士の鈴木さんがデザインして、好評でした。
とはいえ何でも「手づくり」にこだわるわけではありません。近年では、これまで内製していたために手間がかかっていた物品を、購入に切り替えることで、職員の労働時間を削減することに成功しています。効率化と「やりたい」思いをバランスよく取り入れて、働きやすさや、やりがいを実現していけたらと思っています。(和久津理事長)

- 社名:特定非営利活動法人ケンパ・ラーニング・コミュニティ協会
- 設立年・創業年:1990年10月
- 資本金:-
- 代表者名:理事長 和久津 肇
- 従業員数:117名(内、女性従業員93名)
- 所在地:181-0001 東京都三鷹市井の頭2-14-6
- TEL:0422-49-2770
- URL:https://www.kenpa.jp